3分でわかるキーワード 実用化「尿1滴でがん検診」

カテゴリ:テクノロジー

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16日のテーマは「尿1滴でがん検診」。

がんは日本人の死因の第1位。

そして、生涯で2人に1人が、がんにかかる時代ともいわれている。

早期発見・早期治療が大切なのはもちろん、検診も大切。

今回、画期的な検診技術が実用され始め、1月から始まっている。

開発したのは東京のベンチャー企業。

どういうものかというと、「線虫」という生物に、人の尿、おしっこのにおいをかがせるというもの。

線虫というのは、嗅覚がとても優れているのだという。

さまざまな種類がいて、がん検診に使われる線虫は、「シー・エレガンス」という、きれいな名前の線虫。

体長は、わずか1mmで、目がついていないかわりに、犬よりも嗅覚が発達しているという。

その嗅覚を使うことから、「N-NOSE」と呼ばれる検査だという。

この線虫、がん患者の尿には近寄っていき、逆に、がんにかかっていない人の尿には近寄らないという。

がん患者の尿の中には、がん特有の微量なにおい物質があるといい、このにおいが、線虫が普段から好む餌のにおいと似ているため、近寄っていくとみられている。

その特性を検診にも利用する。

肝心のがんの検診率は、今、日本では3割から5割程度と言われている。

中には補助のない検診もあり、検査が受けられないという体調の方もいるが、「どうして受けないんですか?」と聞くと、「受ける時間がない」、あるいは「経済的にも負担」などの答えが上位を占めている。

今回の線虫を使った検診は、これらの悩み・不満を解消する可能性があるといわれている。

確かに、がん検診というと、大がかりな感じがして、ちゅうちょするという人もいるかもしれない。

しかし、この検査は、尿を1滴だけ出せば、それで検査ができるという。

しかも、線虫は小さい生物で飼育コストが安いので、検査料金も安くなるという。

「PET検査」というのを聞いたことがある人も多いと思うが、「PET検査」は、全身を調べて、がんがどこにあるかを調べる検査。

これは、だいたい10万円かかるといわれているが、今回の線虫を使った検査は、10分の1の9,800円で済む。

一度に15種類のがんがわかり、「ステージ0」といった早期のがんも検知が可能。

ただし、がんの有無のみで、どこにがんがあるかまでは、今の技術ではわからないという。

そのため、「がんがありますよ」と言われたら、その先のくわしい検査が別に必要になるということだが、今後はもちろん、がんの種類まで特定すること、2022年には早期発見が難しいと言われる、すい臓がんの特定を目指しているという。

一部の会社や健康保険組合では、すでに検査が始まっている。

来週から順次、検査の受付が始まるということで、9,800円、広がっていくかもしれない。