宮崎の森林に「ミステリーサークル」が出現…“想定外”の自然の力が働いていた

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  • 宮崎の森林に「ミステリーサークル」が出現
  • これは杉の成長や強度を調べるための試験林の一部
  • 中心部は高密度に、外側は低密度に植えたが「想定外」の現象も…

宮崎県日南市の森林に“ミステリーサークル”が出現し、話題になっている。

宮崎南部森林管理署

森林が描く不思議な2つの円形の模様。
実はこれは、日南市一帯に分布する杉の成長や強度を調べるための“試験林”の一部だ。
しかしこの模様には、よりミステリーサークルに見えてしまう「想定外」の自然の力もあったという。

どうしてこのような模様が出来上がったのか?そして、何が「想定外」なのか?
この試験林を管理する、宮崎南部森林管理署の野邊忠司次長に話を聞いた。

ミステリーサークルを確認したのは3年前

宮崎南部森林管理署

――この試験林の目的は?

飫肥杉(オビスギ)で有名な宮崎県南那珂地域では、弁甲材(造船用材)という独特の木材を生産してきましたが、船のFRP(繊維強化プラスチック)化などにより弁甲材の需要は減少し、建築用材の生産へと移行してきました。

このような中、1973年度に設定されたのが、この「試験林」です。

植栽密度の違いによる成長や材質の違いを検証し、飫肥杉の建築用材生産に向けた効率的な施業(植林、育林など)体系を確立することを目的として設定されたものです。


――どのようにして飫肥杉を植えていった?

試験林は、半径の異なる10個の同心円状の、円の中心から10度の放射線との交点に36本のスギを植栽し、1ヘクタール当たりの密度が377本から1万27本となるように植林しています。

宮崎南部森林管理署

――377本から1万27本と、密度に幅がある理由は?

中心ほど密になり、外に行くほど間隔が広くなっているためです。


――何本、植えた?

1つの円が360本で、円が2つで合計720本です。

1周36本ずつ植えた結果、木の高さは、中心部の木が約15.3メートルなのに対し、外側の木は20.6メートルとなっており、その差が5.3メートルになっています。

また、木の胸の高さの直径は、中心部の木が14センチなのに対し、外側の木は39センチとなっており、その差が25センチになりました。

宮崎南部森林管理署

――ミステリーサークルのような模様ができたのはいつ頃?

ドローンが導入される以前は、試験地の対面の市道から遠方にしか見ることができなかったところですので、鮮明には確認できませんでした。

当署にドローンが導入されたのが3年前であることから、その時点ではっきりと確認することができました。

“密度管理理論”とは異なり「想定外」

試験林として、同心円状に密度を変えて飫肥杉を植えたことでこのような模様になったことはわかったが、「想定外」についても聞いてみた。

――このようなかたちになったのは「想定外」、どういうこと?

「樹高は密度に影響されない」という“密度管理理論”とは異なる途中経過となっており、想定外の結果となっています。


――「樹高は密度に影響されない」、どういうこと?

密度が違っても、木の高さは一定という考え方です。

密度が違っても、光の当たる量は変わらない。つまり、育つ環境が変わらないため、木の高さは変わらないと考えられていたのですが、今回は、密度が低くなるほど木の高さが高くなっています。

――このような原因になった理由として考えられることは?

現時点でこのようになった原因は不明ですので、今後とも調査研究を継続していきたいと考えています。


――今後も原因の調査は続けていく?

試験期間は2023年度までとなっていますが、今後もこの貴重な「試験林」の経過観察を継続するとともに、少しでも多くの方に知って頂き、地域の観光資源の一つになればと考えています。

宮崎南部森林管理署

宮崎県の試験林に自然が作り出した「ミステリーサークル」は、“密度管理理論”とは異なり、中心部と外側が違う高さに成長したことからその不思議さが増したようだ。
原因はミステリーとのことだが、今後、解明されることを期待したい。