在職日数で歴代4位も安倍総理“塩対応”2つのワケ

【リアル首相動静】

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吉田茂に並ぶ通算在職日数・・・でも“塩対応”

2月22日、安倍首相は第1次政権時代と合わせた「通算」での首相在職日数が2616日となりました。これは麻生副総理の祖父でもある吉田茂元首相に並ぶ、歴代4位タイの記録です。この2日前の20日には、第2次政権が発足してからの「連続」での在職日数でも歴代2位となるなど、着々と長期政権の道を歩んでいます。

私たち総理番記者は、通算在職日数が4位となった22日、安倍首相の感想を聞こうと、いわゆるぶら下がり取材を申し込みました。しかし、官邸サイドからは応じるとの返答がなく、安倍首相が官邸に入る際に直接、声掛けを行いました。

すると安倍首相は「今後も一日一日全力で取り組んでいきたい」と短く応じたのみで、足早に総理番記者の前から去ってきました。

安倍首相(2月22日)

長期在職記録という安倍首相にとって明るいテーマの割には、ずいぶん淡白な対応だったという風に感じました。実際、去年12月に第2次安倍政権発足から6年が経った時には、丁寧に取材に応じるなど、記録の節目にはきちんと対応してきました。なぜ、今回はこのように対応になったのでしょうか。

1つは、国会対応を重視したという見方があります。国会では、予算案の審議が佳境に差し掛かっていて、毎月勤労統計の不正問題や桜田大臣の言動などをめぐり、野党からの追及が続いています。そうした中で、在職日数に関してぶら下がり取材に応じた場合、浮かれているように見えてしまうのを嫌ったと思われます。

もう1つは、記録があくまでも4位だという点です。このあと安倍首相は、6月6日に通算在職で伊藤博文に並ぶ3位、8月23日に佐藤栄作に並ぶ通算在職2位と連続在職1位、11月19日に桂太郎に並ぶ通算在職1位となるなど、記録の節目が続きます。そのため1位ならまだしも、4位の段階で特段コメントする必要はないし、ここでコメントすれば3位、2位になった際にもコメントしないといけなくなるという判断も背景にあったとみられます。

周囲は盤石!?“お友達“との会合連発!お忍び官邸密会も!

こうした長期政権はもちろん安倍首相1人だけで築いたものではなく、政権を支える多くの人達があってこそという面もあります。安倍政権を中枢で支えてきた1人である菅官房長官は22日、「あっというまの7年間だった。今後も国民の皆さんの声に耳を傾けつつ、それぞれの課題に真摯に対応していきたい」と振り返りました。また、別の政権幹部も「一生懸命やっているうちは気づかなくて、気づいたら記録に並んでいた」と、しみじみと話しています。

菅官房長官(2月22日)

このように政府側に安倍首相を支える体制が整っている一方、自民党側を見ても安倍首相を支える体制は分厚いものがあります。その中でも安倍首相にとって自身と仲のよい「お友達」の存在は重要なようで、最近も頻繁に会合を重ねています。

 21日夜には、側近の下村博文元文科相、当選同期で長年の友人である荒井広幸内閣官房参与と首相公邸で会食しました。ただ2人は正面入り口からではなく、別の入り口から入っていきました。人目を避けることで、「お友達」としての親密な関係をあまり公にしたくない思惑がはたらいたものとみられます。

また安倍首相は、18日には岸田政調会長や野田聖子衆院予算委員長ら当選同期の議員らと会食し、さらに通算在職記録4位となった22日にも当選同期であり政権の柱として信頼をおく茂木経済再生相と2人で会食しています。

当選同期の会に向かう安倍首相(2月18日)

自民党内では石破元幹事長らから政権批判の声も噴出していますが、安倍首相としてはさらなる長期政権の継続に向け、こうした会食を通じ党内の議員らとの結束を重視しているようです。

歴代1位の長期政権に向けて

首相官邸ホームページより

安倍首相はこのままいけば、11月に戦前の桂太郎元首相を通算在職日数で上回り、在職歴代1位の首相となります。桂太郎といえば明治・大正の「元勲」で、多くの人にとっては社会科の授業でしか聞かない歴史上の人物であり、安倍首相の長期在任がいかに歴史的なことかを物語っています。

ただ、安倍首相が確実に桂太郎の在任記録を更新できるのかといえば、100%ではありません。

なんと言っても夏に参議院選挙が控えています。これまで国政選挙で圧勝を続けてきた安倍首相ですが、今年は統一地方選と参院選が重なり自民党にとって鬼門となっている「亥年」選挙の年で、そこでの大敗は避けなくてはなりません。

外交では北方領土問題や、北朝鮮問題、内政では勤労統計の不正問題など、難しい課題を多く抱える中で、安倍首相がこのまま秋に、通算在職歴代1位の総理大臣として歴史に名を残せるのか、手腕が問われる局面が続きます。

(フジテレビ政治部 総理番記者 梅田雄一郎)

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