なでしこDF清水梨紗 抜群のスピードとスタミナでサイドを活性化する右サイドバック

【2019She Belives Cup特集3】DF清水梨紗選手(日テレ・ベレーザ)

カテゴリ:芸能スポーツ

今年は4年に一度の女子ワールドカップイヤー。

6月にフランスで開催されるワールドカップを前に、『なでしこジャパン』は、2月28日から3月6日まで行われる『2019She Belives Cup(シービリーブスカップ)』に出場。
各大陸に君臨する強豪チームのアメリカ・ブラジル・イングランドと、まさにワールドカップの前哨戦ともいえる真剣勝負を繰り広げる。

1週間で3試合、移動距離は約2400kmとアメリカ東海岸をほぼ縦断する過酷な日程の中、2011年以来の世界一奪還へ、フレッシュなメンバーを加えた、新生なでしこジャパンがどんな戦いを見せるのか。

10人の注目選手を取材した。

最終ラインに欠かせない一人

右サイドで攻守の鍵を握る清水

高倉ジャパンの右サイドバックで現在、最も安定したパフォーマンスを見せているのがDF清水梨紗だ。

昨年2月のアルガルベカップでA代表デビューを飾って以降、質の高いプレーを続け、今や最終ラインに欠かせない一人となった。

豊富なスタミナを生かした攻撃参加と粘り強い守備は持ち味だ。160cm47kgと細身だが、若い頃から国内リーグや年代別代表で、年齢や体格も上の選手たちと駆け引きを磨いてきた。

昨年は、4月のアジアカップと8月のアジア大会のタイトルに貢献した。中でも決定的な仕事したのが、AFC女子アジアカップのグループステージ第3戦のオーストラリア戦と、アジア大会準決勝の韓国戦だ。
オーストラリア戦では、前半に相手の決定的なシュートをゴールの中でブロック。押される流れの中でもしっかり急所を防ぎきった守備が、W杯出場権獲得の呼び水となった。また、韓国戦では絶体絶命のピンチを2度防ぎ、試合終了間際にアーリークロスでFW菅澤優衣香の劇的な勝ち越し弾を演出した。

試合中ほとんど表情を変えないワケ

強豪相手に攻撃でも先手を取れるか。注目したい

W杯と聞くと、蘇る悔しい思いもある。高倉監督が率いた2016年のU-20女子W杯はメンバー入りしたが、直前のケガで涙を飲んだ。
「テレビで応援していましたが、出られなくて悔しい思いがありました。(6月のW杯では)メンバーに選ばれて、チームが少しでも良くなるように自分から発信していきたいですね」

そのためにも、6月に向けて、コンディションづくりも意識している。

直近の4年間のリーグ戦における清水の出場率は98%と非常に高く、そのうち91%の試合にフル出場し、日テレ・ベレーザのリーグ4連覇を支えた。今年も、かなりハードな日程になりそうだ。疲れ知らずのイメージがあったが、清水は笑って否定した。

「(今年の)元旦までサッカー(皇后杯決勝)をして、次の代表活動が月末には決まっていたので、昨年からシーズンがそのまま続いている感じです。疲れは感じますよ(笑)。でもその分、オフの日はサッカーから離れて、スイッチもオフにします。好きなことをしてリラックスしています」

そのメリハリは、試合にも生かされている。

試合中、清水は表情をほとんど変えない。終盤になっても飄々とオーバーラップを繰り返す。それは人一倍のスタミナを持っていることに加えて、重要な局面で力を出せるように予測して無駄をなくし、プレーの質を保っているからだろう。

清水が昨年夏のアメリカ戦後に「1対1もさせてもらえなかった」と、悔しそうな表情で振り返った相手がいる。それが、アメリカのFWメーガン・ラピノーだ。

「ラピノー選手はテレビでも観てよく知っていた選手だったので、マッチアップした時に、いつもなら上がっていけそうな場面でやめた場面があったんです。今回もまた対戦できることになったら、受け身にならずにどんどん先手を取っていきたいと思っています」

3連戦では、6月のW杯のグループステージで対戦が決まっているイングランドとも対戦する。欧米の強力なサイドアタッカーとのマッチアップで、清水が躍動感あふれるプレーを見せてくれることを期待したい。

(文・写真:松原渓)