フェイク・ニュースで名誉棄損訴訟へ! ワシントン・ポスト紙 史上最高額で訴えられる

反トランプのためにジャーナリズムの基本を無視したか

カテゴリ:話題

  • “ジャーナリズムの権化”ワシントン・ポスト紙が275億円の損害賠償訴訟で訴えられた
  • フェイクニュースで傷づいた少年は、政治家や複数のマスコミを訴えると警告
  • ジャーナリズムの基本を無視する代償は高い

275億円の損賠賠償訴訟へ

ウォーターゲート事件の報道でニクソン政権を倒しジャーナリズムの権化のように言われたあのワシントン・ポスト紙が、今「フェイクニュース(偽ニュース)」による名誉毀損でなんと2億5000万ドル(約275億円)の損害賠償を求められた。

当初は赤い帽子の少年が高齢の原住民に立ち塞がったと伝えられた

その「フェイクニュース」というのは、1月18日にワシントンでカトリック系の高校生の集団と原住民のデモ隊が入り混じる事態になった時、高齢の原住民の男性が太鼓を叩いて詠唱している前でトランプ大統領のスローガンである「米国を再び偉大に」と白地で染め抜いた赤い帽子をかぶった少年が立ち塞がっているように見える動画が拡散したことをめぐって、マスコミが少年が原住民に嫌がらせをしたように報じたことだ。(本コラム1月29日参照)

「MAGA(米国を再び偉大に)帽をかぶった少年に阻まれた原住民は『事態は険悪になっていた』と語る」

ワシントン・ポスト紙はこういう見出しで伝え、その高齢の原住民はかつてベトナム戦争に従軍した海兵隊の出身であると伝えるとともに「私は怖くなってそこを出ようとしたが、少年は私の行く手を遮って出させなかった」という談話も掲載した。

別の角度から捉えた画像 立ち塞がったのはどちらか・・・

しかし、その後別の角度から撮影された動画が公表されると、高齢の原住民の方が少年に近寄ってゆき威圧するように少年の目の前で太鼓を叩いて詠唱したのだということが分かった。またその原住民もベトナム戦争に従軍したことがないだけでなく、海兵隊で三回逃亡罪で処罰され民間でも数々の逮捕歴のあることが判明した。

「ジャーナリズムの基本的基準を無視している」

一方の少年はケンタッキー州のカトリック教系の16歳の高校生で、当時は事態を悪化させないように平静を保っていたことがわかったが、ワシントン・ポスト紙以外のマスコミや著名人のSNSでも非難を浴び一時は地元のカトリック教会から破門同然の仕打ちを受けたので、名誉回復のためにも代理人を立てて損害賠償を求めることにした。

「ポスト紙はかねて知られるようにトランプ大統領に反対する偏った方針から、大統領の支持者と思われる人物を非難するために(事実を確認する)ジャーナリズムの基本的基準を無視してしまった」

少年の代理人は19日(現地時間)このような理由でワシントン・ポスト紙を懲罰的賠償2億ドル(約220億円)名誉毀損で5000万ドル(約55億円)計2億5000万ドル(約275億円)の損害賠償を求める訴訟を起こした。

ワシントン・ポスト紙を買収したジェフ・ベゾス氏

名誉毀損で2億5000万ドルの損害賠償というのは米国でも前例がないというが、この金額は2013年にアマゾンの社主で世界一の富豪と言われるジェフ・ベゾス氏がワシントン・ポスト紙を買収した際と同額で、ある意味で同紙にゼロからの出直しを求める意味が込められた金額とも考えられる。

政治家や他のマスコミも提訴か

少年の代理人はワシントン・ポスト紙以外にもニューヨーク・タイムズ紙やCNN放送それに来年の大統領選に出馬表明をしているエリザベス・ウォーレン上院議員(民主党・マサチューセッツ州選出)ら当時少年を非難した53のマスコミやその関係者、政治家などに対して訴訟を起こす旨の警告書を発送していると伝えられるので、「フェイクニュース」は高くつくことになるようだ。

【執筆:ジャーナリスト 木村太郎】
【イラスト:さいとうひさし】

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