皇太子さま59歳お誕生日 国民とともに歩む「新しい風」

カテゴリ:国内

  • 皇太子さまは、2月23日、59歳のお誕生日を迎えられた
  • 記者会見で即位を迎えるお気持ちや、雅子さまなどについて語られる
  • 視覚障害者女子マラソンの伴走者として走られた際の映像も公開される

皇太子さま 59歳のお誕生日で記者会見

皇太子さまは、2月23日、59歳のお誕生日を迎えられました。
これに先立ち、皇太子さまは記者会見に臨み、今の心境、新天皇への決意、 そして天皇皇后両陛下への思いなどを述べられました。
皇太子というお立場では最後の記者会見でいらしただけに、注目が集まりました。 

最初しばらくは、『皇太子様』と呼ばれても、何か実感が湧かなかったことを覚えています

まず、皇太子さまは、皇太子という立場になられた時のことを、このように振り返られたのです。
そして・・・

皇太子としての活動を行うに当たっては、国民の幸せを願い、国民と共にありたいと思っておられる陛下をお助けすべく、皇太子として自分に何ができるかを常に考えながら、一つ一つの公務に取り組んでまいりました

天皇になる立場であることを、これまで以上に自覚したことを示されています。

即位について語られる

即位されること、その後については、まず次のように述べられました。

これからのことを思うと、とても厳粛な気持ちになりますが、引き続き自己研鑽に努めながら、過去の天皇のなさりようを心にとどめ、国民を思い、国民のために祈るとともに、両陛下がなさっておられるように、国民に常に寄り添い、人々と共に喜び、あるいは共に悲しみながら、象徴としての務めを果たしてまいりたいと思います

天皇陛下から学ばれた天皇像をもとに、国民に寄り添うお気持ちを示されています。
さらに陛下と同じように「象徴」というものを一層追い求める覚悟も示されたのです。

過去の天皇が歩んでこられた道と、天皇は日本国及び日本国民統合の象徴であるとの日本国憲法の規定に思いを致し、国民と苦楽を共にしながら、国民の幸せを願い、象徴とはどうあるべきか、その望ましい在り方を求め続けることが大切であるとの考えは、今も変わっておりません。
同時に、その時代時代で新しい風が吹くように、皇室の在り方もその時代時代によって変わってくるものと思います。私も、過去から様々なことを学び、古くからの伝統をしっかりと引き継いでいくとともに、それぞれの時代に応じて求められる皇室の在り方を追い求めていきたいと思います
」 

時代とともに皇室が変わることを恐れない。恐れないというよりも、変わっていかなければいけないものもある、そんなお考えはこれまでも皇太子さまは語られてきました。
変わるきっかけを「新しい風」と表現されたのでしょう。

その一方で、私たちにとっては、皇太子さまのご即位自体が、新たな時代の始まりを告げる「新しい風」に感じるのではないでしょうか。 

伴走者と走られる映像も公開

そのような「新しい風」を感じさせる映像が、お誕生日に合わせ宮内庁から公開されました。

それは、2016年のリオデジャネイロ・パラリンピックで視覚障害者女子マラソンの銀メダリスト、道下美里選手の伴走者として 去年6月、赤坂御用地を一緒に走られた際、撮影されたものです。

道下さんは、2年前の秋の園遊会に招待された際、皇太子さまとお話をする機会を持ち、その時に、「機会があれば一緒に走らせていただきたい」と話をしていたのです。その申し出を皇太子さまが受けられたのです。

当日にむけ、皇太子さまは、伴走者がどのように指示を出すのか事前に本を読んだり動画を見たりして研究し、当日も伴走者の様子をご覧になったうえで、途中から誘導のひもを引き継がれたということです。

皇太子さまは「この先左10mでカーブします」「道がデコボコしていますよ」など状況を知らせながら、一緒に、園遊会の会場となった赤坂御苑などを20分弱、2キロあまり走られたということです。

会見ではそのことにも触れ、

実際に御一緒してみて、私自身も最初は少し緊張しましたけれども、楽しくとてもいい経験をさせていただいたように思います。一例を挙げますと、例えば2メートルくらい先にマンホールがありますということを道下さんにお話しようと思いましたら、気が付いた時にはもうマンホールの上にいるような感じで、走っていると随分スピードもあるんだなと思いましたし、実際に伴走の方がどのように選手をリードされているのかということも私も分かって、自分としても大変いい経験になったと思います

自然な形でパラリンピックの競技を自分自身が体験できたということは本当に自分にとっても良かったと思っております。そして、来年のオリンピック・パラリンピックを大変楽しみにしております

このように感想を述べられていますが、その映像には、皇太子さま、道下さん、いつもの伴走者の方と日本ブラインドマラソン協会のコーチが映っていましたが、皆さん笑顔で、気持ちよさそうに走っていらっしゃいました。

実際に経験して、その弱い点を知ろうとする、弱い人を助けるには何が必要か知ろうとするそのすがすがしい姿に「新しい風」、新しい天皇像を拝見できたように感じました。

皇太子妃雅子さまについて

さて、会見では、少しずつ活動の幅を広げている、皇太子妃雅子さまについても触れられています。

今後は、自身の置かれる立場が変わることで、公務も多くなる中、一朝一夕に全てをこなせるようになるわけではないと思いますが、雅子は、これからも体調に気を付けながら快復を目指して更に努力を重ねていくと思いますので、国民の皆様には,引き続き快復を温かく見守っていただければと思います

雅子さまはここ数年、少しずつ本当に一つ一つ階段を上るように、活動の幅を広げていらっしゃいます。ただ、雅子さまは現在も療養中でいらっしゃるわけで、それは皇后となられても変わることはありません。皇后となられてからも、少しずつ回復に向け努力されるわけで、初めからすべてを望むことはできないことを私たちも理解し、臨まれる公務が増えていくことに喜びを感じていく必要があるのではないでしょうか。 

「象徴」を追及されてこられた天皇皇后両陛下

天皇皇后両陛下は、30年以上にわたりこのお立場を過ごされてきました。その間、陛下は「象徴」というものを追求されてきました。この10年は、ご本人はまだ道半ばとお思いかもしれませんが、円熟した域にまで進まれたような気がします。
皇后さまも、お側から陛下を30年以上にわたりお支えし続けてこられました。

皇太子ご夫妻は、今年の5月1日、初めて天皇皇后という立場になり、「象徴」という道を歩き始められます。

しかし同時に、この日から、「象徴」を全身全霊をもって遂行するという、私たちには想像もつかない苦難の日々が始まります。円熟の域に達するには、その道ははるかに長いものだと思いますが、道下さんと赤坂御苑を走ったときに見せられた「笑顔」に、私は新しい御代に期待をしたくなりました。私たちは信頼と敬意をもって、「新しい風」を敏感に感じ取ろうとする「若き」天皇皇后と共に歩んでいかなければいけないのです。 

(フジテレビ 解説委員 橋本寿史)

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