【副業儲かってますか?】依頼に応じて描く!ワーキングマザーの「ほんわかイラスト」販売

カテゴリ:ビジネス

  • 「産休中にスキルアップしたい」と趣味のイラストを副業に
  • 人気の理由は「かわいいタッチ」と「丁寧なヒアリング」
  • 「リピーターのさらなる活躍を知ると嬉しい」

本業・育児と両立するため 副業は休日だけ

プロのデザイナーやイラストレーターでなくても、趣味で描いた作品をSNSなどに投稿して評価を得られる今、副業として自作のイラストを販売している女性がいる。

使用料金がかからないフリー画像を扱うサイトの充実により、資料作成時などにも手軽にイラストを挿入することができるが、友人や職場の同僚への寄せ書きや結婚式の招待状など、親しい人へ思いを伝える場面では、ありふれたデザインではなく相手の似顔絵などの特別なイラストを添えたいと思うのではないだろうか。

そんな「相手に喜んでほしい」と考える人からイラスト作成の依頼を受け、希望に合わせた絵を描いている東京都在住の中川紗弥佳さん(32)。
IT企業の経営企画部で、売上や商談の数字分析、業務フローの立案などを担当する傍ら、会社の許可を得てイラスト作成の副業をしている。

副業のプラットフォームには、Webデザインの他、動画や画像の制作、翻訳、ビジネスサポート、美容や健康といった様々な分野の知識・スキル・経験を売り買いできるオンラインマーケット「ココナラ」を利用。

現在、1児の母でもある中川さんの1週間のスケジュールを聞くと、平日は本業に専念し、休日の土日を活用して副業に取り組んでいることがわかった。

平日の朝は7時に起床して家事をこなし、8時に子どもを保育園に送ってから通勤。この時、副業であるイラストの依頼メールをチェックして、内容の相談や納期の確認をする。
9時半~17時までの勤務を終えると、保育園の迎えと買い物に寄ってから帰宅し、22時ごろまでは家事をしながら家族で過ごす。
23時からはネットサーフィンや読書などひとりの時間を楽しみ、24時には就寝するという生活だ。

平日に依頼者の要望を整理して、イラストを実際に描くのは土日の家族が寝ている午前中で、7時~10時の3時間ほど。
使用する道具は、ノートパソコンとペンタブレット付属の「CLIP  STUDIO  PAINT」というイラストソフトで、独学で思い通りのイラストを描けるようになったという。
イラスト1点につき完成にかかる時間は合計約2時間で、現在は月に3~10点ほどの依頼があり、1~2万円の収入となっている。

「子どもの頃から絵を描くのが大好きだった」というが、中川さんはなぜイラスト作成の副業を始めたのか? そのこだわりとやりがいを中川さんに聞いた。

「産休・育休期間にスキルアップしたかった」

中川紗弥佳さん

ーー副業を始めたきっかけは?

副業を始めたのは、2016年2月ごろです。産休と育休に入り、その期間はスキルアップをしたいと考えていました。
一方で、産休を機に趣味で通っていた絵画教室を卒業したのですが、絵を描く時間はリフレッシュだったので、絵にまつわることを続けたいと思い、イラスト販売にチャレンジすることにしました。
ココナラに勤務している知人を通してこのような場があることを知り、依頼してくださるお客さまに個人の方が多く、受発注のやりとりが楽しく続けられそうだと思って。
産休に入った当初は、イラストの他にもライターや地図データ作成にもチャレンジしました。しかし、実際にオーダーが入り、お客さまの満足度が高かったのがイラストだったので、出産後はイラストに絞って続けています。


ーー趣味だった絵を販売するにあたり、取り組み方に変化はあった?

幼稚園の時に書いたアリの絵が褒められたことをきっかけに、幼少の頃から絵を描くことが大好きでした。
文集の表紙や寄せ書きの似顔絵など、何か挿絵がほしい時には度々役割がまわってきました。
20代は友人の結婚式ウェルカムボードを頼まれる機会が増え、依頼を受けて描いた絵が喜んでもらえて「嬉しい」と感じたのはこの時です。
転勤で東京に来た際には、知り合いも少なかったので習い事を始めたいと思い、絵画教室で水彩画や油絵を習い、絵や美術に接する時間がより長くなりました。

副業としてイラストを販売することになり、お金をいただく以上は「頼んでよかった」と思っていただけるように、丁寧に絵と向き合うようになりました。
ご希望のイメージを伺うときも、できるだけイメージに相違がないように何度も確認をすることを心がけているのですが、お客さまそれぞれ大事にしているポイントが違っていたりするので、日々勉強になっています。
男性の似顔絵の依頼があった時、「もっと肩幅を広く描いてほしい」と修正を希望されたことがあるのですが、そうした視点を持っていなかったので、以降は絵を通して伝えたいことなども伺うようになりました。絵を見た方が思わず笑顔になるよう、心を込めて描いています。

(左)ラーメンを食べる親子:ショップのカード用として (右)楽器を演奏する女性:SNSのアイコンとして

人気の理由は「かわいいタッチ」と「丁寧なヒアリング」

中川さんの描くイラストは、やわらかい雰囲気の水彩画やパステル調の作風だ。女性や子ども、赤ちゃんを中心に人物を得意としており、ペットや食事のイラストも手掛けている。

イラストを依頼する目的としては、「SNSのアイコンにしたい」という人が最も多く、他にネットショップの商品イメージ画像、本の挿絵、ウェディングアイテムといったシーンでの需要があるという。依頼者は主婦、ブロガー、音楽家、塾の先生など、30代前後の女性が中心。

イラストの価格は基本料金が1000円で、要望に合わせて有料オプションが付加される設定だ。
人数追加(プラス1000円)、小物・アイテム追加(500円)、サイズ変更(プラス500円)、背景追加(1000円)となっている。

依頼者とのやり取りは「ココナラ」上のトークルームで行い、取引のすべてがオンラインで完結するため出品者と購入者の双方に負担が少ないというが、イラスト販売の副業を円滑に進めるために、中川さんはどのようなことを意識しているのだろうか。

ーー副業をする上で大切にしてることは?

大切にしているのは、やはり受発注時のメッセージです。
対面ではない上、お互いに顔写真などをページに載せることもしていないので、できるだけ信頼してお任せいただけるよう、丁寧なやり取りを心がけています。
また、イラストを描く作業時間は土日だけなので、納品日の認識がずれないことにも注意しています。
お客さまの希望に沿ったイラストを描けるように、人物や花などのよく依頼を受けるものは、空いた時間があれば手帳に描くようにしていて、息子の成長記録として描いている絵もイラストの訓練になっています。


ーー副業をして楽しいこと、反対に大変なことは?

ご依頼いただいたお客さまが、さらにご活躍されているのを知った時に「やっていてよかった」と思います。
印象に残っているのはロンドンに住んでいる方からのご依頼で、海外生活を書籍にするため表紙を担当しました。
後日、続巻が決まったからと続けてご依頼いただけたことや、ご家族の似顔絵に赤ちゃんが加わった時は、嬉しいなあと思いました。
「新たなサービスを始めたのでイラストを追加したい」といったリピートでのご依頼は、お客さまのご活躍の幅がまた広がっているんだと感じられて嬉しいです。

大変なことは、家事や育児との両立です。
当初は平日の夜にも行っていましたが、どれも中途半端になってしまったため、仕事復帰後は受注枠を制限して、続けられるように工夫しています。

(左)イラスト作成中の中川さん (右)担当した書籍の表紙イラスト

副業を始めてから約3年となり、これまでに引き受けた依頼は合計125件。
一度に複数枚を依頼されることが多く、手掛けたイラストの枚数は300枚を超えた。(取材時の実績数)

「できるだけイラストの雰囲気とマッチしたお客様が来てくださるよう、工夫しています」と言う中川さんは、本業でECサイトやWebマーケティングの事例を見る機会が多々あり、アクセス解析とサイトの改善を迅速に行うことの重要性を実感していたという。
その経験を活かして、イラスト販売ページの文言にも気を配り、修正を重ねたという通り、取材時にオプション料金について質問した数時間後には、ページに具体例の表記が追加されていた。

今後は、子どもや女性を中心としたイラスト作成に加えて、「育児やワーキングマザーを支援するプロジェクトやサービスにも関わってみたい」と意欲をみせている。仕事を持ちながら子育てに励み、得意な分野で自分らしさを表現して、そのどれをも楽しんでいる中川さんの姿は、働く女性たちに「こうありたい」と勇気を与えるのではないだろうか。

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