日本海の大和堆の実態 北朝鮮、そして中国の脅威が...

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日本の好漁場・大和堆で、境港のベニズワイガニ漁船が北朝鮮の漁船による被害にあっている問題。

今回、北朝鮮に独自ルートを持つ専門家を取材し、違法操業の背景を探った。

北朝鮮は今、近代化する平壌(ピョンヤン)とは裏腹に、外貨獲得のため、漁業権を手放す現状が。

その裏に潜んでいたのは、中国。

北朝鮮の漁業にも影響を与えていた。

独自映像を交え、深層調査。

2019年10月の日本海・大和堆の映像。

TSKが独自入手した映像には、屋根の上に干されたイカ。

違法操業や漁具を盗まれる被害が相次いでいる。

漁を行う境港市の第七十八 丸中丸の竹村稔成漁労長は、「頻繁に大きなしけがくる。ひっくり返っている、たぶん死んだんだと思う。いっぱいいる、流れている船が」と話した。

なぜ北朝鮮は、日本の漁場で違法に漁を行うのか。

その背景にあるのは、貧困。

平壌よりも北にある地方の沿岸部の写真。

崩れそうな瓦ぶきとみられる家、その手前には、あの木造船が無数に引き上げられていた。

島根県立大学・福原裕二教授は、「(木造船はある?)いっぱいある。浜に上げられていて、漁をしないときは。都会と地方の格差」と話した。

その一方で、平壌の2019年8月の映像。

立ち並ぶ高層ビル、道路には電力をもとにした連結式とみられるバス、さらに駅には、カードをタッチ、ICカードでゲートを通過していた。

最近完成したばかりだという、独自技術による地下鉄もあった。

撮影したのは、浜田市にある島根県立大学で朝鮮半島情勢を研究する福原裕二教授。

北朝鮮との独自ルートを持ち、毎年、北朝鮮の情勢分析のために渡航している。

福原裕二教授は、「そこだけ歩いていると、どの街を歩いているかわからないと思う。上海なのか、東京なのか、ソウルなのか。平壌は特別な地域」と話した。

この平壌の富を貧しい人民が支えている現状。

さらに、その背後の巨大な力。

今、中国が北朝鮮の漁業にも影響を及ぼしている。

福原裕二教授は、「去年の数字だと、(中国漁船が)2,100隻くらい入っている。北朝鮮海域へ。北朝鮮も沿岸で漁獲するのが一番良いが、大和堆まで出て行かざるを得ない。漁船の玉突き状態。中国漁船の勢力の強さがある」と話した。

福原教授によると、北朝鮮は外貨を得るため、沿岸の漁業権を中国に売り、近海で漁ができなくなった。

このため、大和堆まで押し寄せると指摘する。

福原裕二教授は、「北朝鮮の人の話では、(中国船は)1km間隔に隊列を組んで、根こそぎとる」と話した。

その中国の存在は、大和堆にも。

中国船籍とみられる巨大船。

日本の船の10倍はあるとみられ、こうした船が隊列を組んで、日本の排他的経済水域ギリギリで漁を行い、資源を根こそぎ持っていくという。

福原裕二教授は、「中国は、漁業資源を守る意識に至っていない。枯渇するまで漁獲してしまう。脅威だと思いますね」と話した。

竹村稔成漁労長は、「大がかりな網でとるらしい。(大和堆に来ている?)来てますね。去年は来ていた。EEZ内にいた」と話した。

こうした現状の中、北朝鮮の違法な漁もエスカレート。

木造船ではなく、鋼船。

近年では、より大型の船もやってきているという。

水産庁の取締船も近くにいるが、怖がる様子はなかったという。

福原裕二教授は、「漁業は、縄張り争い」と話した。

日本海の好漁場・大和堆。

北朝鮮、さらに中国の脅威にさらされる今、国レベルでの強力な対応が求められている。

(山陰中央テレビ)