“孤立”の石破氏に光明?勉強会に37人出席 安倍政権批判も…今後仲間をどう増やす

カテゴリ:国内

  • 石破氏が会長の派閥横断勉強会が1年ぶりに開催
  • 消費増税対策のポイント還元や外交などで安倍政権批判
  • 「石破包囲網」の中でも石破派以外の参加者が4人増

石破氏「“捨て石”になる覚悟で自民党の設計図を根本から書き換える」

2月20日夜、都内ホテルで開かれた自民党の派閥横断型の勉強会「さわらび会」に石破茂元幹事長の姿があった。石破氏はこの「さわらび会」の会長を務めていて、開催は1年ぶりだ。

石破氏といえば、昨年9月の総裁選挙で「使命感」「責任感」を強調して安倍首相との一騎打ちに挑み、議員票では苦戦したものの、党員票は約45%を獲得する健闘を見せた。

あの総裁選投開票日からちょうど5カ月。石破氏は勉強会の冒頭で「我が党が国民の強い信頼のもとに設計図を根本から書き換えるからにはいろんな軋轢がある。摩擦もある。しかし次の時代に良い日本を乗り越えるために、今政治家を務めている我々はある意味捨て石にならなければならない。それが今の時期に議席を委ねられている者の、国家国民に、そして次の時代に対する使命だと信じている」と「使命」を強調した。 

「さわらび会」に出席した石破元幹事長

参加議員に語った安倍政権の課題と外交問題

「さわらび会」はその後、マスコミを入れない議員のみの勉強会に移行し、石破氏は外交、安全保障、地方創生などについて自身の考えを述べた。出席者によると石破氏は以下のように、安倍政権の政策への問題意識を吐露した。

●「最大の問題は人口減少だ。新三本の矢で、介護離職ゼロ、希望出生率1.8が全く達成できていないのが大問題。一番の問題である人口減少に立ち向かわないといけない」
●「GDPが維持できないということは社会保障が維持できない。そのためには“いまだけ、ここだけ、あなただけ”のサービスにより生産性の飛躍的向上を実現できないとダメだ」
●「安倍政権が都合の良い数字(キャッシュレスのポイント還元の数字など)を強調しているが、地元に帰って、有権者の声を聞けば、ポイント還元が良いと答えた人は一人もいない。」

さらに、日露・日韓を巡る領土問題については「際法と歴史を踏まえた領土交渉が必要だ」と述べ、安倍政権にそれができているのかという批判を含ませた。その上で、北方領土問題については「二島だけ返還したら事実上許されるというのはあり得ない」と、明らかな条約違反によってロシアが不法占拠をしていることを強調した。安倍首相が、北方領土について「不法占拠」という言葉を使わずに「歯舞・色丹2島の返還+α」での決着を目指していることへの不満をにじませた形だ。

冷や飯覚悟で勉強会に参加?それでも石破氏から離れない議員とは

この「さわらび会」、かつては80人以上の自民党議員が参加していたが、去年の総裁選が近くなるにつれ「参加すると安倍総理サイドから睨まれる」との思惑などから参加者が減っていた。 今回は、総裁選を終えてさらに参加人数が減るのではないかとの見方もあったが、「さわらび会を続けることは、派閥所属議員以外の石破シンパの受け皿として既定路線だ」との強い考えもあり、総裁選後5カ月経っての開催となった。

果たして、参加者数は、総裁選の前後でどう変わったか。

【前回】2018年1月25日 石破派20人(全員出席)、石破派以外17人 計37人

【今回】2019年2月20日 石破派16人(4人欠席)、石破派以外21人 計37人

今回の出席議員数は前回と同数の37人だった。しかし、石破派以外の参加議員が前回より4人増えていることがわかる。さらに自民党全7派閥のうち石原派を除く6派閥からの参加があり、その中でも一番多かったのは先の総裁選で約半数が石破氏を支持した竹下派だった。

石破派以外からの参加者が総裁選を経て増えたことは、安倍一強体制に不満を持っている議員が確かにいることを表すと同時に、「石破に近いと冷遇」などといわれる中でも石破氏から離れない議員が一定数いることが、目に見える形で確認された夜となった。

石破派の幹部は「現在、無役の石破会長の話を聞くためにわざわざ足を運んでくれた石破派以外のメンバーは本当にありがたい存在だ。力を合わせて我が国の進むべき未来を切り拓いていきたい」と述べる。

しかし一方で、安倍首相が石破派を除く各派閥の事務総長との会合、つまり「石破派はずし会合」を密かに開くなど、党内で石破氏や石破派の孤立は深まっている面もある。

「捨て石になる覚悟」という石破氏が3年後の総裁選で勝利するためには、いかに使命感と覚悟をもって“包囲網”を突破し、一緒に戦う仲間たちを着実に増やして議員票の獲得につなげるかが最大の課題であるのは言うまでもない。孤立の中、「さわらび会」で見えた光明をさらに広げられるか、石破氏の手腕が問われる。

(フジテレビ政治部 自民党担当 森本涼) 

取材部の他の記事