進学塾サピックスが出題 スプリンクラーと文化財

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8日は、金曜特別編です。

中学受験に向けて頑張っている小学生必見。

また、一般教養を高めたい大人にも使える知識を紹介しています。

今回も、問題と解説は、大手進学塾「サピックス」の社会科の先生に作っていただきました。

( )にあてはまる防火設備を答えなさい。

沖縄県の首里城で火災があり、正殿など主要な建物が全焼しました。

首里城は人々の宿泊を想定した建築物ではないなどの理由から、( )の設置義務がありませんでした。

設置義務がなかったその防火設備とは?

正解は、「スプリンクラー」。

日本の歴史的建造物は、基本的に木造。

常に、火災の脅威にさらされているといえる。

1949年に、法隆寺金堂の壁画が燃えた。

これをきっかけに、文化財保護法が制定され、文化庁を中心に文化財の保全や維持が図られている。

一方で、歴史的建造物は創建当初のままの姿を維持すべしといった意見や、可能なかぎり、当時の姿を再現すべしという意見も根強くある。

例えば、最近、名古屋城の天守閣を木造で復元する計画にあたり、エレベーターを設置するという案が上がって、意見が対立しているという。

利便性を優先すべきかどうか、同じ理由でスプリンクラーの設置についても慎重な意見がある。

スプリンクラーの場合、万が一、誤作動を起こした場合、中がべちゃべちゃになってしまう。

紙といった大事な文化財までも、破損してしまうおそれがある。

例えば、愛知県にある国宝の犬山城では、天守閣にスプリンクラーを設置していない。

代わりに消火器や消火栓を置くなど、あくまで手動で、人の力で消火する対策をとっている。

2019年4月、火事といえば、フランス・パリのノートルダム大聖堂が焼けた。

この火災を受けて、日本の文化庁でも国内4,600余りの重要文化財を対象に、消火設備の実態を調査したが、4,600余りの重要文化財のうち、スプリンクラーが設置されているのは、66の建物だけだったという。

冒頭の問題にもあった義務ではないということがあるわけだが、一方で、国宝の姫路城では、1,078カ所もスプリンクラーを設置している。

これは、世界遺産としての大切さ、そして、非常口などがないため、見学者の人命保護の観点から設置してあるという。

それぞれの貴重な建造物を守るために、そして人命を守るために、どのような設備が妥当なのかを常に考えなくてはいけない。