「ロシア疑惑」は司法当局幹部のクーデターだったのか トランプ関与の証拠は何も発見できず

カテゴリ:ワールド

  • トランプ大統領がツイッターで「MSNBCにサンキュー」
  • 「直接的な証拠は何も発見できなかった」
  • 「ロシア疑惑」を創り出したのは、トランプ氏を危険視する司法当局幹部か

「ロシア疑惑」に確証なし

「MSNBCにサンキュー」

トランプ米大統領が13日(現地時間)こうツィートした。MSNBCとはCNNと反トランプの厳しさを競っているケーブルニュース局で、最近では最もトランプ大統領に批判的な放送局と位置づけられている。トランプ大統領もことあるごとに「フェイクニュース(嘘ニュース)テレビ」と攻撃していたのが、一転「サンキュー」と言ったのでこのツィートは目をひいた。

トランプ大統領の公式ツイッターより

トランプ大統領が感謝したのは、その日の朝MSNBCが放送したニュースだった。その中で国家安全保障問題担当のケン・ディラニアン記者はこうリポートした。

「上院諜報委員会は2年の歳月と200人にのぼる証人への喚問を経て2016年の大統領選に関わる捜査の終焉を迎えていますが、トランプ選対とロシアによる陰謀があったことを証明する直接的な証拠は何も発見できなかったと委員会の共和党、民主党議員共に言っています」

つまり、いわゆる「ロシア疑惑」の証拠は何も発見できなかったというのだ。それが最も反トランプのメディアで伝えられたことで余計真実味を増したわけで、トランプ大統領に「サンキュー」と言わせることになった。

ロバート・ムラー特別検察官

この「ロシア疑惑」については司法省から任命されたムラー特別検察官も独自の捜査を行っており、間もなく最終報告がまとまると言われているが、やはりトランプ選対とロシアが共謀して大統領選を操作した証拠は示すことができないだろうと言われはじめている。

トランプに対するクーデターが裏付けられた?

アンドリュー・マッケイブ前連邦捜査局(FBI)副長官の新著書「脅威」

そうした折も折、この「ロシア疑惑」問題に火をつけた一人であるアンドリュー・マッケイブ前連邦捜査局(FBI)副長官が新著書「脅威」を上梓し、この中でトランプ氏が選挙に勝ったのはロシアの関与があったからに違いないという思い込みと、トランプ氏のロシアに好意的な態度から司法省の幹部有志の間でトランプ氏を追放するために「ロシア疑惑」捜査が始まったことを明らかにした。

アンドリュー・マッケイブ前連邦捜査局副長官 (写真:時事通信)

「ディープステート(闇の国家)のトランプに対するクーデターをマッケイブが裏付ける」

保守系のニュースサイト「ザ・デュラン」がこういう見出しで伝えたように、「ロシア疑惑」はトランプ大統領を危険視する司法当局幹部たちが創り出したものという考えが広まってきている。

「ディープステート」にはマスコミも関与か

それはともかく、MSNBCの報じた上院諜報委員会の捜査についてはその後保守系のメディアが後追いで確認をしたが、主要マスコミがほとんど無視しているのが奇妙にも思える。

そう思ったのは私だけではなかったようで、保守系のマスコミ調査機関「メディア・リサーチ・センター」が調べたところ米国の三大ネットワーク(CBS、NBC、ABC)の夕方のメインニュースはトランプ大統領就任以来今月10日までに2202分間を費やして「ロシア疑惑」を伝えているが、上院諜報委員会が「疑惑の証拠なし」としたことについては1秒も時間を割いていないという。

トランプ大統領を追い落とそうとする「ディープステート」にはマスコミも関わっているのだろうか?

【執筆:ジャーナリスト 木村太郎】
【イラスト:さいとうひさし】

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