日本の竹島領有権とニホンアシカ  「リャンコ大王」が証明する知られざる関係

カテゴリ:国内

  • 日本の領土「竹島」とニホンアシカの深い関係
  • 「リャンコ大王」が証明する日本領有の歴史
  • 領土・主権展示館でニホンアシカと竹島の企画展示

日本固有の領土であるにもかかわらず韓国に不法占拠されている、島根県の「竹島」。閣議決定によって竹島が島根県に編入されたのは1905年のことだが、このきっかけになったのは、なんと「アシカ」、しかも日本固有の「ニホンアシカ」だったという事実が注目を集めつつある。

韓国が不法占拠する島根県の竹島

ニホンアシカとは? 竹島に「リャンコ大王」あり

ニホンアシカは日本にしかいないアシカの種で、昔から日本人に親しまれてきた。ただ、現在は「絶滅の一歩手前」とされ、水族館にもおらず、国内わずか4か所においてはく製でしか見ることができない。そのうちの1頭で、唯一のオスの成獣(大人)のはく製として島根県立三瓶自然館に所属されているのが、かつて竹島に生息していたニホンアシカ、その名も「リャンコ大王」だ。

「リャンコ大王」は体長288cm、体重750kgと、まさに「大王」の名前にふさわしい。1930年ごろの竹島で、網を食い破るなど漁師に恐れられていたが、1931年に射殺され、はく製にされた。

名前に含まれる「リャンコ」は、かつて竹島をフランス人が“発見”した際に、その船の名前をとって竹島を「リアンクール」と名付けたことに由来する。ちなみに「リアンクール」は、現在も第三国による竹島の呼称として各国で使われている。

ニホンアシカと竹島の長い歴史

竹島とニホンアシカの結びつきは江戸時代にまでさかのぼる。江戸時代の初め、鳥取・米子の商人が幕府の許可をもらい、竹島でアワビやアシカの漁を行い、干したアワビやアシカの油を幕府に献上していた。これらの商人の家にあった古文書には、竹島でアシカから油をとっていたとの記述がイラスト付きで描かれている。

明治になると、アシカ漁が一層盛んになる一方、乱獲も懸念された。そこで、竹島のアシカ漁が安定して継続できるよう、1904年に島根県隠岐諸島の中井養三郎氏が日本政府に「リャンコ島領土編入並ニ貸下願」を提出。これを受けて政府は、竹島を島根県に編入することを決定し、1905年2月22日(現在の「竹島の日」)に告示した。すなわち、竹島が日本の領土となったきっかけは、アシカ漁だったのだ。これを受け、以降のアシカ漁は許可制となり、島根県は税金を徴収するようになった。

1934年撮影
「リャンコ島領土編入並ニ貸下願」

大正の末から昭和初期になると、アシカは動物園やサーカスに売られてたちまち人気者になり、隠岐の漁師らはアシカを生け捕りにするようになった。

動物園や水族園でも人気だった
1934年撮影

しかし、その後1954年には韓国が竹島を不法占拠。日本人は竹島に近づくことができなくなり、また当時200~500頭生息していたとされるアシカは、韓国が不法占拠を続ける中で1975年以降見つかっておらず、冒頭に述べたように「絶滅の一歩手前」となっている。

竹島の領有権を証明する「アシカ」と政府の啓発

このように、古来より竹島は、アシカ漁の舞台として人々の生活に根付いてきた。これは日本が竹島の領有権を主張する根拠の1つであり、加えて政府関係者は「アシカ漁の古文書に竹島が描かれていること自体、竹島が日本固有の領土だということの証明になる」と強調する。

1868年の『竹島渡海由来記抜書控』

領有権の主張、というと難解な議論を想起してしまうが、政府としてはこうして国民生活とかかわりの深い事項を通じて、竹島がいかに旧来より日本と結びつきが深いのか、証明しようとしている。

内閣府が2017年に実施した世論調査では、全体では59.3%が竹島に「関心がある」と回答したものの、30代までの若年層では約5割が「関心がない」としている。そのうち「どちらかといえば関心がない」または「関心がない」と答えた人に、複数回答でその理由を尋ねたところ、64.7%もの人が「自分の生活にあまり影響がないことだと思うから」と回答。また31.4%が「竹島に関して知る機会や考える機会がなかったから」と答えている。

「領土・主権展示館」の入る市政会館(東京・日比谷公園内)

政府は去年1月に「領土・主権展示館」を東京・日比谷公園内に設置し、竹島や尖閣諸島が日本固有の領土であることを示す公文書や写真などの様々な資料を展示している。その広報・啓発強化の一環として、2月22日の「竹島の日」を前に、竹島とニホンアシカに関するパネル展示を行っている。

「竹島とニホンアシカのパネル展示」概要
◆領土・主権展示館(東京・千代田区 日比谷公園内「市政会館」地下1階)
◆開催期間 2019年2月12日~3月5日(2月16日を除く土日は閉館)
◆開館時間 10:00~18:00(2月16日は11:00~16:00)

春休みシーズンを前に、今回は「アシカ」という柔らかい切り口から、若い世代にも竹島が日本文化と密接に関わっていることをアピールし、韓国との関係が悪化する中、国内の世論啓発につなげたい狙いだ。

(フジテレビ政治部 首相官邸担当 山田勇)

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