原発事故「津波予見できず」 東電旧経営陣3人は「無罪」

カテゴリ:国内

2011年に起きた、東京電力福島第1原発の事故。

防ぐことができる人災だったのか、あるいは、防ぐことができない天災だったのか。

19日、大きな司法判断が下った。

東京電力福島第1原発の事故をめぐり、東電の旧経営陣3人が刑事責任を問われた裁判。

争点は、この2点。

巨大津波の襲来を予見できたか。

対策をとれば、事故を防ぐことができたのか。

いずれの点でも、旧経営陣側は無罪を主張していた。

そして、東京地裁は19日、3人の経営陣に対し、全員無罪を言い渡した。

判断のポイント、そして、この判決が及ぼす影響について、社会部・平松秀敏デスクに聞いた。

この2つのポイントのうち、まず最初の「津波の予見可能性」についてだが、検察官役の指定弁護士側は、国の長期評価という見解に基づけば、巨大津波の襲来は予見できた、予想できたと主張してきた。

ところが、19日の判決で、東京地裁は、この長期評価について、具体的な根拠がない、信頼性も乏しいとして、長期評価の信頼性を否定して、巨大津波の予見は可能ではなかったと結論づけた。

一方、もう1つの争点である「対策をとれば事故を防げたか」だが、この点について、19日の判決では、当時で言うと、原発を停止すれば事故を防ぐことはできたとしてきたが、当時の見解をいろいろ検討すると、法律の義務として、運転を停止する義務は当時の経営陣にはなかったとして、いわゆる結果回避義務についても認めなかった。

判決の内容を全般的に見ると、検察官役の指定弁護士側の主張がことごとく退けられた形になった。

(裁判の今後の展開はどうなっていく?)

実は、全面的に主張が退けられた検察官役の指定弁護士は、19日午後、記者会見を行った。

その中では、控訴については言及しなかった。

ところが、今回の強制起訴という制度は、検察の判断に市民の目を光らせるという目的で導入された。

市民の目、強制起訴の意義というのが本当にどうだったのかというのは、今後、おそらく2審、東京高裁で審理される形になると思われる。

無罪判決を受けた、地元・福島の声。

一時避難していた住民は、「余計なことは言えん。言わないことにしてんの。言いたいことはなんぼでもあるんだけどね」と話し、街の人からは「無罪じゃないでしょう。上の方に立つ立場としては、守らなきゃいけない」、「責任とってもらいたいですね。ちょっと残念でした」などの声が聞かれた。