千葉 懸命の作業はきょうも続く... 停電復旧はばむ倒木の現実

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停電の復旧を遅らせる一因である倒木。

取材すると、千葉県の杉の木が抱える問題が明らかになってきた。

千葉・市原市。

大きく、そして太いイチョウの木が、完全に根元から倒れてしまっていた。

台風15号の深い爪痕は、今も各地に残されたままとなっている。

千葉県内有数の行楽地、養老渓谷。

紅葉の名所として知られるこの地も、上から木が崩れ落ちてきて、遊歩道をふさいでしまっていた。

普段は、長さ100メートルにわたり、緩やかに流れる「粟又の滝」には、今も多くの流木が。

台風から1週間以上たった17日も、観光客の姿は見られなかった。

食堂「旭屋」・増野玉枝さん「台風以来は、一切お休み...」

東京電力によると、17日午後4時現在の千葉県の停電戸数は、およそ6万3,800軒。

大停電から9日目。

その復旧作業を難しくしているのが、電線にもたれかかる何本もの倒木。

今も停電が続く、山武市の日向台地区に住む三須はるさん(87)。

三須はるさん「『電気早くしてよ』って、東京電力に怒鳴り込みたいくらいだよ」

停電で冷蔵庫が使えないため、今にも倒れそうな木の下を通り、買い物に行かざるを得ないという。

三須さんの家では、山からの水を電動モーターで引き込んで利用していたが、停電のため、モーターが動かず、現在はバケツで水をくんで運ぶ生活。

三須はるさん「年でしょ。(お水重くないですか、バケツで)だから小さいので」

千葉県内各地で見られる、倒木が復旧を妨げる現場。

中でも多く見られたのが、杉の倒木。

なぜ、杉が多く倒れたのか。

専門家に山武市の倒木現場を見てもらうと、気になる指摘が...。

千葉大学大学院園芸学研究科・近江慶光助教「幹の途中から折れているんですけど、折れた部分の上のあたりに溝が入っている。あれが『溝腐病』という病気で」、「幹の真ん中の中心部分が溝状に枯れていることによって強度が不足して、それで強い風によって折れたんだと思います」

山武市で多く見られるサンブスギという種類には、幹の内部を腐らせる溝腐病という病気が広がり、それが倒木の一因になったのではという。

さらに千葉県内のほかの杉についても、木材出荷量の減少などから、間伐が行われていなかったため、木が密集し、風の影響を大きく受けたのではないかと指摘している。

豪雨や台風により繰り返される、倒木による被害。

それは今、全国的な課題となっている。