古民家でミライ戦略 老舗企業の挑戦

カテゴリ:ビジネス

働く人に役立つプラスαな考え方に注目する「αism」。

会議室ではなく、古民家から生まれる経営戦略とは。

観光地としても人気が高い、谷中銀座商店街。

近くの路地を入ったところに、大正時代に建てられた1軒の古民家がある。

軒先には「未来定番研究所」の文字。

実はここ、ある老舗企業のオフィスだという。

訪ねてみると、まず目に入ってきたのは、古い道具が並んだ土間。

その奥には、ちゃぶ台が置かれた和室。

そして、手入れの行き届いた小さな庭。

2階に上がると、そこにはパソコンが置かれ、数名のスタッフが働いていた。

大丸松坂屋百貨店 未来定番研究所・今谷秀和所長は「すごく古い建物の中で未来を考える。このギャップがいいのではないか」と話した。

この古民家にオフィスを置くのは、百貨店の大丸松坂屋。

今谷所長は「従来の成功体験が大きい百貨店というのは、バブルのころに高級品を置いておくと、放っておいても売れた時代が存在する。従来の発想に惑わされない形で(アイデアを)生み出していく」と話した。

江戸時代に起源を持つ老舗の百貨店。

長い歴史の中で、時代ごとに新しい消費を切り開いてきた。

しかし、現在はバブル時代の経営スタイルから抜け切らないままでいるという。

そこで、ライバル企業が思いもつかないような奇抜な経営戦略のヒントを求め、古民家にオフィスを置いた。

古民家で働く社員は「逆に(売り場から)離れて外から最前線を見ていくのがポイント。そこに新しいアイデアだったり、改善につながる糸口があるのではないか」と話した。

昔の面影を残す1階のスペースは、イベントの開催や外部の人との打ち合わせに活用している。

この日は、売り場の催事場で開催する職人技をテーマにしたイベントの打ち合わせ。

売り場の担当者とイベント出演者のミーティング場所として、古民家オフィスの和室を活用した。

ゲストは、スウェーデン人の日本茶の専門家。

イベント出演者、ブレケル・オスカルさんは「日本茶のおもしろいところは、入れ方で味と香りが劇的に変わる」と話した。

百貨店の会議室ではなく、古民家の和室でイベントの打ち合わせを行った効果は...。

売り場担当者は「わたしのような若手でも案が出しやすく、形式ばった会議室でやるよりスムーズに進むのではないか」と話した。

ブレケル・オスカルさんは「こういうこともできるのではないかと、クリエーティブなアイデアも出てくる」と話した。

新しい令和の時代に、百貨店はどこに向かうのか。

そのヒントが、築100年の古民家に隠れているのかもしれない。