3分でわかるキーワード 英大揺れ「合意なき離脱」

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4日のテーマは、「合意なき離脱」。

イギリスが大きく揺れている。

3日、イギリス議会で、「合意なき離脱」を阻止するために、離脱の期日を延期する法案について、まずは話し合ってほしいという動議が賛成多数で可決された。

しかし、どうしても離脱したいボリス・ジョンソン首相は、解散・総選挙へ踏み切るという考えを表明した。

「合意なき離脱」とは、いったいどういうものなのかというと、EU(ヨーロッパ連合)との離脱交渉で「合意」に至らず、何の取り決めがなくとも離脱すること。

では、「合意」とは、何に関する合意かということだが、イギリス側が「離脱します」、EU側が「いいですよ」という、離脱そのものに関する合意ではなく、離脱後のルールについての合意がなされるかどうか。

このルールの第1段階で、話し合われたことが、主に3つある。

1つ目は、イギリスに住んでいるEU加盟国の市民。

加盟国に住んでいるイギリス国民の権利が保障されるか。

そして2つ目は、離脱前にイギリスが支払う清算金“手切れ金”。

一番懸念されているのが、3つ目で、イギリスとイギリス領北アイルランド地域の「国境問題」。

1960年代から90年代にかけて、イギリスからの独立とアイルランドの統一を目指して、北アイルランドで紛争が起きていた。

現在は、EU加盟国であるイギリス、そしてイギリス領の北アイルランド、アイルランドの国境は、自由に人や物が往来できることになっている。

しかし、イギリスがEUを離脱してしまったあと、国境管理をどうするかが、まだ決まっていない。

そうすると、「合意なき離脱」をしてしまうと、経済的に混乱するのはもちろん、北アイルランド問題、紛争が再発する可能性もある。

こうして見ていくと、合意してから離脱した方がいいと思われるが、なぜ離脱したいと思ったのか?

やはり、イギリス国内で「EUにいることのメリットがないのでは」という不満があったと思われるが、移民問題や貿易など、あらゆる政策がEU主導で決まってしまうため、イギリスの自主性が失われ、「自分たちで決めたい」という気持ちが背景にある。

また、移民がたくさん入ってくると、自分たちの職が奪われてしまうということで不満もくすぶった。

そこで、2016年に国民投票が行われて、離脱派が52%という僅差で勝利した。

「合意なき離脱」で、苦しい展開を迎えるのかと思われたが、ジョンソン首相の「絶対に負けない」というカードがある。

「合意なき離脱」は、ジョンソン首相にとって、より有利な合意をEUに認めさせるための唯一のカード。

つまり、イギリスは大混乱に陥るが、EUも無傷では済まないぞと脅し、EUが折れればよしとし、再交渉に至らなければ、応じないEUが悪いと言って、「合意なき離脱」をするので、ジョンソン首相にとっては、どっちに転んでも損はないという計算が込められている。

しかし、国民の生活の安定などは重要で、そこに進むために、どうしたらいいのかが注目される。