「ライオンになりなさい」…けがから逆転優勝  紀平梨花選手を支えたコーチの言葉

  • 四大陸フィギュア   ショートプログラム5位の紀平梨花選手はフリーで1位となり逆転優勝
  • ショートプログラムの2日前、紀平選手は練習中に左手薬指をけが
  • 濱田コーチがかけた言葉「ライオンになりなさい」

紀平梨花 四大陸 逆転V

日本時間の2月9日、四大陸フィギュアスケート選手権の女子フリーが米カリフォルニア州アナハイムで行われ、ショートプログラムで5位と出遅れた紀平梨花選手(16)が圧巻の滑りを見せ、見事逆転優勝した。

練習中に左手薬指をけが

ショートプログラムの2日前、練習中に紀平選手はまさかの転倒。「左手薬指の亜脱臼」というアクシデントがあった。
「穴にはまってベリンみたいな…前もここを骨折したことがあるので、そんな感じで同じようになりました」と取材に答えていた紀平選手。

ショートプログラムでは、痛みをこらえて笑顔でリンクに向かった。
しかし、薬指の負傷からなのか代名詞のトリプルアクセルが不発。5位と出遅れる結果に…。

迎えたフリー当日。
練習ではトリプルアクセルを成功させるも、着地とともに左手を気にする様子が見られた。
さらに、会場に入った後でのウォーミングアップ中、イヤホンを左耳につける時でさえ痛そうな素振りを見せ、右手に持ち替えるほどだった。

コーチがかけた言葉「ライオンになりなさい」

指1本でも空気抵抗に影響が出て、ジャンプの回転が遅くなるという。
この逆境の中、フリー当日の朝、濱田美栄コーチは紀平選手にある言葉をかけたという。

濱田コーチは取材にこう語った。
「なぜか“オズの魔法使い”が頭に浮かんできて…いろんな旅に出るじゃないですか。ライオンは勇気がほしいって。『これはきっと勇気をもらう旅なんだから、ライオンになりなさい』と言いました」

そんな思いを胸に秘め、挑んだフリーの演技。
紀平選手がトリプルアクセルを決めると、濱田コーチも手をたたき飛び跳ねて喜んだ。
演技を終えた直後、「ライオンになれた?」と問いかける濱田コーチに、紀平選手は笑顔でうなずいた。

紀平梨花選手と濱田美栄コーチ(写真:AFP=時事)

逆転優勝への秘策

さらに、紀平選手の逆転優勝の陰には、ある秘策があったという。
実はトリプルアクセルは2本の予定だったが、2本目はダブルアクセルのコンビネーションに変え、確実に決めることを選んだのだ。

紀平選手は「思ったよりも氷に慣れていなくて、体も温まっていはいるんですけど筋肉の調子が少し微妙な感じだったので、次はダブルアクセル+トリプルトゥって思っていました」と話す。

(写真:EPA=時事)

元フィギュアスケート選手の今井遥さんは、ここに紀平選手の成長を感じるという。

今井さんは、「逆転したいとか失敗できないというふうな様々なプレッシャーをはねのけるだけの練習をすることができていて、やはり精神的な面もとても強いなというふうに感じます」と話す。

紀平選手は、四大陸選手権から一夜明けた日本時間の10日、「ショートフリー完璧な演技で自己ベストを更新したいっていう目標があるので、世界選手権を自己ベストを更新して笑顔で終われたらいいなと思っています」と語った。

(「めざましテレビ」2月11日放送)

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