「私が日本人初の宇宙旅行者」いよいよ世界初の民間宇宙旅行開始か 打ち上げ待つのは“サラリーマン”

カテゴリ:国内

  • 宇宙旅行に申し込んだ日本人は当時世界最年少
  • 日本人1枠に対して抽選で2位 しかし、まさかの繰り上げ当選
  • 有人試験飛行成功をうけて、すぐさまヴァージンから連絡が

世界最年少・28歳の日本人男性が20万ドル一括払い

3年後の宇宙旅行を約束され、2005年に20万ドル(当時のレートで2440万円)を一括で支払い、世界最年少の宇宙旅行“申し込み”者となった日本人サラリーマン(当時28歳)がいる。

ただ、予定は毎年延期され、3年後どころか、それから14年が経とうとしている今もまだ、その宇宙旅行は実現していない。

しかし、ついに2018年12月、件の宇宙旅行会社・ヴァージン・ギャラクティック社(VG)が民間宇宙旅行への“大いなる一歩”となる、宇宙空間(82.7Km)への有人試験飛行に成功

(イメージ写真)

これを受けて、今年1月下旬、VGを率いるヴァージン・グループのリチャード・ブランソン会長がアメリカのテレビ番組内にて「今年の半ばには宇宙旅行を開始したい」と明言。ついに今年、民間宇宙旅行が開始されるのではないかと、その機運が高まっている。

果たしてその宇宙旅行に申し込んだ日本人サラリーマン宇宙旅行者とは!?申し込みから14年、ついに新しい動きが!?都内の自宅で話を聞いた。

抽選では次点だったが繰り上げ当選

経営コンサルタントとして都内の企業に勤務する稲波紀明さん(42)は、妻の祥子さん(36)、9歳と6歳の娘2人の家族4人暮らしだ。

2005年に申し込んだときは独身だった。14年も経てば環境はかわる。この家族も、実は宇宙旅行に申し込んだからこそ、できたものだ。

稲波紀明さん一家(都内の自宅にて)

宇宙旅行に申し込んでから2年後、「夢をかなえる人」をテーマに授業をしたいという、とある中学教師の取材依頼に応えたところ、写真撮影係としてボランティアで来たのがその3か月後に稲波さんの妻となる、祥子さんだった。 

当時、祥子さんは稲波さんの話を聞いて「すごいことをする人だな。一緒にいたら面白そう」と彼に惹かれた。ただちに交際がはじまった二人。三か月後に稲波さんから「夢を応援してください」とプロポーズされたという。 

ちなみに稲波さんは「一緒に宇宙に行こう」とプロポーズしたはず、と話していたが、祥子さんは「そんなこと言われていない」と否定。ZOZOの前澤社長ばりのセリフを私も期待したのだが、妻が否定している以上、真相はやぶの中。いずれにしても、宇宙旅行に申し込んだ男性を、夫として応援したいと妻は思い、二人は結婚した。

キッチンに立つ稲波紀明さんと妻の祥子さん

「宇宙旅行に当選しました」「こんなふざけた話があるか」

宇宙旅行の募集は、ヤフーニュースで知った。クラブツーリズム社が募集していた宇宙旅行の日本人枠は1名。大学で素粒子宇宙物理学を学ぶなど、昔から宇宙に興味をもっていた稲波さんは「まさか当たるはずがない」と思い申しこみをしたところ、くじ引きで7人中2位に。その後、1位の客がキャンセルしたことで、繰り上げ当選。 

当時IBMのシステムエンジニアだった稲波さんは、仕事の合間、そばをたべているときに「宇宙旅行に当選しました。全額振込してください」と電話を受けた。

「こんなふざけた話があるか。詐欺だ」と思い、断ったあと、まさかとおもいクラブツーリズム社に電話をかけたら本当だった。

学生時代に貯めたアルバイト代やサラリーマンとしての貯えをもとに運用し増やすことができた資金を、全額振り込んだ

娘の勉強を見る稲波紀明さん

こうして募集第一弾に応募し、旅行代金を全額振り込んだひとたちは「ファウンダー」と呼ばれている。まだ宇宙船も出来上がっておらず、計画がとん挫する可能性もあるなかで、なぜ高額の振り込みをしたかといえば「夢を応援している」からだ。

現在VGの宇宙旅行への申込者数は世界中で750人ほどいるが、「ファウンダー」の100人がまっさきに宇宙に行くことが約束されている。

宇宙船の試験機の前で

実はその後、日本人枠がもうひとり追加され、77歳(当時)の女性も当選となったのだが、14年の月日を経て、高齢を理由にドクターストップが出され、彼女はキャンセルした。紆余曲折を経て、結果的に、稲波さんは日本人初の宇宙旅行(予定)者となったのだ。

(※クラブツーリズム社を通じず、直接VGに申し込み、当選した日本人男性「ファウンダー」も1名いる)

有人試験飛行成功を受けてリチャード・ブランソン会長から連絡が

気になるのは、2018年12月の有人試験飛行成功を受けて、なにか動きはあったのかどうか。

 試験飛行の成功をネットで見届けた稲波さんは「ついに宇宙がきた」と興奮を隠しきれない。その稲波さんの興奮に呼応するかのように、すぐさまリチャード・ブランソン会長から連絡があったのだ。

リチャード・ブランソン会長と稲波さん

そのメールには「3月にアメリカに来てくれ」とあった。

詳細はまだ不明だが、打ち上げの日程が発表されるのではないか、と稲波さんは踏んでいる。

宇宙旅行の募集開始から14年。ついに民間宇宙船の打ち上げカウントダウンが始まるのか。あと一か月後、明らかになる。

(執筆:フジテレビ プライムオンラインデスク 森下知哉)