毎年、何枚の洋服を捨てますか?「ゴミにさせない洋服」の技術に世界が注目

<SDGsのランナー>鈴木素さん

  • 日本で捨てられる洋服は毎年30億枚にものぼる。
  • 洋服の生地を長持ちさせることでゴミにならないのではないか。
  • 天然繊維のコットンに多機能を備えた日本のベンチャーが、世界から注目されている。

ごみになる量を減らしていきたい

30億枚。

これは、日本で年間にごみとして捨てられてしまう洋服の枚数だという。

日本で輸入されたり製造されたりする洋服の枚数が年間40億枚ということなので、実に4分の3が捨てられていることになる。

この問題に、何らかの貢献ができないかと考えているのが、アパレルベンチャー企業を経営する鈴木素さん。環境にやさしい生地の開発というアプローチで、世界を変えるのが目標だ。

洋服は何度も着たり、洗濯をしたりを繰り返すうちに、ヨレヨレになってしまう。そして、お気に入りの洋服であっても、買い替えられてしまう。

化学繊維であれば、抗菌、防臭などの多機能を備えていて長持ちする製品も多いが、天然の素材ではそれが難しかった。

しかし、鈴木さんは、新しい生地の研究開発に挑み、これまでは化学繊維にしか備えられなかった抗菌、防臭などの10以上の機能を、同時に一枚の天然繊維の布(コットン)に付けることができる技術を生み出した。

たとえば、光と水の力で汚れを分解する光触媒の技術。しみ込んだ汚れが、水に浸けるだけであっという間に取れてしまう。

水や農薬の量を極力減らしたコットンを使い、工場の労働環境にも配慮して製造。汚れが付きにくく、落ちやすいので、洗濯の回数や洗剤の量も大幅に減らせる優れものだ。

こうした取り組みが世界中で評価を受け、都内のオフィスには、海外からの学生も視察に来るようになった。

実際に視察に訪れた香港の学生は、「布地に色んな技術を盛り込むことを学べて良かったです」と日本の技術に驚いていた。こうした取り組みによって、「ごみを減らすために、素材を長持ちさせる」という考え方が、世界に広がっていきそうだ。

鈴木さんの「洋服をごみにさせない」という取り組みはまだ始まったばかり。すでに新しい構想もあるという。

「ごみになる量を減らしていきたいので、一人一人に合わせた洋服を作れないかなと、いま考えています。長く大切に使っていただける洋服を作っていければと思います」
 
鈴木さんの想いは、世界と未来に広がっている。

(hap株式会社 https://hap-h.jp/

SDGs

SDGsとは、2015年9月の国連サミットで、全会一致で採択された「持続可能な開発目標」。2030年を年限とした17の国際目標がある。その一つに「12つくる責任 つかう責任」という項目がある。

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