「必ず座れる通勤バス」新たな移動手段『郊外型MaaS』に向けた取り組みの狙い

  • 東急電鉄が たまプラーザ駅で「郊外型MaaS」に向けた実証実験
  • MaaSとはさまざまな移動手段をICT技術でつなぎ利用できる仕組み
  • 渋滞緩和や混雑解消、高齢者の利便性向上や過疎化対策にもつながる

たまプラーザ駅で「郊外型MaaS」に向けた実証実験

次世代の交通や街つくりにつながる、新たな実験がスタートした。

22日朝、神奈川県横浜市郊外の東急田園都市線たまプラーザ駅には、大型バスに乗り込む人たちの姿があった。バスは雑誌や飲料水が備え付けられた革張りのシートに無料Wi-Fiも完備。

バスは無料Wi-Fiを完備

一見、旅先に向かう高級バスのようだが、これは東急電鉄が22日から実証実験を開始した「ハイグレード通勤バス」。

混雑することで知られる東急田園都市線のたまプラーザ駅から渋谷駅の間およそ16kmを1時間半で結ぶ、必ず座れる通勤バス。

利用者は「体が全然楽ですね。普段はパソコンのチェックどころか、下手したら携帯を見ることもしんどいような混雑になるので」などと笑顔を見せる。

「ハイグレード通勤バス」

マイカー以外の移動手段を必要なときだけ利用

東急電鉄はさらに、スマートフォンで予約を受け付け、予約がない場合は運行しない「オンデマンドバス」や、坂道や狭い道の多い住宅街でも、気軽に借りて運転できる「パーソナルモビリティ」の導入など、たまプラーザ駅周辺で、郊外型MaaSの実証実験を始めた。

MaaSとは「Mobility as a Service」の略で、マイカー以外のさまざまな移動手段をICT技術でつなぎ、必要なときだけ料金を払って利用すること。

導入の背景にあるのは、東急電鉄が開発を行ってきた、たまプラーザ駅周辺住民の高齢化。

東急電鉄事業開発室の長束晃一さんは「街づくりの開始から約60年が経過し、移動が困難になるお年寄りが増えてくることから、それを解消したい」と話す。

たまプラーザ駅周辺を含む横浜市青葉区の高齢者人口は、年々増加。16年後の2035年には65歳以上の高齢者の比率が31%を超えると予想されている。

高齢者の利便性向上

東急電鉄はMaaSの導入で高齢者の利便性の向上を図り、地域全体のイメージアップも狙いたいとしている。

総務省はこれが普及すれば、都市部では渋滞緩和や混雑解消。地方では過疎化対策や交通手段の維持につながるとしている。

メリットを分析し、経済性の確保へ

東急電鉄のMaaSの導入について、経営コンサルタントの松江 英夫氏は「課題が2つある」と指摘する。

「1つは、企業間のデータ連携。共通のプラットフォームを作るとなると、企業はそれぞれ持っているデータを供給しなくてはいけない。オープンにしていいものとそうでないものの線引きが難しい。
もう1つは、地域ごとの問題への対応。都市と郊外、地方とではそれぞれ問題が違う。過疎化を解決したいのか、渋滞を解決したいのか。誰にどうゆうメリットがあるのかをはっきりさせて経済性の確保につなげていく必要がある」と話す。

(「プライムニュース α」1月22日放送分)

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