「クリルは我々の領土だ」“北方領土”問題でロシア人の本音は?【日露首脳会談】

カテゴリ:ワールド

  • 日露首脳会談を前に首都モスクワで異例の集会が開かれた
  • 集会では日本をけん制する以外にも意外な対象が槍玉に
  • 集会に集まったロシア人が抱くプーチン大統領への“危惧”

1月22日の日露首脳会談を前に、ロシア国内で緊張が走っている。

首都モスクワでは異例だという北方領土に関する集会が開かれた背景に迫る。

集会で意外な対象が槍玉に…

今月20日に、モスクワで北方領土の引き渡しに反対する集会を主催したという、野党・共産党に近い政治団体の幹部が「ロシアは何があっても北方領土を引き渡してはならない」とめざましテレビの取材に答えた。

この集会には約1000人のロシア人が集まり、「ロシアは祖国を売却しない!」「クリル(千島列島と北方領土)は我々の領土だ」と声を上げた。

さらに、集会の参加者たちは旗や特製のバッジも使って日本をけん制した。

一方、集会では意外な対象も槍玉となっていた。

集会に参加した人は「“我々の大統領”の政策はロシアを破滅させることになる」とも話していて、日本だけでなく、ロシア側のトップであるプーチン大統領にまで批判が及ぶのは何故なのだろうか?

集会を主催した政治団体の幹部は「我々はプーチンが国民を裏切るのではないか、北方領土を渡すのではないかと思っています。このネガティブな情報を我々が得たのは、去年11月の安倍首相の発言からだったのです」と話した。

これは去年11月、日露首脳会談後の安倍首相の発言「領土問題を解決して平和条約を締結する強い意思を“大統領を完全に共有”した」を指しているものと思われる。

日露首脳会談の行方は?

平和条約の交渉を加速させることで一致した両首脳。

基礎となるのは1956年の日ソ共同宣言で、そこには平和条約を結んだ後に、歯舞群島と色丹島を引き渡すと明記されている。

こうしたことから取材した政治団体の幹部は、約1000人もが集会に集まった背景には、プーチン大統領が2島を返還するのではないかと危惧があるという。

実際ロシア人がSNSに投稿した安倍首相とプーチン大統領を描いた風刺画には、いかにも内緒話をしそうなプーチン大統領の絵に「なんとまあ、こっそりクリル(千島列島と北方領土)を渡そうとしている」とキャプションが付けられていた。

専門家は今回の反対集会をどう見る?

集会が首都・モスクワで開かれたことについて、ロシア情勢に詳しい筑波大学の中村逸郎教授は「モスクワはロシア全土を映し出す鏡と言われています。首都モスクワで北方領土返還の集会が行われたということは、すなわちロシア全土で返還してはいけないという世論が盛り上がっているということなんです」とした。

こうした状況を踏まえ、日露首脳会談の行方はどうなるのか?

中村教授は「(モスクワの集会は)プーチン大統領からすれば、世論の反発があまりにも強いという口実を与えることにもなってしまっています。(日本にとって)非常に悪いタイミングでの日露首脳会談になってしまうということです」と話した。

(「めざましテレビ」1月22日放送分より)

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