救護施設建設めぐり紛糾…“万引きあったが危険はない”市の説明に住民反発

  • 京都市に救護施設建設予定…住民説明会紛糾 
  • 隣接する向日市の生活脅かす?
  • 「危ない人はいない」施設側断言も「万引きはあった」

“飛び地”に救護施設建設へ…住民らが反発

京都市が2020年に開所を目指す、救護施設。
生活保護法に基づき、障害者や生活困窮者が日常生活を送りながら社会復帰することを目的とした施設だが、今月13日、京都市に隣接する向日(むこう)市で開かれた住民説明会では、500人以上の住民らから怒りと困惑の声が挙がっていた。

一体なぜ、向日市の住民が京都市に対し怒りの声をぶつけているのだろうか。

救護施設の建設予定地は、隣接する京都市と向日市の境にあり、高速道路をまたいで京都市の土地が向日市側に飛び出す「飛び地」のような場所。
さらに、施設の最寄り駅は京都市側ではなく、向日市側の阪急西向日駅となっている。

向日市の住民らはこの特殊な土地に施設が建つことで「入所者の主な生活圏が施設のできる京都市ではなく、向日市側になるのでは」と不安視しているのだ。

住民:
最寄り駅は西向日駅なんです。これって向日市なんです。地域共生というのであれば、みなと寮(施設側)の土地を使うということは、向日市に全部丸投げするということ。

住民:
もう一回教えてほしいんですけど。なぜあの場所なのか、適切か。

一体なぜ、この場所を選んだのだろうか。
社会福祉法人みなと寮は「飛び地になっているのは後でわかったことで、あえて選んだわけではない」と話している。

社会福祉法人みなと寮・笹井信次事務局長:
あえてそういう境界を認識して選んだわけじゃないんです。

木島初正施設長:
たまたま建設可能な、入手できる土地がそこしかなかったんです。向日市と伏見区の境で飛び地になっているのは後でわかった話です。

「危ない人いない」と断言も「万引きはあった」

さらに、住民らは地域の安全面にも不安があると主張。

施設の入所者には刑務所から刑期を終えて出てきた身寄りのない人やホームレスも含まれるというが、施設の担当者が「万引きなどはあったが、危ない入所者はいない」と説明し、去年11月の説明会は紛糾した。

京都市救護施設担当者:
みなさん救護施設に「とんでもない施設」というイメージを持たれていると思うんです。決してそのような危ない人はいらっしゃいません。

住民:
いないって言い切りましたよ?そういう方はいらっしゃらないんですね?

京都市救護施設担当者:
たとえば万引きとか、そんなことはたまにはあったんですけども…

「万引きは起こりうる」ともとれるこの説明に、住民らは「万引きは危害ではないのか」と反発。
これに対し施設の担当者は「まずはそういったことが起こらないようにしっかりと対応していくことが大前提。外出が不適切な入所者には、外出の制限をすることは当然」と回答している。

「だまし討ちみたいなもの」…住民らへの遅すぎる説明

実は、住民らの反発にはもうひとつ理由があった。
施設側は公募が始まる1年半前にこの土地を取得しており、さらに住民説明会が開かれたのが工事着工予定だった12月のわずか1週間前だったということだ。

施設側は取材に対し「何年後になるか分からないが、京都市は必ず救護施設を作るだろうという思いがあったので先行投資をした」と説明しているが、住民らは「話が出来すぎている、談合のようなものがあったのではないか」「説明会が遅い。だまし討ちのようなもの」と不信感を募らせているのだ。

担当者は「受け皿さえあれば、入所者は社会人として生活できる」と主張するも、現在着工が延期されているこの救護施設。
今後、住民らにどのような説明がなされるか、注目したい。


(「プライムニュース イブニング」1月21日放送分より)

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