豚コレラ“ワクチン接種”慎重なワケ 貿易面で影響も

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広がる豚コレラ。

感染を防止するワクチン接種に対して、国は慎重な姿勢を示している。

日本では、26年ぶりに感染が確認され、愛知や岐阜など、5つの府県に拡大している豚コレラ。

新たに、1月、愛知県が問題のあった豊田市の養豚場に立ち入り調査を行った際に、国が定める「衛生管理基準」を満たしていると確認されていたことがわかった。

にもかかわらず、なぜ豚コレラが発生し、拡大したのか。

日本は、豚コレラの感染がない「清浄国」と国際機関に認められていたが、2018年9月、岐阜県で感染が確認されたことで認定が取り消しに。

早期の対策が求められているが、その内の1つが豚へのワクチンの接種。

ワクチンを接種すれば、これ以上豚コレラが感染するのを防ぐ効果が期待できるが、吉川農水相は、「ワクチンの使用に関しては、飼養衛生管理の徹底によって豚コレラのまん延防止ができない場合の最終手段であると考えている」と述べた。

日本は、2006年4月以降、豚にワクチンを接種しておらず、いったん接種するとほかの国から敬遠され、輸出を再開するまでに相当な時間がかかることが予想されるほか、「清浄国」への復帰も遅れる可能性がある。

前回は、92年に感染が確認され、対応を始めてから清浄国になるまで、かかった期間は11年。

さらに、貿易面での影響が大きいことやコストなどの面から、農水省によると多くの養豚業者がワクチンの接種に反対しているという。

しかし、一方でこんな声も。

長野県で養豚場を営む、藤原畜産・藤原仁社長は、「(ワクチン)接種をするのは、早めにやった方がいいと思う。輸出を優先したいのか、豚コレラを収拾させるのを優先なのか、まず豚たちをうまく確保していかないと、輸入・輸出なんてものはなくなっちゃいますよね」と話した。

農水省は今後、感染源や感染経路などをさらにくわしく調べることにしている。