日本人記者を指名するはずじゃなかった!? 韓国大統領が新年会見で日本批判「問題拡散は賢明でない」

  • 「日本政府はもっと謙虚な姿勢を」立て続けに日本を非難した文大統領
  • 専門家は「非常に強気の姿勢」と指摘…日本政府関係者はどう見た?
  • 協議に応じる場合は、慰安婦問題も議題にするよう“逆提案”する可能性も 

1月10日午前10時、新年の記者会見に臨んだ韓国の文在寅大統領。

日本にとって最大の注目は、いわゆる徴用工訴訟をめぐり韓国の最高裁が新日鉄住金に賠償金を支払うよう命じ、新日鉄住金の資産が差し押さえられた問題だ。
日本政府が韓国政府の適切な対応を厳しく求める中、文大統領の発言が注目されたが、冒頭での言及はなかった。

場所を移して行われた質疑応答では、自ら質問者を指名するスタイルをとったが、質問は北朝鮮問題に集中。

「金正恩委員長が訪中しましたが、どのような評価をしていますでしょうか?」という韓国人記者の質問に対しては、「ひと言で言えば、2回目の米朝首脳会談が近づいてきたことを示す兆候だと思います」と答えた。

その後も韓国経済などについての質問が続いたが、最終盤でついに日本人記者に質問の機会が訪れた

日本人記者の質問に「日本政府はもっと謙虚な姿勢を」

日本人記者:
日本政府が日韓請求権協定に基づいて、韓国側に協議を要請しました。
これに対して、大統領はどのような対応を考えていらっしゃいますか?

文大統領:
これは韓国政府が作り出した問題ではありません。過去の不幸だった長い歴史のために生まれた問題です。
日本政府はこの問題に対して、もっと謙虚な姿勢をとってほしい
この問題を日本の政治家や指導者が政治的に争点化し、論争の種にして拡散していることは賢明な態度ではない

日本人記者と文大統領

このように、文大統領は立て続けに日本を非難。
さらに、「三権分立の原則から、韓国政府は司法判断に関与できない」と改めて強調した上で、次のように述べた。

文大統領:
日本も基本的に不満があったとしても、「この部分は仕方がない」という認識を持たなければいけない
日韓両国がどう解決していくか、真摯に知恵を出し合うべきだと思っている。

日本が9日に要請した協議への対応については、回答を避けた文大統領。
日本人記者を指名した後で「実は、その後ろの方を指名するつもりだったんですが…」とひと言ぽつりとこぼす場面もあった

専門家は「非常に強気の姿勢」と指摘…日本政府関係者はどう見たか

今回の会見について、日本政府関係者からは「あれは国内向けの会見だから、ああいう言い方をするでしょ。いま文大統領は必死なのが伝わってくるよね」「未来志向と言っておきながら、過去ばかりにとらわれる、とんでもない大統領だといった声が聞かれた。

龍谷大学の李相哲教授は、「もう司法判断に任せましょうと。それに『日本の政治家はあんまり騒ぐな』と、非常に強気の姿勢を見せたとしか思えない」と指摘する。

そして10日午後、韓国外務省は会見で、徴用工問題をめぐる日本からの協議要請については、今後、綿密に検討し、日本との関係などを総合的に勘案して対応する方針を示した。

さらに、韓国側が協議に応じる場合は、慰安婦問題なども議題にするよう逆提案する可能性も浮上しており、今後の対応が注目される。

韓国外務省の会見

韓国側は“慰安婦問題“も協議要請か

反町理キャスター:
この逆提案ですが、日本政府は韓国側に元徴用工問題を二国間協議にかけるべきとしているのですが、韓国側はその協議のテーマに慰安婦問題も加えることを求める可能性が出てきています。

その理由として、韓国側は「2011年に慰安婦問題で二国間協議を日本に申し入れたが成立しなかった」という事実を挙げて、紛争調停手段としての二国間協議なのだから、今回、従軍慰安婦問題も併せて協議するのはおかしくないんじゃないかという立場なんですね。

こうした動きに対して、新潟県立大学の浅羽祐樹教授は、「韓国側にしてみれば慰安婦問題を混ぜ込むことで損はしないし、日本側は当然、こうした展開を予測していたのではないか」と指摘しています。

その上で、「結局、二国間協議は痛み分けになるだろう。こうした韓国側の動きは、その先の先にある国際司法裁判所での争いに向けた準備にも見える」と分析しています。

(「プライムニュース イブニング」1月10日放送分より)

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