交通事故死者数が「第一次交通戦争」から5分の1に減少 その意外な要因とは?

カテゴリ:国内

  • 去年、交通事故による死者数が過去最少を記録
  • 要因は飲酒運転の減少だけではなかった
  • 「第三次交通戦争」を避けるための対策は?

「第一次交通戦争」から5分の1へ

オオシバくん:
今年は僕は”年男”ではないんだけど、「”犬”突猛進」で今年も頑張るのでよろしくお願いします。平松デスク、今日はどんなこと教えてくれるの?

平松デスク:
オオシバくんは知っているかな?去年1年間に、全国で交通事故により亡くなった人は3532人で、日本のこれまでの歴史の中で最も少なかったんだよ。最も多かったのは、第一次交通戦争と呼ばれた1970年の1万6765人。それと比べると、5分の1にまで激減したんだ!

オオシバくん:
え??第一次交通戦争?

平松デスク:
そう。「第一次交通戦争」「第二次交通戦争」という言葉を使うんだよ。
日清戦争で亡くなった人が約1万7000人。1970年にそれだけ沢山の人が交通事故で亡くなったという事実から、これはまるで交通事故による戦争状態だ、ということで、当時のことを「第一次交通戦争」と表現していたんだよ。

その時代と比較すると、隔世の感があるね。

医療技術の進歩が功奏

オオシバくん:
戦争状態から「5分の1」まで減った理由は何?

平松デスク:
主な理由は2つ。

一つは、医療技術の進歩。日本の交通事故死者数は、事故から24時間以内に亡くなった人をカウントする。事故から25時間後に亡くなった人は、基本的に、交通事故死者数にカウントしないんだよ。

オオシバくん:
え~!!24時間以内に死亡した人しかカウントしないんだ!それは世界中、同じ基準なの?

平松デスク:
実は、アメリカやヨーロッパは、事後後30日以内に亡くなった人までカウントして「交通事故死亡者」とする。だから日本とは基準が違うんだけどね。

今の日本の救急医療の技術というのは素晴らしく進歩している。事故にあった人の、命を取りとめる技術が進歩している為に、事故から24時間以内に死亡した人の数が激減しているんだよ。

車の性能向上も要因

オオシバくん:
もう一つの理由は?

平松デスク:
もう一つの理由は、車の性能向上。日本の車は、丈夫で安全、事故に強い。つまり、乗っている人の命を守る技術にたけている。さらにシートベルトとエアバックの普及が後押ししているということもあるね。

つまり医療技術と車の性能の進歩で、交通事故の死者が減ったんだよ。

「第三次交通戦争」の恐れ

オオシバくん:
でも、最近は高齢者の事故も多いよね。

平松デスク:
昔と比較すると交通事故死者は確実に減っているが、不安材料もある。それは、高齢化社会。去年1年間に、交通事故で亡くなった人の55.7%は65歳以上。つまり死亡者の半分以上は、65歳以上、ということ。社会に占める高齢者の割合よりも多いんだよ。

今後、高齢化が、もっと進めば、交通事故で亡くなるお年寄りも増えるだろう。そうすると、今度は「第三次交通戦争」が起こりう恐れがある。

オオシバくん:
自動運転も普及してるよね?

平松デスク:
そう!交通事故を起こすのは、「車」ではなく「人」。
これを、どうやって食い止めるか?
自動ブレーキなどの普及を大胆に進める、自動ブレーキ搭載車の税金を、むちゃくちゃ安くするとか。
補助金を多くするとか。
そういった大胆な対策が高齢者を事故から守れるようになると思うよ。

(執筆:フジテレビ 社会部デスク 平松秀敏)