なぜこの時期に?吉田沙保里が引退を決意した理由に迫る

  • 「引退とは言いません」リオオリンピック後の去就が注目されていた
  • 澤穂希さん、深田恭子さんらが引退に関してコメント
  • 東京オリンピックに出るためには6月の試合で優勝が求められた

“霊長類最強女子”とも呼ばれたレスリングの吉田沙保里選手が、8日夕方に引退を発表した。

自身のツイッターに「この度、33年間のレスリング選手生活に区切りをつけることを決断いたしました。ここまで長い間、現役選手として頑張ってこれたのも沢山の方々の応援とサポートのおかげです」とコメント。

さらに、ツイッターではこれまでオリンピックや世界選手権で獲得した17個のメダルも披露した。

「指導しながら行けたら行きたい」

36歳にして33年という選手歴。つまり3歳からレスリングを始めたということになる。
幼少時代には巧みなタックルで男性選手を何度も倒し、「夢はオリンピック」と明かしている。
また、15歳の時には男性選手が必死に攻撃を仕掛けようとするが、それを余裕でいなす吉田選手の貴重な映像が残されている。

「練習は嫌いだけど試合は好き」と語っていた吉田選手。

その後、世界ジュニア選手権で連覇するなど、日本を代表する選手へと成長した。
2004年に開催されたアテネ五輪。21歳で初めてオリンピックへと出場し、金メダルを獲得。
2008年の北京オリンピックでは、圧倒的な強さで2連覇を成し遂げ、2012年のロンドンオリンピックでも勢いは衰えず3連覇を達成し、その年には国民栄誉賞を受賞した。

しかし、2014年にレスリングを教えてくれた最愛の父・栄勝さんが死去。

「明日の告別式が終わったらすぐに計量とメディカルに間に合うように、東京に行って日本代表チームのみんなと合流したい」と話し、父の遺影を手に国別対抗戦に参加。そして、日本チームの優勝に大きく貢献した。

その後、世界大会での連勝記録を16に伸ばし、日本チームの主将として4連覇に挑んだリオオリンピックだったが、決勝で敗れて銀メダルに。個人戦での連勝も206でストップした。

去就が注目されたが「引退とは言いません。この子たちを指導しながら一緒に(東京五輪)行けたら行きたい」と話していた吉田選手。選手兼コーチとして自身の出場も視野に練習を続けてきたが、リオオリンピック以降、試合への出場はなかった。

一方で、最近は番組やイベントにひっばりだに。

2018年4月に開かれた討論会では、東京オリンピックへの挑戦について「迷っている」「可能性は高くないかもしれない」と発言していた。

なぜ、このタイミングで決断?

吉田選手の引退に、親交が深かった澤穂希さんは「沙保里のレスリングをする姿を見れなくなるのはとても寂しいですが、これからも沙保里らしく新しい道でも全力で頑張ってほしいです」とコメント。

友人で女優・深田恭子さんは「日本代表として多くの人に感動と勇気を与えてくれた同世代の彼女を深く尊敬しています」とメッセージを寄せた。

サッカーの本田圭佑選手は「感動を沢山頂きました」(Twitterより)、去年現役を引退した福原愛さんは「またメダルポーチが必要なときはいつでもご連絡ください」(Twitterより)とコメントしている。

ではなぜ、このタイミングで決断を下したのか。

東京オリンピックに出場するには、2018年末の全日本選手権か、6月に予定されている全日本選抜選手権での優勝が最低条件となる。

しかし、吉田選手は全日本選手権には出場しなかったため、全日本選抜選手権での優勝が求められることになる。

先月、吉田選手の練習を見たというスポーツライター・小林信也氏は「東京オリンピックを目指すのであれば、6月の明治杯(全日本選抜選手権)に出なければいけない。目指すのであれば、もう本格的な練習を開始する時期ですよね。自分がこれからどういう生活をしていくかというのを、対外的にも明らかにする必要があったんだと思います」と話した。

明日、1月10日に吉田選手は引退会見を行う。

(「めざましテレビ」1月9日放送分より)

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