本を音読...相手は「わんこ」 苦手な子どもたちに“秘策”

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音読の苦手意識をなくす鍵は「犬」。子どもたちを対象にした、ユニークな取り組みを取材した。

犬に読み聞かせをしているのは、木村 眞君(7)。

はじめは緊張している様子で、隣の犬に目をやる余裕は見られない。

東京・三鷹市立図書館では、日本動物病院協会の協力を得て、定期的に犬に本を読み聞かせる取り組みを行っている。

人と違って犬が相手だと、うまく読もうとして緊張したりせず、リラックスして読むことができるという。

また、ほかの参加者が気にならないように、人と犬が1対1になる環境がつくられている。

このプログラムに参加している犬は、読書介助犬(セラピー犬)で、眞君のパートナーは、ゴールデンレトリバーのりんご(オス、10)。

読み聞かせが続いている間、ひたすら静かに眞君に寄り添う。

緊張がほぐれてきたのか、眞君に変化が見られた。

りんごが見やすいように、本を立てたり、工夫している。

木村 眞君は、「(人に)読み聞かせしてもらうより、犬に読み聞かせしてあげる方が楽しかった。(出来は)100点」と話した。

犬に本を読んであげて自信がつくと、人前でもリラックスして音読できるようになる。

それが、この読み聞かせの目的だという。

三鷹市立図書館 館長・田中博文さんは、「子どもたちが読み聞かせの最中に間違えても、犬は一切、そのことについては指摘しません。自分のペースで声に出して、1冊の本を読めたときの達成感が、子どもたちの自己肯定感を高めることができると話した。

三鷹市立図書館では、プログラムの効果を高めようと、読み聞かせ体験の前に、犬とのふれあい教室を実施する。

子どもたちは、事前に犬との正しい触れ合い方を学ぶことで、犬を身近に感じることができるという。

また、犬に早く本を読んであげたいという気持ちを高めることもでき、参加者の中には、仲良くなった犬のために絵本を選んで、毎日練習をしたという子どももいた。

本離れが指摘される中、犬とはぐくむ新しい読書の形に注目が集まっている。