“捕鯨の国”日本の転換点 政府がIWC脱退を正式表明 なぜ今「商業捕鯨」?

  • 政府はIWC(国際捕鯨員会)からの脱退を正式表明 来年7月から商業捕鯨を再開
  • 「クジラの町」和歌山・太地町からは歓迎の声
  • 反捕鯨国からは脱退に批判の声 今後の日本の課題は?

政府がIWC脱退を正式表明

政府は、国際機関であるIWC=国際捕鯨委員会から脱退することを表明した。

菅官房長官は、26日午前の記者会見で「捕鯨について来年7月から商業捕鯨を再開することとし、国際捕鯨取締条約から脱退することを決定した」と発表した。

IWCでは、1982年にクジラ資源の枯渇を理由に、「商業捕鯨」の一時停止が決定され、日本も30年にわたり「商業捕鯨」を中断していた。

政府は「鯨類の資源は回復している」と指摘し、IWCで商業捕鯨の再開を求めてきた。

菅官房長官は、脱退について「IWC総会において、鯨資源の持続的利用の立場と保護の立場の共存が不可能である、このことが改めて明らかとなり、今回の決断に至った」と説明した。

商業捕鯨 来年7月から再開

商業捕鯨は、来年7月から再開し、政府は、日本の領海や、EEZ=排他的経済水域に限定し、南極海や南半球では行わないとしている他、IWCに準じた捕獲枠の範囲内で行うとしている。

その上で将来的に、反捕鯨色の強いIWCとは別の新たな国際的な枠組みづくりを検討する方針だ。

「クジラの町」は歓迎の声

自民党本部では26日昼、「クジラの竜田揚げ」を食べながら、捕鯨に関する議員連盟の会合が行われた。

会合には、「捕鯨の町」として400年の歴史がある和歌山・太地町の三軒一高町長も出席した。太地町は、自民党・二階幹事長の選挙区でもある。
三軒町長は、「心から感謝したいと思う。二階幹事長は、漁業者を守ろうということについて一点のブレもなかった。我々からしたら神様みたいなものだ」と話した。

また、かつて太地町を拠点に捕鯨をしていた元南氷洋捕鯨船乗組員の本橋俊之さんは、「ありがたいこと。(クジラ肉を)食べたい食べたいってみんな言っている」と語る。

捕鯨に新たな需要はあるのか?

1960年代には年間20万トンを超える年もあったクジラの肉の消費量は、その後、激減した。

クジラ肉の新たな需要はあるのか。街の声を聞いてみると…。

「わりと買っちゃうかもしれない。お酒のおつまみとかだとあうかなと思う」(20代男性)
「ちょっとベトベトしているし、あまり好きじゃないかな、買わないかな」(40代母親)
「少し食べてみたい」(その息子)
「わざわざクジラを取って食べようというのはどうなの…」(70代母親)

反捕鯨国から脱退に批判の声

今回の脱退表明に、反捕鯨国からは批判する声があがっている。
オーストラリアのマリス・ペイン外相は「オーストラリア政府は極めて失望した」と表明した。

反捕鯨団体「シー・シェパード」も「日本は国際社会の激しい批判にさらされる行動に出た」と批判する。

日本の“捕鯨文化”をめぐるドキュメンタリー映画「おクジラさま」の監督を務めた佐々木芽生氏は、IWC脱退に賛成とした上で、こう指摘する。

佐々木芽生監督:
世界がだめだと言っている商業捕鯨を再開するわけだから、ものすごく慎重に世界に向けて説明責任を果たすべきだと思う。

(「FNNプライムニュース イブニング」12月26日放送より)

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