トイレが詰まって20万円…「暮らしのレスキュー」トラブル増加で注意喚起

カテゴリ:国内

  • トラブルを解消するはずの業者とのトラブル相談が年々増加
  • スマホで見つけた業者とのトラブルが増加の一因
  • 「暮らしのレスキューサービス」でトラブルに遭わない注意点は5つ

突然トイレが流れなくなったり、鍵をなくして家に入れなくなったら、あなたはどうする?
そんなときに頼るのが「暮らしのレスキューサービス」。
家のポストに、水回りや鍵のトラブルに駆けつけてくれる業者のチラシが入っているという人も多いだろう。

ところが全国の消費生活センター等では、トラブルを解決してくれるはずの業者とトラブルになったという相談が年々増えているという。
相談件数は2013年から増え続けていて、2018年も8カ月経過時点で2,000件を超えていて去年を上回る勢いだという。

出典:国民生活センター(PIO-NETとは国民生活センターと全国の消費生活センター等を結ぶデータベースのこと)

ここでいう「暮らしのレスキューサービス」とは、トイレの修理、水漏れの修理、鍵の修理・交換、害虫・害獣等の駆除、冷暖房設備の修理、ドア・ガラスの修理、給湯器の修理などで、業者が消費者の自宅等を訪問して対処するサービスをいう。
このような相談の増加に対して国民生活センターは注意を呼びかけ、実際に寄せられた相談の事例を公開した。
その見出しだけだけでもトラブルの怖さがうかがい知れるので、いくつか紹介しよう。

・「見積もり無料」の広告を見て蛇口の水漏れを確認してもらったら、見積もりにかかった費用を請求され
(2018年8月受付、70代女性、家事従事者、岐阜県)

・ネズミ駆除を事業者に依頼したが、完全に駆除できていなかった
(2018年8月受付、80代男性、無職、東京都)

・鍵開けを依頼し、料金が高額だったため作業を断ったらキャンセル料を請求された
(2018年3月受付、20代男性、給与生活者、神奈川県)

相談件数で多いのは、「トイレの修理」「水漏れの修理」「鍵の修理・交換」の順だという。
なぜ今「暮らしのレスキュー」トラブルが増えているのか?そして、これらのトラブルに遭わないためにはどうすればいいのか?
国民生活センターの担当者に聞いてみた。

スマホで見つけた業者とのトラブルが増加の一因

――暮らしのレスキュートラブルは、なぜ増えている?

全国の消費者生活センターに寄せられた相談の中から、増加の原因はこれだと1つに絞り込むことは、かなり難しいことです。
ただ、2013~2014年度以降スマートフォンが普及しておりますよね。
そのため、消費者に困ったことが起きるとすぐスマートフォンでインターネット広告を見て、そこで契約した事業者とトラブルになるケースが、増加の一因になっているのではないかと分析しております


――様々な事例で見積もり料やキャンセル料など余計なお金は払わずに済んだのか?

こちらの事例は全国の消費者相談センターに寄せられた相談で、個別の解決方法については分からない状態です。


――事例のように、次々追加の作業をされたらどうすればいいのか?

すぐに消費者生活センターに相談していただくのが一番でしょう。
また変な作業をされないように、工事はしっかり見張るという対応もできると思います。

「暮らしのレスキュー」トラブルを防ぐには?

これらのトラブルに遭わないようにするため、国民生活センターは5つのアドバイスを挙げている。
(1)広告の表示や電話で説明された料金を鵜呑みにしないようにしましょう
(2)契約する場合は複数社から見積もりを取り、サービス内容や料金を十分に検討しましょう
(3)緊急を要するトラブルの発生に備え、事前に情報を収集しましょう
(4)料金やサービス内容に納得できない場合は、きっぱりと契約を断りましょう
(5)トラブルになったときには消費生活センター等に相談しましょう(
消費者ホットラインは188番

――2番に「複数社から見積もりを取り」とあるが、鍵をなくしたときなどの緊急時は無理では?

この点についてはアドバイスの3番を参考にしてください。
緊急を要するトラブルが発生したときには、焦ってしまうことが非常に多く、かつ見積もりを取る暇もありません。
そこで、トラブルに巻き込まれても慌てないように事前に情報を収集しておきましょう。


――しかし事前になんの準備もせず、緊急のトラブルに見舞われたらどうすればいい?

それは4番につながってきます。
サービスに満足できないと思ったら、しっかり契約を断る。
出張料や見積もり料がかかる場合でも、それを払ってでも断った方がよいと思います。


――なんの説明もなく請求されたキャンセル料も払わなければいけない?

キャンセル料金は、契約が成立しているから請求できるものですので、説明がなかったり契約をしてない段階でキャンセル料を請求するのは変な話です。
しかし払ってしまう消費者の方もいるでしょう。
できればその場ではお金を払わず、消費者生活センターに相談していただいて、解決していく方がベターだと思います。

お金を払ってしまったら「クーリング・オフ」

―クーリング・オフをするはどうすればいいのか?

クーリング・オフは、特定商取引法という法律に基づいて行えるもので、「暮らしのレスキュー」は自宅での契約が多いと思いますので、訪問販売にあたります。
訪問販売の契約については、8日以内であれば消費者から事業者に書面で申し出ることで解約できます。

出典:国民生活センター

クーリング・オフとは、消費者を守るために特定商取引法などの法律に定められた制度のことで、訪問販売の場合は契約書面を受け取った日から8日以内であれば無条件で一方的に契約を解除できる。
また、契約の大切な部分について事実と違うことを告げられたなどの場合は、そのことに気付いてから1年以内であれば契約を取り消すことが可能だという。
実際にクーリング・オフをするには、必ずハガキなどの書面に必要事項を書き、コピーを取ったうえで「特定記録郵便」か「簡易書留」で相手業者に送る。
国民生活センターでは公式サイトではがきの記載例を公開していて、不明な場合は消費生活センター等に相談してほしいとしている。

――裁判を起こすという選択肢は?

結論から端的に言いますと、裁判を起こすということ自体はもちろん可能です。
最初は消費者生活センターにご相談されて、クーリングオフ等を書面でしっかりやっているにも関わらず、それでも業者が動じないために、裁判を起こすケースもございます。
ただ、そこまで行くかは相談者の方がお決めになることです。

トラブルを解消するはずのサービスが逆にトラブルの元になっているとは、なんとも皮肉。
何か起きる前に家族で話し合っておくことや、スマホで探す場合もいろいろな情報を見てみることはもちろんだが、もしトラブルに巻き込まれても慌てず、わからないことは消費者生活センターに相談して、きちんと対応することが肝心なようだ。