誤認逮捕はなぜ起きた? 警視庁が無実の男性を3日間勾留  一貫して否認も裏付け捜査を行わず・・・

カテゴリ:国内

  • 警視庁は窃盗事件で20代男性を誤認逮捕
  • 誤認逮捕された男性は一貫して「私は盗んでいない」と主張
  • 思い込みによる捜査。指紋の照合など裏付け捜査を行わず

※冒頭の画像は警視庁野方署(東京・中野区)

窃盗事件で20代男性を誤認逮捕 その背景には一体何が・・・

今月21日、警視庁刑事総務課が驚くべき発表を行った。
東京・中野区のコインランドリー内で発生した窃盗事件で20代の男性を誤認逮捕していたというものだった。
男性は一貫して無罪を主張したものの、警視庁に3日と約8時間勾留された。

男性が誤認逮捕された背景には一体何があったのか。
そこには、先入観による思い込みの捜査と、しっかりとした裏付け捜査を怠ったという2つの要因があった。

今年10月5日に事件は発生 施設内の防犯カメラに映る2人の男

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東京・中野区にあるコインランドリー内で女性の衣服が盗まれる窃盗事件が発生した。
被害にあった女性は警視庁野方警察署に被害届を提出。 被害届を受理した捜査員らはすぐに施設内の防犯カメラの確認を行った。

そこには誤認逮捕された男性のほかに、実際に衣服を盗んだ別の男が映っていたが、 警視庁の捜査員らは最初に防犯カメラに映っていた男性を犯人と思い込み、 防犯カメラにはもう1人別の男が映っているという認識をもたなかった。

なぜ、そのような思い込みが起きてしまったのか。

これに対して警視庁の幹部は 「最初に防犯カメラの管理会社の担当者から犯人の姿が映っていると報告があり、 そこで捜査員も自ら確認したものの、防犯カメラに映っているのは犯人1人と思い込んでしまった。さらに防犯カメラに映る男の特徴が、「上下黒っぽい服」「短髪にメガネ」と誤認逮捕された男性と犯人の姿は非常に似ていた。」と話した。

誤認逮捕された男性は一貫して否認 しかし警視庁は逮捕し3日と8時間勾留

当然のことながら、男性は一貫して「私はコインランドリーに行っていたが、女性の衣類は取っていない。」と窃盗容疑を否認する。
しかし、警視庁は男性がウソを言っていると思い、 防犯カメラに映る別人の犯人を男性と思い込んだまま逮捕し、さらに男性の自宅への家宅捜索も行った。

今月10日、事態は一転 防犯カメラに映る犯人は別人と判明

今月10日、東京区検は警視庁に対して、犯行現場となったコインランドリー内の 防犯カメラ映像についてしっかりとした解析をするよう指示を出した。
これを受けて警視庁が科学捜査研究所で画像解析を行ったところ、 防犯カメラに映る犯人は誤認逮捕した男性とは別人と判明した。

今月19日、誤認逮捕した警視庁野方警察署の幹部2人が男性のもとを訪れ謝罪した。

今回の誤認逮捕を発表した警視庁の幹部は「誤って逮捕してしまった方に誠に申し訳なく心からお詫び申し上げます。 またこのような事案がおきないよう指導を徹底する。」とコメントした。

思い込みによる誤認逮捕 指紋の照合など必要な捜査を行わず

無実の人を誤って逮捕することは、警察官の捜査を根幹から揺るがしかねない重大なものだ。

本来、警察の捜査は証拠物などの客観的証拠が必要とされ、今回の場合は男性が女性の衣類を洗濯機から盗んだのであれば洗濯機に付着した「指紋の照合」を必要な捜査として行うべきであった。

しかし、誤認逮捕した警察官は指紋の照合を行わず、防犯カメラの映像のみで 捜査を進め、一貫して否認する男性の証言をウソと思い込んでいた。

「自分はやっていない」と真実を言い続けたにも関わらず、逮捕され警察署の留置施設に3日以上勾留された男性の恐怖と絶望は想像を絶するものであろう。

男性は警視庁の謝罪に対して「わかりました」と理解を示した上で、 「自分のやっていないと言ったことが、警察に聞いてもらえなかった不満がある」と 話している。

(フジテレビ社会部 警視庁担当 河村忠徳)

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