新名所2019:世界遺産の看板娘は93歳…来訪者急増で試される地方の“観光力”【長崎発】

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  • おばあちゃんのおもてなしが話題
  • 世界遺産登録で観光客は22倍!(春日集落)
  • 「勝負は来年の夏」専門家が分析

集落のおばあちゃん達が世界遺産の看板娘に…

2018年夏に世界遺産に登録された「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」。
その世界遺産のひとつが長崎・平戸市にある「春日集落」。キリスト教が禁じられた時代から安満岳を拝むことで信仰を守ってきた「かくれキリシタンの里」だ。

長崎・平戸市の「春日集落」

わずか19世帯が住む小さな集落に2018年4月、観光案内所「かたりな」がオープンした。

観光案内所「かたりな」

観光案内所の女性:
これ大根なんですよ。この大根に味噌を漬けて食べてみてください。食べたことないでしょ!

観光案内所の『看板娘』は、集落最高齢93歳の綾香クニさんをはじめとする集落のおばあちゃんたち。
お茶や手作りの漬物を出して会話をする、あたたかいおもてなしが話題となり、登録前は月に100人前後だった来訪者は、登録から5ヵ月で1万人を超えた。

集落最高齢93歳の綾香クニさん
あたたかいおもてなしが話題のおばあちゃんたち

東京から来た女性は「すごくよかったです。田舎にきたな~、という感じが。なかなか最近こういうのないじゃないですか」、佐世保からのリピーターの男性は「受け入れ態勢がいい。来れば安心する。やっぱりうれしい」などと声を弾ませる。

世界遺産登録で観光客4倍に…課題と対策は?

世界遺産登録を受け、春日集落のように、長崎県内の構成資産の来場者は大幅に増加。大浦天主堂は前の年の同じ時期と比べて17%アップ、他の構成資産でも1.5倍から4倍に増えている。

日本銀行長崎支店・平家達史支店長:
旅行の関係業者が知恵を絞り、施策を打っている。例えばパックの利用者や宿泊者数、交通機関の利用者数、飲食物販の売り上げも伸びている。長崎県内の経済に対しては、一定の波及効果がある。

その一方で、交通アクセスの不便さや宿泊施設の不足などから、高まる需要を十分に取り込めていない状況もある。

日銀長崎支店の平家支店長は、「観る場所」と「泊まる場所、食べる場所」の役割分担を意識した上で、「面」としての受け入れ態勢の拡充が必要だと強調する。

「面」としての受け入れ態勢の拡充を強調する日本銀行長崎支店・平家達史支店長

日本銀行長崎支店・平家達史支店長:
良い所にひっそりとあるわけなので、そこを商業化する必要はない。そうではなくて近くの街のにぎわいを演出して、泊まる所や食べる所をしっかり拡充する。そこをしっかり分離した上でアクセスで結ぶ。泊まる所、食べる所をアピールし楽しんでいただく。
こういう登録の賞味期限は1年ですので、1年経ったときにさらに来てもらうようにしなければと考えると、「勝負は来年の夏」だと思います。

大浦天主堂(長崎市)
原城跡(南島原市)
野崎島の集落跡(小値賀町)

登録から半年あまり…、あと半年でどれだけ受け入れ態勢を整え課題を克服できるか。
スピード感をもって、世界遺産の登録だけでよしとしない新たな取り組みが期待される。

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