“猫用コタツ”買ってきたら、そっちかい!「あるある」と話題だけどなぜ?専門家に聞いてみた

カテゴリ:暮らし

  • 猫のコタツ買いました!気に入って貰えたようでなによりです!
  • 猫が好む場所の特徴は「高い・暗い・狭い」だが…
  • 「コタツの布団をめくり、暗い場所だと認識させることが大事」

すっかり冬らしい気候になってきた。
童謡「雪」には「犬は喜び庭駆け回り、猫はコタツで丸くなる」という歌詞があるが、ペットを飼っている人はそんな光景を目にしているだろうか。

19日に「にぼしん」さんが、飼い猫のためにコタツを買ってあげた際のある様子をTwitterに投稿した写真が、24万「いいね」と話題になっている。(12月21日現在)
それがこちら!


「猫のコタツ買いました!気に入って貰えたようでなによりです!」

パッケージの猫の顔に惹かれて、ペット用コタツを購入したという「にぼしん」さんだが、飼っているラグドールの「もかちゃん」(雌・2歳)は、コタツではなく、そのパッケージの箱の方に飛び込んでいた。

確かに段ボールは断熱性があり、保温材としては申し分ないが…「そっちじゃないだろ!」と、多くの方がツッコミをいれたくなる一枚だ。
しかし、Twitter上では同じく猫を飼っている人達から多くの共感の声が寄せられていた。

・うちもそうでしたよ!2年目で中身に入ってくれたので、2年間がんばりましょう(何をだ
・猫あるあるですねw
・あるあるすぎて涙なしでは見れませんでした


その後、にぼしんさんは立て続けに、もかちゃんの様子を投稿している。それを見てみると…

「おっさん。コタツ入ろうぜ?コタツ。」

パッケージから出てきてくれたのはいいものの、もかちゃんはカーペットのようなものの上でごろんと横たわってしまったようだ。
1枚目の写真では目を閉じて気持ちよさげだが、2枚目では目を開いて「入りませんが何か?」とでも言いたげな顔をしている。

また、Twitter上では予想以上に、もかちゃんの体が大きかったことについての反応も多かった。確かに、コタツの箱に飛び込んでいた写真からは想像できない大柄な体だ。

その後、コタツはどうなったかというと…

「フットウォーマー買いました!暖かくて冷え性の方におすすめです!」

もかちゃん用のコタツだったはずのものは、晴れてにぼしんさんのフットウォーマーとして生まれ変わっていた。
にぼしんさんによると、もかちゃんは未だにコタツの箱に出入りしてるとのこと。

Twitterでは多くの愛猫家が「あるある」とつぶやいていたが、猫はコタツが好きなはずではないのか。

飼い主向けペットライフメディア「ペトこと」の編集長で、一級愛玩動物飼養管理士でもある山本恵太さんに猫の習性についてお話を聞いてみた。

「コタツは楽しい場所と認識させる」

ーーTwitterで「あるある」と話題になっているが、これは猫あるある?

集団で連携プレーのような狩りをする犬と違って、猫は単独で狩りをする動物です。自分の身は自分で守り、狩りの際は物陰から獲物を奇襲します。その本能が、段ボールや狭い場所に入りたがる行動につながっていると考えられます。猫が好む場所の特徴として、「高い・暗い・狭い」などが挙げられます。


ーーコタツに入らずに、パッケージに入ったのはなぜ?

2つ、以下のような理由が考えられます。
・コタツのパッケージは入り口が空いているため、すぐに「暗くて狭い空間」と認識して興味を持った
・段ボールに慣れていて「いつもの快適なやつ」として自然に入った

ペット用のコタツを買っても、最初は警戒して使わない子が多いと思いますが、無理矢理入れようとすると嫌いな場所になってしまいますので、まずは猫の視界に入る場所に放置してください。そのうち好奇心が勝って自分で入っていきます。


ーー猫がコタツに入れるようになるために、できることは?

そのまま置いておくより、布団をめくって「暗くて狭い空間」というのがわかるように置いておいた方が猫は入りやすいと思います。 積極的に慣れさせたいのであれば、コタツの近くでおやつをあげたり、存在に慣れたら
こたつの中におやつを入れたりして猫が「楽しい場所」と認識できるように誘導するのがよいと思います。

ただし、主食のご飯や水飲みをこたつの中に入れて無理やり誘導すると、「食べない」「飲まない」となり、体調を崩す場合があります。猫は犬より我慢する傾向がありますので、必ずおやつを使うようにしてください。

コタツはココに注意!

ーー猫をコタツに入れる際、または猫がコタツに入っている際、注意すべきことは?

基本的に猫には人用コタツではなく、ペット用コタツをお使いください。人はコタツに足だけ入れますが、猫は全身で入りますので、人用のコタツだと「熱中症」「火傷」のリスクがあります。

・注意ポイント1. 熱中症について
猫は体温が40度を超えると熱中症の可能性が高くなります。人は全身にある汗腺が汗をかいて体温調節をしますが、犬や猫は汗腺が肉球など少ししかありません。犬はパンティングと呼ばれる「ハッハッ」という息で体温調節をするのですが、猫はそれをしません(猫がパンティングをしている場合は病気の可能性も)。

基本的には暑ければ自分で出てくるものですが、子猫やシニア猫など、自分で判断したり行動したりできない場合があります。また、シニア猫はコタツの中と外の気温差で心臓発作を起こす可能性があります。

・注意ポイント2. 火傷について
長毛種や立派なしっぽを持つ猫は、自分の被毛が焦げていることに気付かないこともあります。冬のストーブで起こりやすいことですが、コタツも同様のリスクがあります。

ーー猫の体は多くの体毛で覆われているが、どれくらいで寒いと感じる?

猫の祖先は砂漠地域に住む短毛種のリビアヤマネコとされ、元々は暑さに強く、寒さに弱い動物です。雪が降る寒い地域に住む猫もおり、ノルウェージャンフォレストキャットなどの長毛種は、冬の寒さに強い性質を持っています。猫の正常な体温は約38〜39度で、基本的には人が快適だと思う温度が、猫にとっても快適な温度です。

また、猫は自分で快適な場所を見つけるのが得意な動物ですので、室温で調節するよりは日が当たる場所や猫用ハウス、お気に入りの場所に毛布を敷くなど、温かい場所をいくつか用意して選ばせてあげてください。(ちなみに、うちの猫の場合、夏は北向きの部屋の床・冬は南向きの部屋の押入れの布団の間にいることが多いです)

猫あるある「真夜中の運動会」

(提供:山本恵太さん)

ーー専門家だからこそ知っている、猫あるあるは?

猫あるあるとして、「真夜中に開催される運動会」が挙げられます。猫は夜行性だと思われがちですが、正確には「薄明薄暮性」といって、夕方や明け方に活発になります。明け方になると急に暴れだす猫が少なくありません。ダッシュで走り回ったり、キャットタワーを上り下りしたり、棚の上にあるモノを落として回ったり…。

慣れていない飼い主さんはびっくりしてしまうかもしれません。運動会の開催時間はそれほど長くありませんので、暴れても大丈夫なように部屋を片付けて、あとは好きなようにさせてあげてください。猫との暮らしで大切なのは、猫が好きなように過ごせる環境を作ってあげることです。

編集部では以前、猫のためだけに作られた「ネコ家具」について取り上げたことがある。
ペットブームで飼い猫のためにいろいろしてあげたいという人も多いと思うが、今回の取材で「猫がコタツで丸くなる」のにも、いろいろな注意点があることがわかった。
そして、飼い主の優しさに気付いてくれない気まぐれさも猫が愛される理由の一つなのだと改めて感じた。

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