平成最後は『災』の一年…災害現場での「シェアリングエコノミー」の可能性

カテゴリ:ビジネス

  • 被災地周辺の駐車場を1日10円で提供
  • 防災関連の知識や経験を売り買い
  • “防災”教えたい人と学びたい人をマッチング

「シェアリングエコノミー」企業活動が災害現場で活躍

今年1年の世相を、漢字1文字で表す今年の漢字、平成最後は『災』だった。災害の経験から全国的に防災意識が高まり、多くの人が「自助・共助」の大切さを再認識したことなどが理由だった。
災害時の「自助・共助」の考え方が広がりを見せるのを背景に、モノ・サービス・場所などを、多くの人と共有・交換して利用する「シェアリングエコノミー」企業の活動が、今年は災害の現場でも活躍を見せた。

被災地周辺の駐車場を1日10円で提供

駐車場予約アプリ「akippa」HPより

駐車場予約アプリ「akippa」では、今年6月に大阪で最大震度6弱を観測した地震の際は、避難所周辺の駐車場を1日10円で提供したほか、今年7月にかけて起きた西日本豪雨の際も、広島県や岡山県内のスタジアムでのスポーツ観戦客に、周辺駐車場を1日10円で提供したことで話題となった。
「困りごと解決企業として、被災者を元気づけたい」との思いを込めた対応だった。

「akippa」で1日10円で提供された駐車場

防災関連の知識や経験を売り買い

一方、防災関連の知識を共有する人は増加傾向となっている。知識や経験を売り買いできる、オンラインフリーマーケット「ココナラ」では、防災訓練の企画アイデアを提供するサービスや、家庭での防災の不安を相談できるサービスなど、今年はさまざまな防災知識が売り買いの対象として出品された。

「ココナラ」

ココナラによると、出品されたサービスは「耐震関連」「防災訓練などの被災した際のノウハウ」「心のケア」の3つに大きく分類され、去年は3件の出品にとどまっていたが、今年は36件に急増したという。

「ココナラ」が提供したサービス

災害が連日ニュースで報じられ、身近なものとして認識されたことでニーズが増したためとみられていて、大阪で最大震度6弱を観測した地震や西日本での豪雨などがあった今年6月以降に、36件のうち28件のサービスが出品されたという。

“防災”教えたい人と学びたい人をマッチング

また、教えたい人と学びたい人をウェブ上でマッチングし、実際に対面でサービスをやり取りする「ストアカ」でも、今年は防災関連サービスの提供数が、前年比で2倍となった。

「ストアカ」HPより

「ストアカ」で特徴的なのが、愛犬を避難所に連れて行ったらどうなるか、災害時にペットを守るためにどうしつけたらよいかなど「ペットの防災」を提供するケースが今年に入って出てきた点だ。
運営会社によると、ペットセラピーや動物カメラマンなど、動物に携わる仕事をする人で、災害を実際に経験した人が「一人でも多くの人に知識を知ってほしい」との思いで、ペットの防災スキルを提供しているという。
「防災においても自ら情報を得て、考え、行動することが必要な時代になっている」と運営会社の担当者は話す。

新年まで10日あまり。「シェアリングエコノミー」に携わる各社は、来年以降も防災意識の向上につながる取り組みを続けたいとしている。

 
【執筆:フジテレビ 経済部デスク 西村昌樹】

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