高齢化社会 売れる秘訣は“なじみ力”

カテゴリ:国内

「αism」。

中高年の心をつかみ、縮小が続くガム市場で異例のヒットが生まれました。

大きなミキサーで練られ、平べったく成形。

さらに、薄く延ばされたこのシートは?

この製品に隠された、これからの高齢化社会で物が売れるヒントとは?

売り上げが当初予測の1.4倍と、予想外のヒットで注目されているのが、ロッテのガム「歯につきにくいガム 記憶力を維持する」。

中身を見てみると、何の変哲もない板ガム。

いったい、何がヒットの理由なのか。

10月に入って、かつての人気商品「キスミント」の販売終了が決まるなど、今、ガム市場は縮小傾向にある。

ガム全体の販売額のピークは、2004年の1,881億円。

その後、タブレット菓子やグミの人気なども影響し、徐々に減少。

2017年は、1,005億円と、ピーク時の半分近くまで縮小した。

中でも、若者のガム離れが進み、今では購入者のおよそ7割が中高年層。

そこで、その中高年層をメインターゲットとし販売されたのが、このガムだった。

斬新なネーミングと、ガムとして初の機能性表示食品として、当初、注目を集めたが、実は中高年層のあるニーズに応えたことで、販売数が伸びたという。

それが。

街の人は、「板ガムの方が、昔から食べてるから。手につかない、紙に包んであるから」、「なじみがあって、昔から食べ慣れてるから。最初のファーストタッチが、なんか柔らかい。粒ガムだと、なんかコーティングしてあって、カリカリするから」などと話した。

そう、こちらの商品、食べやすいサイズで、ガムどうしがくっつかず扱いやすいことなどから主流になった粒ガムタイプに加え、中高年層が昔からなじみのある板ガムタイプをあえて販売したことが、販売数アップにつながったという。

ロッテ ブランド戦略担当・佐藤勲興氏は「現在、市場を見ると、粒ガムが主流の時代になっていまして、売り上げの7~8割が粒ガムといわれております。ただ、その中で弊社の板ガム『グリーンガム』や『クールミントガム』を中心にとても愛されている商品で、この形態で長く使用してくださっている方が、中高年で多くいらっしゃるというのが現状でございます。やはり、片方だけ出した場合では、やっぱり、どちらかの形態を愛してくださっている方を中心に買われるので、ここまで売り上げは上がっていないと思います」と話した。

スーパーのお菓子売り場を見ても、大半を粒タイプが占める中、板ガムはこの商品だけ。

ロッテでも、このガムだけは、板ガムと粒ガムの生産割合を、ほかより高い1対1にしているという。

佐藤氏は「今回、板ガムタイプを出させていただいて、とても好評で、やっぱり板ガムって愛してくださっている方がいるんだなっていうところを、再実感させていただいたところがありますので、これからも板ガムタイプというのを継続して出させていただきたいと思っております」と話した。

市場縮小に悩む中で、なじみの力を活用し、あえて古いタイプを選択する。

これからの時代のものづくりのヒントになるかもしれない。