「チョウザメが村の人口を超えました」自虐ポスターで“食べに来て”…気になるキャビアは?

カテゴリ:暮らし

  • 愛知県で最も人口の少ない豊根村、チョウザメで観光ポスターを作成し話題
  • 村の4店舗で食べられるチョウザメ料理、養殖数は人口の4倍!
  • 「チョウザメは、鯛とフグのいいところを合わせ持つ」

村の人口は1122人

世界三大珍味といえば、トリュフ・フォアグラ・キャビア。

高級品としても知られ、このうちの一つキャビアは、チョウザメの卵の塩漬けのことだが、愛知県東三河広域連合が、そのチョウザメで攻めた観光ポスターを作成し、SNS上で話題になっている。

それがこちらだ。

「チョウザメが、村の人口を超えましたので、食べに来てください」
観たことない。食べたことない。行ったことない。だから、ホントの旅になる。


笑顔でチョウザメを抱きかかえた男性がこちらを見ながら、村への観光を呼び掛けているが、実にインパクトがあるポスターだ。SNS上でもこのインパクトに引き寄せられた声が多く寄せられていた。

・良い笑顔すぎんよ。こういうカオスな広告好きすぎる
・チョウザメって食べられるのか。はは、知らなかった
・ヒェーッ、マジですか!? 美味しいのかな、食べてみたいな


愛知県で一番人口の少ない自治体である、豊根村の人口は平成30年11月30日現在、男性540人・女性582人の計1,122人で、510世帯が暮らしている。名古屋から車で2時間半、長野県と静岡県の県境に接しているこの村に、ポスター通りなら1,122匹以上のチョウザメがいることになる。

この村にそれだけのチョウザメがいることも驚きだが、「食べに来てください」ということはキャビアも含まれているのだろうか。

チョウザメ料理の数々

さっそく豊根村のホームページを見てみると、村の面積のうち93%が森林に覆われており、都市部の水源地として清らかな水資源が豊富にあり、そうした源流の天然水にこだわったチョウザメの養殖に取り組んでいるとのこと。
また、チョウザメが王侯貴族の食べ物であった由来から、「ロイヤルフィッシュ」(登録商標)と名付け、現在、以下の4店舗でチョウザメ料理を提供しているそうだ。チョウザメを食べたことのない人も多いと思うので、どんな料理か見てみる。

「旅館 清水館」
ロイヤルフィッシュおまかせコース(1人:税込4,000円)※8名~要予約
宿泊でのご利用や、お昼・夜の会食などで提供。

「旅館 清水館」ロイヤルフィッシュおまかせコース

「レストランみどり」
昼:ロイヤルフィッシュかつ丼 1,200円(税込)※10食限定
夜:ロイヤルフィッシュフルコース 時価 ※2日前までに要予約

ロイヤルフィッシュかつ丼

「湯~らんどパルとよね」
ロイヤルフィッシュ寿司 1,800円(税込)※数量限定

ロイヤルフィッシュ寿司

「道の駅 グリーンポート宮嶋」
ロイヤルフィッシュのごはん 1,200円(税込)※数量限定・5人以上は2日前までに要予約
(チョウザメと白身魚の甘酢あんかけ・チョウザメ肉団子トマトスープ)

ロイヤルフィッシュのごはん

刺身やかつなど料理法はさまざまで、どんな味かも気になるが、そもそもなぜこんな自虐的ともいえるポスターを作ったのだろうか。
話題のポスターを作成した、東三河広域連合 総務課の小田さんと豊根村 地域振興課の青山課長にお話を聞いてみた。

「村の人口の4倍ほど養殖してます」

観光ポスター 左:三河大島 右:東栄町

ーーポスターの制作経緯・反響は?

「観たことない。食べたことない。行ったことない。」をテーマに、地域として一体感のあるビジュアルを目指しました。ポスター自体は、お問い合わせ頂いたもの含め、全9種あります。チョウザメではないですが、特に蒲郡市の三河大島・東栄町のファンデーション作りは問合せが増えました。チョウザメポスターへ頂いたご意見は以下の通りです。

・人口より多いと聞いてびっくりした
・人口少ないことを売りにしていて笑えた
・過疎をPRに変えているところが面白い

ーーいつからチョウザメを養殖している?

養殖を始めたのは平成24年からです。現在、10人の村人で養殖作業にあたっております。


ーーチョウザメ養殖のきっかけは?

実際にチョウザメ養殖を始めようと発案したのは、ポスターにものっている熊谷仁志さんです。「他と一味違う地域産業を」ということと、村の面積の9割が森林に覆われており、都市部の水源地として清らかな水資源が豊富にあるため、源流の天然水にこだわったチョウザメが養殖できると思ったためです。


ーーチョウザメの養殖数と村の人口の推移は?

平成24年に養殖を始めた頃は、1,000匹からでした。その後、毎年500匹程度増え続けておりまして、現在は約4,000匹ほどが養殖されています。豊根村の人口は2010年に1,336人で、チョウザメ養殖当初は人口の方が多かったですが、年々人口は減っておりまして、2015年には1,207人、現在はチョウザメの4分の1程度の1,122人です。

チョウザメはどんな味?キャビアは?

ーー4店舗でチョウザメが食べられるとのことだが、村の人は日常的にチョウザメを食べている?スーパーなどでも買える?

残念ながらスーパー等では売っておりません。なので、日常的に食べられているわけではありませんが、各施設で人気メニューにはなっています。旅館に関しましては、基本的には宿泊客のみへの提供となっておりますが、泊まらずに食べたい方は電話にて要相談でお願いします。予約をして頂くと、確実に召し上がれます。

ーーチョウザメはどんな味?

魚の王様である鯛、それに高級魚であるフグのいいところを合わせ持っています。脂ものってもっちりしていて淡泊。はじめて出会う食感だと思います。なお、チョウザメは見た目がサメに似ているだけで、実際には硬骨魚類に属し、サメではないのでアンモニア臭はありません。しかも、コラーゲンやコンドロイチン硫酸・高度不飽和脂肪酸が豊富です。水も空気も澄んだ豊根村で、村人が手塩にかけて育てたロイヤルフィッシュを、ぜひご賞味ください。


ーーチョウザメを釣れる施設などはある?釣り上げは危険?

釣り施設は用意しておりません。危険ではないと思いますが、やっておりませんので不明です。

キャビア

ーーチョウザメといえば、高級品「キャビア」は食べられる?

キャビア生産には、約10年間が必要とされています。現段階ではありますが、2020年の生産開始を目標にしておりますので、今しばらくお待ちくださいませ。



キャビアは2020年に生産開始予定とのことで残念ながら現在は食べられないが、鯛とフグのいいところを合わせ持つというチョウザメに興味がある人は、豊根村には温泉や愛知県唯一のスキー場「茶臼山高原スキー場」もあるので、ぜひ一度訪れてみてはいかがだろうか。