「都市力」何を評価? “ランク外”都市の課題

カテゴリ:国内

東京の研究機関が、それぞれの都市が持つ特性を明らかにする初の調査「日本の都市特性評価2018」を発表。

元総務相で、前岩手県知事・増田寛也氏に聞きました。

増田寛也氏:

(今回の調査は、なぜ行われた?)この研究機関というか、運営財団は、東京・ニューヨーク・パリ・ロンドンなどとの比較を10年ぐらいずっとやってるんですよね。

世界との都市間競争をどうしていくのか。

ただ国内については、それぞれの都市の実力を判断するようなものが今までなくて、それをきちんと指標化してみようと、今の冷静な実力を測ってみようということだと思います。

毎年、これからやっていかれると聞いています。

倉田大誠キャスター:

あらためて、今回のランキングを含め、各自治体がどのようにして最大限に魅力を発信していくのか、今後の大きな課題となってきそうです。

今回は、6つの項目の総合トップが、京都市でした。

2位が福岡市、3位が大阪市。

いずれも大きな都市ですが、どういうところが秀でていたのか。

くわしく項目別で見ていきます。

ちなみに私、長野市出身。

長野は17位と、半分くらいのところですね。

では、京都は何が優れているのか。

やはり文化という部分、これは長い歴史があって、建物もあって、譲れないところが大きく秀でていた。

「一芸型」ともいえると思います。

また、2番手の福岡市、総合的に高いんですよね。

交通、経済、研究、文化。

こういったところは、「バランス型」という都市。

なかなか、すぐ変えられない部分もあるということで、上位というのは、これからも変わらなさそうですか。

増田寛也氏:

おそらく10番目までは政令市か、9番目に、つくばが入っていますが、そこは国策で作った都市ですから、10番目ぐらいまでは、ほとんど変わらないんじゃないでしょうか。

反町理キャスター:

今回の調査対象となった72の主要都市。

その中で、ランキング外のところ、主要都市といわれる中でもランクが低かった都市は、どうしたら上がっていけるのか。

そこは、どういうふうに見ている?

増田寛也氏:

実は、そこの差が相当広い、格差が大きいのがビックリしたんですが。

この調査は、要素を6つに、レーダーチャートを見ましても、経済、交通、環境、生活・居住等々でやっているんですが、その中で、トップと30位と一番差が大きいのは、研究・開発ですね。

全部の都市ほとんどが、大学が地元にあるんですよ。

大学というのは、若い人たちの拠点ですよね。

今、18歳人口が少なくなってきて、大学消滅の危機がいわれていると。

もし、その研究・開発機能がなくなったら大変なことですし、それをうまく生かしていくと、ぐっと順位を上げる可能性もある。

ですから、順位を上げるためには、地元にある大学、若い人たちがいっぱいいますから。

そして企業、産業界ですね、そして行政が、本気で一体となって、そこの大学から出た大学生が、地元の企業に就職してその街を支えるというサイクルを本当に作ると、もっと上がってくると思います。

倉田大誠キャスター:

総合14位、豊田市ですが、その研究というところだけは、全体の53位。

あとは、経済、交通、環境、生活・居住、比較的高いので、まさに研究を伸ばせば、豊田もぐっと上がると。

増田寛也氏:

上がると思います。

地元に愛知工業大学と中京大学があるんです。ここは、ご承知の通り、企業がいますので、全国の中で圧倒的に自治体財政が強い。

ほかでは、まねできないぐらいですので、その地元の大学の研究機能をうまく生かして、そこをぐっと上げると、ベスト10に入る可能性もあると思います。

島田彩夏キャスター:

わたしは同じ愛知県でも、豊田じゃなくて、豊橋出身なんですよ。

豊橋も、まあまあ頑張ってると思うんですけど、今回の72都市に全く入っていなかったんですが、こういう街はどうしたらいいんでしょうか。

増田寛也氏:

すぐに豊橋がどうかというと、特色が感じられないんですけどもね。

ただ、あそこは、豊橋技術科学大学という、大変優れた大学があるので、その力を生かして、むしろ愛知で見るよりも、すぐ隣が浜松ですから、そこと県境を越えて連携を考えるのが、1つの生き方じゃないですかね。

倉田大誠キャスター:

増田さんに、手書きでフリップを書いていただきました。

まさにその部分が、こういったことですね。

増田寛也氏:

「自治体の連携」。

いわば72都市というのは、はっきりというと、やや勝ち組的な都市なんですよね。

そこに入らないほかの自治体というのが、1,600から1,700あるんですよ。

そういうところをどうしていくかというと、1つの自治体でフルセットを考えると、なかなか、もうこれから難しいですから、自治体間の連携を進めていくというのが、1つのやり方だと思いますね。

反町理キャスター:

それは、例えば本当に事実上破たんしているような、財政が困難な自治体もいっぱいあるわけじゃないですか。

1,600番台以降のところは、自治体間の連携といっても、“負け組”同士で連携できるのか。そこから先に何が見えるのか。

もうちょっと厳しい人たちは、どうしたらいいんですか?

増田寛也氏:

実は、夕張をご覧になっておわかりの通り、本当に危機感が強まると、単独の自治体でもいろんなことをやるわけですよね。

ですから、きちんと危機感を住民で共有する。

それからあとは、どうしても、そういう自治体同士でも役割分担をして、自分のところは病院機能をしっかり維持する、だけど学校はこちらの方でやるという、それを連携の1つのキーワードにする。

これは、実はわたしも首長をやっていましたが、首長が一番苦手なところなんですが、どうしても住民は、フルセットを期待するんですが。

わたしは、自治体間連携、すなわち役割分担をきちんと意識するのが、そこを突き抜けるやり方じゃないかと。

反町理キャスター:

それは、統合ではなくて、連携の方がいいんですか。

今の既存の自治体を残したままの連携という意味ですよね。

増田寛也氏:

平成の大合併を経験しましたので、それに対してのアレルギーとかが非常に大きいですから、むしろ、そういうことで政治コストを使うのではなくて、役割分担をきちんと前向きに考えていくことが大事だと思います。