廃業寸前の老舗が大ヒットインテリア

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「αism」。

創業160年、しかし廃業寸前。

老舗の後継ぎが放った逆転の一打とは。

落ち着いた雰囲気のおしゃれな照明。

実はこの照明、開閉式だが、開き方がどこかで見覚えあるような。

創業160年、江戸時代から続く、老舗和傘店「日吉屋」。

現在、京都で和傘を製造する唯一のお店だが、今から18年ほど前には、廃業の危機を迎えていた。

日吉屋 5代目・西堀 耕太郎代表取締役は、「ここは結婚した妻の実家が家業でやっていたものですから、その当時は、和傘といっても使う人がほとんどいない状態になっていましたので、商売的には全く成り立たないので、廃業・やめるんだと、妻に対しても継がなくていいと」と話した。

もともと和歌山県内の市役所で、公務員として働いていた西堀さん。

奥様の実家であるお店に遊びに来た際、和傘の美しさに感動。

和傘職人になるため修業を積み、周囲の反対を押し切って、後を継いだ。

西堀さんは、「冷静に考えれば、非常に安定した公務員をやっているところから、その当時の売り上げ年商100万円台しかなかったから、全然やっていけない」と話した。

和傘は、着物があってのもの。

着物を着る文化が激減した今、和傘の需要が現在よりも増えることはないと、西堀さんは考えた。

そこで...。

西堀さんは、「今の時代に合った傘って何なのか考えて、われわれのすごさっていうのは、竹と和紙を使った開閉構造であったり、単純に見た目がきれいだとか、特徴があるということなので、それを生かした違うものにできないかなと、作っている工程とか材料とかほとんど同じ。ただ、用途を変えただけなんです」と話した。

それが、現在のインテリアにも溶け込む、おしゃれなライト。

だが、和傘の特徴である、竹を糸でつなぐ開閉構造をライトに応用。

和紙が透かす柔らかい光が、部屋を優しく照らす。

西堀さんは、「僕はよそから来たので、養子ですから、客観的に和傘がいいとか悪いとか、きれいとか思いましたけど、その家で生まれてしまうと、それが当たり前なんで、特に自分たちがやっていることが、いいとか悪いとか客観視できない、当たり前すぎて。だから、その良さに気付いてなかったりとか、良さを勘違いしてたり、外から見たらある」と話した。

伝統的な和傘の良さを生かしたライトは、大ヒット。

年商180万円程だったのが、今では、なんと3億円程にまで激増したと言う。

西堀さんは、「伝統ってすごく尊いことで、すばらしい、文化とか。ですけど、結局お客さまにニーズのある商品やサービスを提供して、対価をいただくということ。必要あれば、変えるところは変えないといけないし、残したほうがいいところは当然残すべきですけど、時代に合った変化を繰り返すことができれば、存続できると思う」と話した。

現在、中学生の娘さんの将来の夢は、この和傘店を継ぐことだそう。

伝統を残しつつも、現代のニーズに合わせた変化が、老舗和傘店を廃業の危機から救い、今後につなげていくこととなった。