日曜安全保障 “複雑怪奇”中国めぐる思惑

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日本を取り巻く安全保障問題を、わかりやすく深堀りしていく、「日曜安全保障」。

16日のテーマは、「“複雑怪奇”中国めぐる思惑」。

能勢伸之解説委員の解説です。

生野陽子キャスター「今回は、日本周辺の国際社会の動きを、中国中心に見ていきます。最近、習近平国家主席とプーチン大統領は急接近してますよね」

能勢伸之解説委員「それを象徴するかのような映像が入ってきたんです」

生野キャスター「2人仲良く、エプロン姿でパンケーキを焼いている」

能勢解説委員「しかも、トッピングにキャビア、ウニ、そして、イクラと豪勢だったんです。今週、ロシア極東のウラジオストクで、ロシア政府主催の国際会議『東方経済フォーラム』が開かれたのに合わせて行われた首脳会談での一幕だったんです」

生野キャスター「安倍首相とプーチン大統領は会談だけでしたから、だいぶ蜜月という印象ですね」

能勢解説委員「今回の東方経済フォーラムでは、プーチン大統領の招待を受けて、習主席は初めて参加したんだそうです。さらに中国は、この会談や会議と同時期に始まった、ロシア軍が4年に一度開く『ボストーク演習』にも初参加したんです」

生野キャスター「ますます蜜月ですよね。どういった規模の演習でしょうか」

能勢解説委員「ロシア極東中心に開かれた演習だったんですけど、ロシア軍30万人、軍用車両3万6,000両、航空機1,000機以上、さらに艦艇は、およそ80隻参加したといわれています。こちらは、中国軍の指揮所なんですが、パソコンがずらりと並んでいます。ロシア側と、どのような連絡態勢になっているか。そして、ロシアとデータリンクできるのかどうか、将来緊密な共同作戦ができるかどうかということになりかねないわけです。また、中国は、戦略爆撃に力を入れていて、2025年ごろにはデビューさせたい。今回、ロシアは、この演習に戦略爆撃機の「Tu-95MSベア」を参加させていて、中国にとっていい学習機会だったかもしれません」

生野キャスター「アメリカと貿易戦争状態にあるといわれる中国は、ロシアとますますべったりになるんでしょうか」

能勢解説委員「そうかもしれませんが、そうでないかもしれません。中国は、ボストーク演習に参加しつつ、その一方で、アメリカや西側との関係を考慮したのか、オーストラリアが中心の海軍の共同演習『カカドゥ』にも参加していたんですね。このカカドゥ演習には、日本・アメリカ・インドなど27カ国が参加してるんですが、その中で、中国海軍は、オーストラリアの先住民・アボリジニアの歓迎を受けて、獅子舞を披露していたという一幕があったんですね」

生野キャスター「中国にとってオーストラリアは、南シナ海問題でもめている相手ですよね」

能勢解説委員「もしかすると、オーストラリアは、中国がアメリカにあまりに追い詰められるのは得策ではないから、抜け道を作ろうという考えかもしれません。国際社会の関係は突然変わってしまう複雑怪奇なものなんです。日本周辺の状況も、北朝鮮問題を含めて、ますます目が離せないことになるかもしれませんね」