「死ぬときくらい自由に選ばせて」安楽死宣言をした脚本家・橋田壽賀子の真意

  • 「生まれるのは自由じゃないけど、死ぬときくらい自由に選ばせてほしい」
  • 安楽死が認められないなら、と在宅医に自然死について相談している
  • 「死ぬってことは眠りの安らかさがずっと続く」橋田さんの独特な死生観

世間に衝撃を与えた「安楽死宣言」。

宣言をしたのは、大河ドラマや朝ドラなど数々の名作を世に送り出してきた、脚本家・橋田壽賀子さん。93歳になった今も現役で活躍している。

12月13日放送の「直撃!シンソウ坂上」(フジテレビ系列)では、番組MCの坂上忍が子役時代にお世話になった大先輩と40年ぶりの対面を果たした。恩人である橋田さんにどうしても聞きたかったある真相を直撃した。

「死ぬときくらい自由に選ばせて」

2016年、雑誌『文藝春秋』で、橋田さんは「私は安楽死で逝きたい。日本は安楽死を認める法律を整備すべき」と現在、日本では認められていない安楽死に踏み込んだ発言をした。

多くの賛同を得た一方で、「自殺ほう助になりかねない」「家族の複雑な感情を考えるべき」など、さまざまな議論を呼んだ。

坂上も記事を読み、「なぜ、あのタイミングで発せられたのか」と気になっていたという。

「年を取ったからです。年を取らない方には分からない。自分の皮膚が衰えていって、お腹がたるんできて…。いつ死ぬのか分からないって時に、もし脳梗塞でひっくり返った、認知症になった、そうなったときにために『死なせてください』と生前書いておく。元気なうちに。生まれるのは自由じゃないけど、死ぬときくらい自由に選ばせてほしいなって思うんです」

さらに、安楽死が認められないなら在宅医に自然死について相談しているという。橋田さんはそこまで自分の“死に方”について考えていた。

「もう、今すぐにでも死にたいということですか?」と坂上が問いかけると「何も欲ないです。『明日、安楽死しましょうか』と聞かれたら『はい、ありがとうございます』と言います。もう、することが何もない。でも、来年はちょっとお船のお金(船での旅行)を払ってしまったから行きたいなと思っています」

橋田さんには今、豪華客船での船旅という唯一の趣味がある。来年もすでに予約している船旅があるため、「生きなきゃね」とお茶目に笑った。

「あの世に期待しない」

さらに、橋田さんの独特な死生観はこれだけではない。「あの世に期待しない」とは一体、どういうことなのか?

橋田さんの著書『恨みっこなしの老後』の中でも触れられている死生観。「先生はあの世をどう考えていますか?」と坂上が聞くと「全然、考えていません」と返ってきた。

「眠ったら、そのまま眠ったままだと思っています。あの世を全然想像しない。誰に会いたいとも思わないし、待ってくれているとか思わないし、そんなの全然思いません。死んだらそれでおしまい。もう白紙」

坂上が「旦那さんが待ってくれているかもしれないじゃないですか」と話しても、橋田さんは「待ってませんよ、そんな世の中じゃないもん!」と自身の考えを曲げなかった。

また、「生まれ変わったら…ってこともないんですか?」と坂上が聞くと「生まれ変わりなんて、考えたことがない。もうこれでたくさん。もう一遍、人間の世界なんかとんでもないよ!AIとかITとか、もっと進んでいると思うし、こんな世の中に生まれ変わってきたら私は何もできない」と明かした。

安楽死宣言をする橋田さんに、「死ぬことは怖くないのか?」と坂上さんが問いかけると、「全然怖くないです。もう本当に、眠っていると楽だもん。眠ったら何もしないでしょ、あれが長く続くから幸せなのよ。死ぬってことは眠りの安らかさがずっと続くんだと思うんです。やっと、その世界が続くところへ行けるんだと思っています」と独特な考えを示した。

さらに「老い」について聞くと「老いていくと諦めが出てくるのよ。そうなると、一番いいんだけど、そうならなきゃいけないの。誰かにすがろうと思っちゃいけない。もう自分は全部、することはしたんだから、誰も恨まないで、誰かにしてもらおうとも思わないで、することはしたんだからもういいのよって。その代わり、私は一人でしたいことをさせてもらって、恨みっこなしで死ぬわ。それでいいと思いますよ」とほほ笑んだ。

「直撃!シンソウ坂上」毎週木曜 夜9:00~9:54

(『渡鬼』誕生の裏に夫の莫大な遺産!? 橋田壽賀子が人気脚本家になるまで)

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