女性活躍の裏に潜む“賃金格差”のジレンマ

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  • なぜ「専業主婦」は“罪悪感”を感じなければならないのか?
  • 家事は立派な“仕事”と思われない日本の現状
  • 日本のパートタイム労働者の賃金は諸外国に比べて低い

専業主婦“罪悪感”の実態

女性の就労が増え、共働き世帯も増加するなど「女性活躍」が浸透しつつある。政府・企業も関連施策を進める中、仕事を離れた女性、仕事をしていない女性は状況をどう受け止めているのだろうか?主婦に特化した調査機関「しゅふJOB総研」が「専業主婦の罪悪感」と題して行った調査からは“女性活躍のジレンマ”が浮かび上がる。(アンケートはインターネットで2018年5月23日~6月4日まで実施、専業主婦や主夫を経験したことがある815人から有効回答。)

調査によると、「専業主婦・主夫であることに、後ろめたさや罪悪感のようなものを覚えたことがあるか」について、「ある」「少しはある」と回答した人が、有効回答の半数以上にのぼった(56.6%)。
このうち子供がいない人では「ある・少しはある」と回答した人が7割近くに上った。また、年齢別だと30代以下で「ある・少しはある」と回答した人が7割を超えている。「しゅふJOB総研」の川上所長は「こどもがいるかいないかで罪悪感の有無に違いがあり、年齢が低いほど罪悪感を持ちやすい」と指摘する。

「罪悪感を覚えたことがある」という人は「周りのお母さんが働いているのを見たり知ったりしたときに後ろめたさを感じた。(50代・子供あり)」、「子供がいないので、家事をしているだけになる。学歴職歴もあって健康なのに何も生産していない、夫の収入を自分のことに使うのが本当に罪悪感だった。(50代・子供なし)」などの理由を挙げる。一方で「家事も仕事なので罪悪感は無い(30代)」という声も聞かれた。

“賃金格差”というもう一つのジレンマ

女性活躍をめぐっては“賃金格差のジレンマ”という課題もある。独立行政法人 労働政策研究・研修機構の「データブック国際労働比較2018」によると、パートタイム労働者の賃金水準はフルタイムを100とした場合、イギリス、ドイツやフランス、オランダなどでは、2014年の時点で70を超えている。しかし日本では年々、上昇しているものの2017年時点でいまだ59.4にとどまっている。諸外国に比べ、日本のパートタイムで働く労働者の賃金は相対的に低いといえる。

過去に仕事に就き、その後パートに従事する女性が、現役時代の経験に見合った報酬を得るためには、パート賃金の格差解消も課題となりそうだ。

 女性活躍をめぐる今後の課題について「しゅふJOB総研」の川上所長は,以下の3点を指摘する
1:女性がブランク期間に磨く能力が評価されないこと
2:女性の家事負担が減らなければ働けば働くほど大変になること
3:育児をしながらできる仕事がまだまだ少ないこと

「女性活躍」に向けた環境整備がより一層求められている。

【執筆:フジテレビ 経済部デスク 西村昌樹】

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