今後30年以内の南海トラフ地震の発生確率は80%!最も危険視されている「半割れ」とは

  • マグニチュード8クラスで最悪の場合、死者が32万人以上に達する可能性
  • 「半割れ」の場合、被害が出ていない地域でも“1週間の避難”
  • 南海トラフ地震発生後、30分で30cm以上の津波予想地域は1都13県139市町村

南海トラフ地震の想定震源域

地球深部探査船「ちきゅう」

FNNが独占取材を許された、全長210mの地球深部探査船「ちきゅう」
海底面から約7000mまで掘り進み、南海トラフ地震の発生メカニズムを解明しようと、震源域の調査を行っている。

今後30年以内に70~80%の確率で発生し、最悪の場合、死者が32万以上に達するとされている南海トラフ巨大地震。国の検討会は11日、中央防災会議で南海トラフ地震対策の報告書案を提示した。

報告書案では大地震につながる可能性がある異常現象について、「半割れ」・「一部割れ」・「ゆっくりすべり」の3ケースに整理した。その中でも最も危険視されているのが「半割れ」で、震源域の東西のいずれかで、マグニチュード8クラスの地震を観測するケースだ。

「半割れ」が起きた場合、残る反対側地域でも、新たな巨大地震が誘発される可能性があると指摘されており、そのため被害が出ていない地域でも、新たな地震発生から30分以内に30cm以上の津波が予想される沿岸部の住民は、1週間ほど避難すべきとしている。

この地域で起きた、過去2回の「半割れ」では、いずれも東側で最初の地震が発生し、1854年のケースでは32時間後。1944年のケースでは2年後に、西側で同規模の地震が発生している。

一方、マグニチュード7クラスの「一部割れ」や、プレートの境界面の断層がずれ動く「ゆっくりすべり」についてのケースは、一斉避難を呼びかけることはせずに“日頃の備えの確認を”住民に促している。

避難指示が無意味になる可能性、自治体も懸念

気象庁は去年11月から“地震は予知できないもの”として、異常現象の発生後に「南海トラフ地震に関連する臨時情報を発表する」という方針に転換した。

しかし、臨時情報が出された後に、どのような対策をとるかは決まっておらず、政府は今年度中にも最終報告書をもとにガイドラインを作成。それをもとに来年以降、自治体が防災計画の策定をはじめるという。

しかし、もう一方への地域の避難指示は“空振り”となる可能性があるうえ、1週間後の避難解除が“安全宣言”ととられる懸念などもあり、沿岸部の自治体は困惑している。


和歌山県串本町総務課の枠谷徳彦 防災・防犯グループ長:
平日の昼間だと、皆さんお仕事されたり、そういう状況で発表された時に、どういう対応をするかというのは、今後考えていく課題になってきます。

愛知県田原市役所防災対策課の三竹雅雄課長:
(実際に)揺れていないのに皆さん、避難行動をとっていただけるかどうかっていうことがありますね。

報告書でまとまった3パターンとは

被害を最小限に食い止めるため、住民への周知徹底を含めた対策が急がれるが、南海トラフ地震の対策としてどういうものが具体的にまとまったのだろうか。

フジテレビ社会部 気象庁担当 長坂哲夫:
8ヶ月に及んで検討会が行われた結果、まとまったんですが、まず大前提として地震は突然起こるものということです。ですから南海トラフでも全域が一気に割れちゃう可能性もあるんですが、どこかで異常な現象を捉えたとして、それがまさに全域が割れる前兆のような現象の場合、事前に準備をしようと、3つのパターンに分けた防災対応の方向性が示されました。

マグニチュード8クラスの半割れなら、震源地ではない東あるいは西側が“1週間の一斉避難”、マグニチュード7クラスの一部割れなら“自主避難”、地震は起きていないけれども異常な現象を確認したゆっくりすべりは、今後地震が起こる可能性があるため“備えの再確認”という3つの方向性です。

――半割れの場合の、避難期間である1週間の根拠は?

マグニチュード8クラスの地震が世界的に起きた場合、世界の統計的にはその隣の領域で同じようなクラスの地震が起こる可能性は、3日間は非常に高いです。それから、1週間ぐらいはかなり高いです。それを過ぎると、徐々に可能性が低くなっていくということで、1週間と言う数字が今回出たのだと思います。

 また、南海トラフ地震は津波の被害が懸念されているため、地震が起きて津波発生までに、30分で30cm以上が予想されている地域は1都13県139市町村あり、図の中で蒼に塗りつぶされている地域だという。


(「プライムニュース イブニング」12月11日放送分より)

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