紀平梨花選手GPファイナル初出場でV! その驚きの“調整力”とは?

カテゴリ:国内

  • フィギュアスケート・グランプリファイナルに初出場した紀平梨花選手が優勝
  • ザギトワ選手が記録した今季世界最高得点を大幅に更新
  • 演技中の驚異の「調整力」に注目

今季世界最高点を更新!初出場でV

8日、フィギュアスケート女子の紀平梨花選手(16)がバンクーバーで行われたグランプリファイナルに初出場し、平昌オリンピック金メダリストのアリーナ・ザギトワ選手(16)を破り、見事初出場での優勝を飾った。

先週金曜日に行われたショートプログラムで課題にしていた冒頭のトリプルアクセルを見事に成功させた紀平選手は、ザギトワ選手が先月に記録した今季世界最高得点を大幅に更新する82.51点を記録し、首位に。

 8日に行われたフリーでは冒頭のトリプルアクセルに失敗するものの、その後の演技で驚きの“調整力”を見せ、見事優勝を果たしたのだ。

三田友梨佳アナウンサー:
シニアデビューでのグランプリファイナル優勝というのは、浅田真央さん以来13年ぶりの快挙です! 優勝という事実だけでもすごいのですが、驚くべきなのが、その試合内容。2位は平昌オリンピック金メダリストのザギトワ選手ですが、2人の得点差は6.5ポイントでした。およそ7ポイントの差というのは、フィギュアではとても大きな得点差ですよね。

佐野稔氏(フィギュアスケート評論家):
オリンピックチャンピオンと優勝を争い、7点も上回るというのがいかに大変なことか。それだけのことを紀平さんがやり遂げたということですね。
 
安藤優子:
相手はゴールドメダリストですもんね。

佐野氏:
それも、今年の2月ですからね。10カ月しか経っていないのに、もう新しいすごい選手が出てきたわけですから、女子フィギュア界も移り変わりが激しいなと感じます。

三田:
さて、紀平選手“勝利のポイント”ですが、まず紹介するのは、その技術点の高さと、演技構成点にあります。

“急成長”の理由は…

<ショートプログラムでの得点>

紀平梨花選手 82.51 

・技術点:47.36 
・演技構成点:35.15


アリーナ・ザギトワ選手 77.93 

・技術点:42.10
・演技構成点:35.83


<フリープログラムでの得点>

紀平梨花選手 150.61

・技術点:78.21
・演技構成点:72.40


アリーナ・ザギトワ選手 148.60 

・技術点:75.90
・演技構成点:72.20



三田:
トリプルアクセルを飛ぶ紀平選手の方が基礎点も高いんですが、今回はGEO(出来栄え点)の部分で加点の嵐だったんです。技術点はショートもフリーもザギトワ選手を上回っているという評価でした。
演技構成点はザギトワ選手が上回っているんですが、紀平選手も食らいついていますよね。今シーズン、これまでの演技構成点を見てください。

<演技構成点 過去の点数>

紀平梨花選手:NHK杯のショートプログラム32.19、フリープログラム67.55

アリーナ・ザギトワ選手:ヘルシンキ大会のショートプログラム35.77、フリープログラム72.11



三田:
実はこれまで紀平選手の演技構成点はフリーだと60点台で、ザギトワ選手とは大きな差があったんです。しかし今回は0.3ポイント差にくらいついています。この進化を佐野さんはどう見ていますか?

佐野氏:
この演技構成点を上げていくっていうのは、とても難しいものなんです。
私は、紀平選手がNHK杯でデビューしたあと、フランス大会で連勝したことが一番のポイントじゃないかと思います。鮮烈なデビューでしたから、ものすごい注目の中でフランス大会が始まったと思うんです。マスコミの数も多くなりますし、また勝つのかな?と期待もされる。そういう中で優勝をした。さらに、実はトリプルアクセルをしっかり飛べていなくて、出来はそんなに良くなかったんです。それでもトリプルアクセル以外の部分も圧倒的に強くて、優勝できた。(トリプル)アクセルがなくても勝てるんだっていうのは、大きな自信になったと思います。

絶賛の“調整力”に見る攻めの姿勢

自信をつけ、演技構成点を大きく伸ばした紀平選手。さらに驚くのが素晴らしい“調整力”だ。

三田:
フィギュア選手は、演技中のジャンプに失敗したら、次はどう飛ぼうか頭の中で考えながら飛ぶことになります。今回の場合は…

・序盤の3アクセル+3トゥループに失敗し、3アクセルに

・その後の3アクセル→3アクセル+2トゥループに変更・

さらに3ルッツ+2トゥループ→3ルッツ+3トゥループに変更


 
三田:
紀平選手は失敗してもあわてず、演技中にプランを変更しました。しかも失敗をただ補うだけではなく攻めの調整を見せているんです。そういったところにシニア1年目には見えないハートの強さを感じます。

安藤:
本当にそう思います。これらの調整は、瞬間的に紀平さん自身が判断してやっているんですよね?
 
佐野:
そうです。3回転ジャンプは、同じ種類のジャンプを単独で2つやってはいけないというルールがあって。2つやってもいいんですけど、そうした場合、点数が70%しかもらえず、損してしまう。最初に失敗してトリプルアクセルになりましたから、次のトリプルアクセルは絶対にコンビネーションにしなくてはいけないんです。
そこで急遽コンビネーションにしたんですが、そこで2回転トゥループを使いました。その後の3回転ルッツ+2回転トゥループを3回転ルッツ+3回転トゥループに変更していますよね。実はその後(予定プログラム上)にもう一つ2回転トゥループが入っていて…ダブルは同じ種類のジャンプを3回やってはいけないんです。


紀平選手は、その後に控えている2回転トゥループを考えて、演技中に2つのジャンプを変更したというのだ。

安藤:
ものすごく頭いいですね!

高橋:
滑走中に計算したわけですか?

佐野氏:
そうです。もちろん練習の中で、こういう風になった場合はこうしなければと考えているんですが、初めてのファイナルで、ものすごく緊張している中で練習通りのことができただけでも大したもの。さらに今回の場合は調整がとても入り組んだわけですから、それをやり切ったという所に紀平さんのすごさがありますよね。


臨機応変な“調整力”を見せた紀平選手。12月21日から始まる全日本フィギュアスケート選手権にも出場予定ということで、再び注目されそうだ。


(「直撃LIVE グッディ!」12月10日放送分より)

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