改正水道法成立でビジネスチャンス!? 浜松市で先行する下水道“民営化”から見えたこと

  • 静岡・浜松市では下水道分野ですでに民間企業が参入
  • 浜松市は下水道民営化で約87億円のコスト削減を目標
  • 水道管の老朽化が進み 災害時に水道が使えないリスクも

改正水道法が可決・成立

12月6日与党など賛成多数で成立した改正水道法。

今回の法改正では、水道事業を市町村から都道府県単位に集約する、広域連携化とともに、自治体が水道施設を所有したまま、管理と運営を民間企業に委ねる、官民連携コンセッション方式が認められた。

官民連携コンセッション方式

実は水道事業の中でも、上水道ではなく、下水道分野では、すでにコンセッション方式が導入され、民間企業が参入している

下水道分野では、すでに民間企業が参入

静岡・浜松市の西遠浄化センター。
静岡県では、最大の浄化施設で、東京ドーム6個分の敷地内では、1日で15万トン、学校のプールおよそ300杯分の汚水が処理されている。

4月、浜松市から主にこの施設の管理運営を任されたのが、いわゆる「水メジャー」と呼ばれる、フランスのヴェオリアを含む民間企業6社が設立した新会社浜松ウォーターシンフォニー」。

静岡・浜松市の西遠浄化センター

浜松ウォーターシンフォニーの佐藤丈弘氏は、
「こちらが下水処理の肝となる、エアレーションタンクとなります。こちらの水槽の中に、微生物が無数におりまして、空気を与えて活性化させ、下水の中の汚れを処理しています」と話す。

この新会社は、運営権として、25億円を浜松市に支払い、今後20年間、市民が納める下水道料金の一部を収入にしながら、処理業務を運営し、公営ではできなかったコスト削減を進めるとしている。

浜松ウォーターシンフォニーの佐藤氏は、
下水を処理するための消毒剤や汚泥を脱水するための薬剤などを少しでも安く調達できるように見積もりを取り、コストダウンを図っている」と話す。

このほかにも、設備や機械の修理をメーカーに頼まず、自前で行ったり、電力や消耗品の契約を見直すなどして、徹底したコストダウンを進めていくという。

浜松ウォーターシンフォニーの佐藤丈弘氏

20年で約87億円のコスト削減

下水道の民営化を決めた、浜松市上下水道部の内山幸久参与は、その理由について、
限られた人的資源の中で、どのような運営体制を築き、どのような手法で維持管理を効率化していくのか、2つの課題に対応するために運営委託方法が有効である」と話す。

さらに今回の民営化によって、浜松市は、20年で従来の事業費の14%にあたる、約87億円のコスト削減が望めると試算している。

内山参与は「経費削減と同時に、これまでと同じ水準で事業の運営が期待できる。民間事業者のノウハウを活用して、それ以上の取り組みができる」としている。

浜松市は、上水道でもコンセッション方式の導入を前向きに検討していくという。

民営化した事業体の約1割が再公営化

こうした中、民営化した水道事業体は世界で約3,000あるが、このうちパリ、ベルリン、アトランタなど235事業体は再び公営化している。

これらには共通した理由があり、まずは水道料金の高騰。例えばパリでは89%も上昇している。
また、人員削減による劣悪なサービス、さらに不透明な財務などの問題がある。

水道管の老朽化率

コンセッション方式をうまく使ってビジネスチャンスに

NewsPicks最高コンテンツ責任者の佐々木紀彦氏は、
「条例で定めた範囲でしか価格設定をできないとか、民間事業者の事業を国がちゃんと審査するなどの仕組みは入っているので、海外の例に学びながら同じようなことにならないように運営するのは可能だと思う」と話す。

その上で、「水道管の老朽化率を見ると、耐用年数を超えた水道管は年々増加し、2015年時点で13.6%に上る。一方で、水道管の更新率は年々下がっていて、このまま地方自治体がやればどんどん老朽化は進み、設備面も更新されずに値段が上がったり、災害の時に水道が使えなかったりリスクが上がる。コンセッション方式をうまく使ってコストも削減してビジネスチャンスにつながればいい」としている。

(「プライムニュース α」12月6日放送分)

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