企業の「水害リスク」想定は3割 BCP策定で備えを

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企業にも、さまざまな損害を与えた西日本豪雨。災害を想定した対策に、ある問題があった。

企業活動にも大きな影響を及ぼした、西日本の集中豪雨。

こうした自然災害に備え、政府は企業や地方公共団体に対し、BCP(事業継続計画)の策定を促している。

BCPとは、自然災害などが発生した際、事業を可能な限り短い期間で復旧させるための方針や手順などが、企業自身によって記載されたもので、2011年の東日本大震災を機に、BCPを策定する企業が増えている。

一方、内閣府が行った調査によると、企業が想定しているリスクで最も多いのは地震で、およそ9割にのぼるのに対し、洪水はわずか3割ほどにとどまる結果に。

その背景に、洪水などの水害に対する企業の認識の甘さがあると、専門家は指摘する。

MS&ADインターリスク総研(株)RM4部BCM第1グループ長・山口 修氏は、「(水害を)長期に事業が中断するリスクと認識をされていない。BCP策定の優先順位として、後回しになっている」と話した。

今回の西日本豪雨で、イオンは水害のリスクを想定し、全国の店舗でBCPを策定していたものの、店舗が浸水するなど大きな被害に遭った。

東京・大田区にある西尾硝子鏡工業所は、付近の川が氾濫して、洪水が起きたときを想定したBCPを策定している。

社員の意識を高めるため、定期的に防災訓練や勉強会を実施し、BCPを更新。

そこには、災害発生時から日ごとにリスクが想定され、その際の対応などがくわしく記載されている。

(株)西尾硝子鏡工業所・西尾智之代表は、「水害で水浸しになってしまったら、工場の機械が稼働しない。区のハザードマップを見て、このへんは洪水のリスクがかなり高いので、(BCPの策定で)水害をやってみようと思った」と話した。

地域の環境や災害の特定を考慮したBCPの策定が求められるが、策定済みの企業は、大企業でおよそ6割、中堅企業では3割ほど。

政府は、2020年までに、大企業でほぼ10割、中堅企業で5割の策定率を目指している。