「“お通し”頼んでないのに…」 外国人観光客専用のトラブル相談窓口がオープン

カテゴリ:国内

  • 国民生活センターが外国人観光客向けに5ヵ国語で電話相談開始
  • 通訳者と相談担当者の三者間通話で対応
  • 「外国人の消費者トラブルは未然に防ぐことも大切」

2018年も残すところあと1ヵ月を切ったが、年末年始休暇に向けての準備は順調だろうか?
暖かい南の島やカウントダウンイベントが開催される世界の都市で過ごそうと、多くの人が海外旅行に出掛ける一方で、近年、日本を訪れる外国人観光客も急増している。

2017年の外国人観光客数は2800 万人を超え、5年連続で過去最高を更新。
東京オリンピック・パラリンピックが開催される2020 年には、さらなる増加が見込まれる中、国民生活センターが外国人観光客専用の電話相談窓口を新設した。

12月3日にスタートした「訪日観光客消費者ホットライン」は、商品の購入、飲食、宿泊、交通機関の利用など、日本滞在中に消費者トラブルにあった場合に相談できる窓口だ。
日本語の他に英語・中国語・韓国語・タイ語・ベトナム語の5 ヵ国語に対応し、平日の午前10時から午後4時まで受け付けている(土日・祝日、年末年始を除く)。

多言語リーフレット 日本語版

外国人観光客を悩ませる消費者トラブルには、どのようなものがあるのか? また、利用者となる外国人観光客への周知はなされているのか?
国民生活センターの担当者に聞いた。

「お通し」に「返品」…文化の違いから生じるトラブルも

ーー消費者トラブルの具体例を教えてください。

想定される消費者トラブルには、次のような例があります。
1)商品を購入したが、壊れていた。
2)飲食店で著しく高額の請求があった。
3)レンタカーで高額な修理代を請求された。
4)ホテルの部屋が予約内容と違っていた。

「訪日観光客消費者ホットライン」では、観光情報、落とし物・忘れ物、事件・事故、病気・ケガといった消費者トラブル以外の相談は対象としておらず、他の相談窓口を紹介しています。

過去に全国の消費生活センターに寄せられた外国人からの相談内容には、文化の違いによるトラブルも報告されています。
代表的な2例として、「突き出し(お通し)」と「商品の返品」があります。
突き出し(お通し)は、居酒屋などの飲食店で注文をしなくても出される最初の料理ですが、外国人はこれをサービスと思う人もいるのか、「何も言わずに運ばれた料理の代金を請求された」としてトラブルになることが多いようです。
また、日本では不備がない限り購入した商品を返品することはないかと思いますが、外国では後日に「やはり気に入らない」として返品することも少なくないようです。
「プレゼント用に購入した商品が、相手の好みではないことがわかったので返品したい」という相談がありましたが、他国では店側がそのような理由での返品にも応じているという背景があるようです。


ーー外国語が堪能な国民生活センターの職員が対応?

電話に最初に対応するのは、通訳サービス会社の通訳者です。
消費者トラブルに遭遇した訪日観光客が本窓口専用の電話番号に電話をすると、相談者の使用言語を認識して、その言語の通訳ができる通訳者が国民生活センターに転送します。
それを受けた国民生活センターの相談担当者が、通訳者を介して相談者からの聴き取り、アドバイスなどを行うという流れです。
三者間通話による逐語通訳で対応しますので、スムーズなやり取りができています。

「訪日観光客消費者ホットライン」のイメージ

ーートラブルになっている事業者と直接話すこともある?

相談者のすぐそばに飲食店などの事業者がいる場合には、相互に状況の説明をするなどの対応をすることもありますが、基本的には、こちらからはトラブルへの対処法をアドバイスしており、その後は相談者ご自身での判断となります。


ーーオープン初日の問い合わせ状況は?

午前に1件、午後に1件と合計2件の問い合わせがありました。(取材した3日午後14時45分時点での件数)
1件は消費者トラブルではなかったのですが、もう1件は免税店での商品購入時のトラブルで、無事解決しました。

今後は言語・受付時間の拡大も検討

ーーなぜ外国人観光客専用の相談窓口を開設したのか?

全国の消費生活センターには、これまでにも観光客に限らず外国人からの問い合わせが寄せられていて、各現場では外国人観光客の増加とともに増加しているという肌感覚があると聞いていましたが、統計などのデータがなく、全体の状況は把握できていませんでした。
外国語への対応はそれぞれの地域や相談担当者によって異なり、できる限りの通訳対応をしてきましたが、2020年に向けて一層の外国人観光客数が予想されるため、専用窓口の設置に至りました。


ーー外国人観光客に対して、どのようにして周知している?

相談窓口と同じく日本語の他に5ヵ国語のリーフレットを作成し、これを各国大使館や観光案内所に設置していただいています。
ご要望があれば警察署にも配布しています。
また、ツイッターでは英語でも「訪日観光客消費者ホットライン」について発信しています。

近年、アジアからの観光客が増えていることから、外国語案内の基本である英語・韓国語・中国語の他にタイ語とベトナム語が採用されたということだが、「今後 蓄積されていく電話相談のデータを踏まえ、他言語への対応も検討していく」考えだ。
また、受付時間についても、現在の「土日・祝日、年末年始を除く」という運用から、時間外の問い合わせ数を集計して受付時間の拡大も検討しているという。

さらに、「消費者トラブルは解決することだけでなく、未然に防ぐことも大切」だとして、寄せられたトラブル相談の事例を定期的に公表し、観光庁や事業者などの関係機関へ提供するとともに、国民生活センターのホームページでも注意喚起していくということだ。

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