もし臨月に“大地震”に遭遇したら…【仙台発】

311震災からの教訓 「周産期福祉避難所」

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  • 東日本大震災の時、避難所で大変な苦労を強いられた 産前産後の母親や赤ちゃん
  • 宮城県は311の教訓から周産期の母子が安心して避難できる「福祉避難所」を設置
  • 課題は備蓄品や専門スタッフの配備

東日本大震災の教訓

11月13日、仙台市青葉区にある東北福祉大学で「周産期福祉避難所」を開設する訓練が行われた。
受け入れ対象は、生後3ヵ月までの赤ちゃんや出産まで1ヵ月を切った妊婦のいる家族。
巨大地震発生の4日後、まだ停電中という想定で訓練は行われ空き教室へと親子を案内した。

訓練の様子

助産師:
「お腹張ったり痛くなったりないです?血圧上がると頭が痛くなったりしますが いまは大丈夫ですか?」
周産期福祉避難所では、助産師が母子のケアにあたるほか、看護実習の設備を使い、赤ちゃんの沐浴なども行える。個室なので、周囲の目を気にせず授乳したり、オムツを交換できる。

東日本大震災の時、こうした対応は、十分ではなかった。当時の避難所には赤ちゃんを抱え避難所に来ていた母親の苦悩があった。

学校に避難した母親【東日本震災当時】
「下の子が3ヵ月なので人が多いと泣き声で起こしてしまうかも」
学校に避難した母親【東日本震災当時】
「不足しているので オムツは我慢している」
病院の看護師【東日本震災当時】
「お産のベッドがないので 2~3日で退院している。 赤ちゃんの体重が増えない状態で
 帰宅したり避難所に行かなくてはならない」

この反省から宮城県は2014年、避難所のマニュアルを改定し避難所に授乳室を設けたり、ミルクなどの備蓄を進めている。さらに仙台市では病院の受け入れが限界で、やむなく避難所にいる母子を想定し周産期福祉避難所を設けた。現在、看護学科のある市内6つの大学や専門学校と協定を結び、あわせて25世帯を受け入れる態勢となっている。

具体的な流れは以下の通り。一般の避難所で生活が難しい妊産婦を保健師が見つけ、看護系学校に避難先を移す。そこに助産師を派遣しケアを実施。医療が必要な人については、東北大学病院が受け入れ先を調整する。


東北福祉大学の駐車場の一角には妊産婦避難所の専用備蓄倉庫があり中にはオムツや毛布が備蓄されている。東北福祉大学では東日本大震災の際に一般の避難者1200人を4日間受け入れた経験がある。周産期福祉避難所としては、4世帯を4日間から1週間ほど受け入れる態勢を整えている。

訓練に参加した須田智美助産師:
「赤ちゃんとお母さんがストレスなく避難できる環境は本当に必要と感じたので このような場所がもっと増えるといいと感じます」
同様の避難所を設けているのは、宮城県内では仙台市だけ。全国的にも京都市や神戸市など、一部の自治体に限られている。備蓄品や専門スタッフの配備が課題となっていて態勢づくりが求められている。

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