「辞めたアイツも誘ってみよう」 忘年会向けポスターにネットは悲鳴…その意図を聞いてみた

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  • ぐるなびの忘年会向けポスター 「辞めたアイツも誘ってみよう。」
  • ネット上では「やめてくれ!」「嫌がらせか」と悲鳴も…
  • 広報「自由な発想で忘年会を楽しんでほしい」

忘年会シーズン!“お誘いポスター”に悲鳴も…

今年も残すところあと一か月。
仕事納めに向けてバリバリ働いている人たちも、そろそろ話がでてくるのが忘年会だ。

職場の忘年会となると、普段はなかなか飲みに行かないような人と同席する機会にもなるだろうが、大変なのはなんといっても幹事役。
どうやって盛り上げるかもそうだが、誰を誘っていかにして人数を集めるかということに今から頭を悩ませている人も多いだろうが、そんな忘年会の悩みにアドバイスをくれるこんなポスターが登場している。

この広告は、飲食店の検索サービスを展開している株式会社ぐるなびが、10月からスタートした「忘年会キャンペーン」の一環で公開しているもの。
ウェブ上だけでなく、JR・東京メトロの駅構内や飲食店にもポスター掲載されている。

様々な種類のお酒のグラスが描かれただけのシンプルなデザインが目を引くが、注目はそのキャッチコピー。

「ワイン通のあの人も、忘年会に誘ってみよう。(熟成された芳醇な話が聞けるかも。)」
「レモンサワー好きのあの人も、忘年会に誘ってみよう。(カラダを絞るのは、来年からでもいいんじゃない?)」


他にも、ハイボールやウイスキーのイラストとともに、色々な人を忘年会に誘ってみよう、と呼びかける内容になっている。

「飲み会の一杯目は生ビールで乾杯!が当たり前」だった時代も今は昔。人それぞれのお酒の楽しみ方が受け入れられつつある中、「ワイン通」「ウイスキー党」がワイワイ混在する忘年会は確かにいまどきだと思うのだが、実は今、このポスターの内のひとつが、ネット上で議論を呼んでいるのだ。

それが、こちら。

「辞めたアイツも、忘年会に誘ってみよう。(一緒に働いた仲間は、忘れないようにしないとね。)」

このキャッチコピーに、ネット上では「ハードめな嫌がらせ」「勘弁してくれ…」と悲鳴が続々。一方で、少数ながら「円満退社なら(行くかも)」「辞めた理由による」との声も挙がっていた。

また、実際に退職した会社から忘年会の誘いがあった、というユーザーの書き込みもいくつかあり、そちらも「絶対行きたくない」「辞めたのにまだ気にかけてくれてて嬉しい」と意見は真っ二つだった。

一年の最後、懐かしい仲間の顔が見られれば嬉しくなるのもわかるが、辞めた職場の忘年会に参加するのはちょっと…というのも頷けるこの議論。
このポスターを作成したぐるなびはどう捉えているのだろうか?ぐるなびの広報担当者にお話を伺ってみた。

「自由な発想で忘年会を楽しんでほしい」

――このポスターのコンセプトは?

忘年会をめぐる環境は大きく変わってきており、気軽に忘年会をしようと言い出しにくいときもある社会背景の中で、「こんな忘年会ならアイデア次第であの人も来てくれるかも」と気づきを与え、「自分が幹事になってポイントを稼ごう!」と、忘年会幹事をアクティベートするというものです。
今回のコンセプトは「お酒をきっかけに」ではなく「お酒じゃなくてもいいよね」というものです。
同じ組織で勤めていても、友人でも、好みも性格も人それぞれ。今までのような「みんなで一緒に、ビールで乾杯!」という忘年会から、ビールやワインなどお酒はもちろん、ウーロン茶などノンアルコールでも楽しめる、多様性に富んだ忘年会に変えていこうというメッセージを、多様性に富んだグラスで表現しています。

今回議論となった「辞めたアイツも…」というキャッチコピーは、店舗用のポスターやステッカーのみに使われているもの。
交通広告は8種類のデザインの組み合わせになっているとのことで、うち7つはお酒をデザインしたものになっているのだという。
残りの1つはウーロン茶が描かれたもので、「お酒が飲めないあの人も、忘年会に誘ってみよう。」というキャッチコピーが添えられている。


――なぜ“飲み物”で揃えるのではなく、「辞めたアイツも…」というキャッチコピーを入れた?

これからの多様性に満ちた忘年会を提案する中で、一般的なイメージの「いま付き合いがある人だけの忘年会」だけでなく、「今も仲の良い昔の仲間と思い出話に花が咲く忘年会」や、「昔の仲間と再びコミュニケーションをとるきっかけになる忘年会」があってもいいじゃない、という意味合いでコピーを制作しました。


――辞めた職場の忘年会に参加する、というのは一般的ではないような…

忘年会は職場だけでなくプライベートでも開催されるものです。プライベートで昔の仲間と久しぶりに再会する忘年会はありうると思いますし、職場の忘年会であっても同期の集まりで辞めた人にも声をかけようという忘年会は存在するのではないかと考えています。
忘年会=ビールで乾杯、忘年会=会社の上司と部下というイメージだけでなく、もっと自由な発想で忘年会を楽しんでほしいというのが広告の趣旨です。


――やはり「退職=マイナスイメージ」という人が多いかと思いますが…

世間一般的にみて、退社=もめ事ではなく、前職の上司や仲間と今も友好な関係を築いている人もいるでしょうし、残念ながらしこりを残して辞められる方もいらっしゃるという認識です。
Twitterの投稿でも、前職の忘年会に参加することに抵抗がないというコメントも複数見られました。忘年会=会社(部署)で開催する忘年会だととらえると、辞めた人が参加しづらい心境は充分に理解できます。
ただ、忘年会はプライベート、会社の同期などさまざまなシチュエーションで行われます。今回の広告の目的は、まさに「忘年会=会社」というイメージから脱却し、さまざまな相手・目的・シチュエーションで楽しむのが忘年会だというメッセージを発信しています。

ネットの反応は「意見として受け止めている」

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――ネット上の反応についてはどう捉えている?

ポスターのコピーの受け止め方は千差万別あって当然だと思いますので、1つの意見として受け止めています。


――忘年会シーズンを迎え、この広告を通して一番伝えたいメッセージは?

忘年会は日本の食文化の1つです。「忘年会=会社」「忘年会=ビールで乾杯」という画一的なものではなく、多様性を認め、自由な発想で楽しんでいただきたいと思っています。

今回のキャッチコピーは「辞めたアイツを無理やり誘う」ということではもちろんなかったが、“平成最後”となる今年の忘年会を、型にはまらず、自由な発想で楽しむのはいいかもしれない。