「全身がん」公表の高須院長が“保証のない”治療を選んだ覚悟と事実婚を選んだワケ

  • 「実験台です」絶対の効果が保証されない特殊ながん治療に臨む高須氏
  • 彼女の可能性を潰したくない…体操・宮川紗江選手への支援を即決
  • 美容整形への偏見と闘うための2つの型破りな秘策

「僕も裏口入学だよ」

「法的に争うと?上等です。受けて立ちます」

今、彼がSNSでつぶやけば、その過激な発言で世間をざわつかせる。

その人物は、日本美容外科における第一人者、高須クリニック院長・高須克弥氏(73)。

SNSで世間に毎日メスを入れ続け、注目を浴びる彼がこれまで明かしてこなかった真相に迫る。

拠点・愛知県ではどんな生活をしているのか密着

ある日、番組MCの坂上忍は、高須氏が定宿にしているホテルニューオータニの一室を訪ねた。

高須氏の拠点は愛知県だが、東京に来た時はこのホテルに泊まるそうで、この部屋に滞在するのは週2日ほどだという。

「まとめて請求が来るから」と高須氏は一泊の宿泊代を把握していないようだが、実は「僕はここ使い始めたの、1964年の東京オリンピックの時からですから」と明かし、坂上を驚かせていた。

高須氏が泊まっている部屋は一泊14万円ほど。仮に、東京オリンピックの年から毎週2日泊まったとすると、合計金額は約7億9000万円の計算になる。

そんな高須氏は、2018年9月に「全身がん」であることをSNSで打ち明けている。がんを患っても東京での生活は今までとほとんど変わらないというが、高須氏の拠点である愛知ではどのような生活を送っているのか、その日常に密着した。

朝8時、愛知にある自宅からタクシーで向かった先は、高須病院。

高須一族は代々医師の家系で、現在高須グループは、高須クリニック全国5か所に加えて、高須病院をはじめとする11の医療・介護・福祉施設を持っている。そのトップに君臨しているのが高須氏だ。

自宅から1時間ほどで病院に到着すると、まずは隣にある実家へと向かい、仏壇に向かって8年前に他界した妻と母に手を合わせる。

その後、お手伝いさんが作った朝食を回診の前に取る。この日のメニューは、うなぎの蒲焼。3分で済ませて、病院へと向かった。

この日の回診では、長男・力弥さんと共に。3人いる息子たちも医者だという。

4フロア、170近くあるベッドを回り、患者一人一人に高須氏は声を掛け、回診は約3時間続いた。

午後は夕方まで経営会議に出席するなど、精力的に働き、健康そうに見える高須氏だが、彼は全身を複数のがんで侵されている。

全身がんを公表したきっかけは樹木希林さん

がんが見つかったのは3年半ほど前。「自分で見つけたの。検査の時に人間ドックで上から下まで全部調べて、血尿が出てるっていうのがわかったから、細胞診をやってくれとオーダーしたんです。『がん細胞が出ました』と言われて、尿路系のがんだって。膀胱がんか尿管がんか腎臓がんだろう…と思っていたら全部なってて」と笑って話す高須氏に、思わず坂上は「笑いごとじゃないんですけど…」とツッコんでいた。

3年半ほど前に見つかっていたはずのがんを公表したのが2018年9月。なぜ、このタイミングで公表したのか。

それは、同じように全身がんを患っても精力的に活動していた女優・樹木希林さんに心を打たれたからだという。

明るく話す高須氏に坂上は「でも、素人からすると全身がんと聞くと『もう無理なんだろうな』という印象しかないんです」と話すと、「どっちみち全員無理なんです。200歳まで生きられっこないので。平均余命を数えると、あと何年と計算できるし」と楽観的な様子。

また、高須氏は「麻雀やっているときと一緒。当たるか通るかというのと同じで、どっちかしかない。絶対に死ぬことは間違いないんだけど、どのくらい生きられるかはわからないから人生楽しい。何でがんだけ特別扱いするのかよくわからない。だって結核よりもポピュラーですよ。2人に1人になるんだもん」とがんは特別な病気ではないと言い切った。

「実験台です」高須氏が臨む特殊ながん治療

そんな彼は今、「自分のところが総合病院ですし、検査機械が一番新品」と高須病院でがん治療を行っているという。

MRIやCTなどの検査結果は、高須氏自身でも診断できるが、自分に都合の良いように解釈する恐れもあると、他の医師にも診断を仰いでいるようだ。

現在の高須氏の体には、腎臓・尿管・膀胱の3か所ががんに侵されている。一般的に、複数のがんに侵されている状態を“全身がん”と呼ぶことが多いという。すでに、がん細胞があると疑われた箇所は摘出した部分もあるが、依然がん細胞が残っている箇所もあるという。

さらに、高須氏は特殊ながん治療にも臨んでいるという。

自身の血液を特殊な治療器具で体外循環させ、そこからリンパ球に含まれる“がんを攻撃する細胞”を取り出して、その細胞を培養して増やし、増やした“がんを攻撃する細胞”を点滴で再び体に注入…このサイクルを繰り返し行う、一種の免疫治療を行っている。

高須氏によると、この治療法は絶対の効果が保証された治療ではないという。そのため、「厚生労働省が推奨している標準治療から外れているんです。もちろん、保険は利きません。自己責任でやる治療です」とも言っている。

自身が行う治療法を明るく語っている高須氏だが、絶対の保証のない治療をなぜ選んだのか。坂上が「ご自身が自分を実験台にしているところはあるんですか?」と問うと、「ええ!実験台です。だからこれ、勧めてません」と明かした。

坂上は続けて「高須さんが整形されたり、腹筋作ったりをずっと見ていて、今全身がんで自分の考えのもとで治療をしているのを見た時に、これが成功しようが失敗しようが、周りの人からするといい教材になるんだろうな…」と問いかけると「よく言ってくれました!それが目的です!」と高須氏は目を輝かせた。

「今までやっていること全部そう。上手くいったらいったで僕の利益。上手くいかなかったら世のため人のため。どっちに転んでもいいんです」と、持論を述べた。

がん治療を続ける中、高須氏自身が今、楽しみにしていることの一つが「麻雀」。高須氏との麻雀に集まる人たちは、がん患者同士で病気に関して情報交換をしながら対局しているという。

可能性を潰したくない、体操・宮川選手へ支援を決意

そして、今年最も大きな注目を集めたのが、コーチの暴力問題や体操協会へのパワハラ告発で、騒動の渦中にあった宮川紗江選手とのスポンサー契約。

2018年8月に「強固な信頼で結ばれた宮川紗江選手とコーチを物心共に応援したいと思います」とツイートし、支援の手を差し伸べた。

高須氏は、これまでにも被災地の復興支援や介護施設の建設、アスリートの支援など多額の資財をつぎ込んできたが、なぜ宮川選手への支援を決めたのか。

その理由を「宮川選手はスパルタ的な指導をされて、外から見たらかわいそうみたいに思われていますが、宮川選手はなんとも思っていない。みんながいけないと言うから、そういうことはいけないんですねという感じで。コーチの方も反省しているじゃないですか。そこで、何とかしてあげたいなと思って、すぐスポンサーについてあげた」と語った。

“美容整形”への偏見との闘い

また、「総攻撃を受けた」と高須氏が語るように誹謗中傷の連続だったという過去に坂上が切り込むと、高須氏が美容整形への偏見と闘った壮絶な半生が見えてきた。

江戸時代から代々続く医者の家系に生まれた高須氏。美容外科と運命の出会いを果たしたのは、25歳の時。

留学先のドイツで現地の教授が鼻を小さくする手術を行い、これを見学した高須氏は「これを日本に持って帰ってきたら、俺ナンバー1じゃん」とかつてない衝撃を受けたようだ。

日本で美容外科を広める決意をした高須氏だが、当時の日本の法律では美容外科は診療科としてすら認められていなかった。当時を「(周りから見たら)美容整形はものすごく下だった。『どこも悪くない人間を切っていいのか』って」と振り返る。

しかし、2017年に日本で行われた美容施術数は約190万件に(日本美容外科学会の調査より)。ここまで世間に受け入れられるまでに高須氏は、どのような方法で偏見と闘ってきたのか。そこには、2つの型破りな秘策があった。

一つ目はテレビ番組への出演。

美容整形の代表としてバッシングを覚悟で矢面に立ち、“美容整形は人を幸せにする医療”であることをアピールした。さらに、自身が広告塔となる型破りなCMで美容整形そのものを売り込んでいった。

二つ目は自身への整形手術。

今では当たり前となっている「脂肪吸引」や「ボトックス注射」など、これらはすべて高須氏が日本に持ち込んだ技術。これらすべてを自身に施し、効果や安全性をアピールしてきた。

極め付きは、54歳の時に行った「フルフェイスリフト」という大手術。一度顔面の皮を剥ぎ取り、それを引っ張って再び張り合わせるもので、顔中のシワやたるみをなくしてしまったという。

さらには、「ハードケミカルピール」という施術にも挑戦。劇薬を顔中に塗り、皮膚を火傷させた状態にして、表面の皮をはがすことで肌をツヤツヤに若返らせた。

これまで自身に行ってきた施術は500回以上。自ら、美容整形で若返らせ、その効果を証明し続けてきた。

こうして美容整形を世の中に認めさせた結果、今では年商70億円にまで上り詰めた。

ずっとファンだった。西原さんとの出会い

そんな高須氏には今、事実婚7年を迎えるパートナーがいる。

自身の子育てを描いた『毎日かあさん』や『ぼくんち』などの代表作でなどで知られる漫画家・西原理恵子さん。

高須氏との交際を宣言し、公の場に二人で登場することも多いが、戸籍は別という事実婚の関係を7年に渡って続けている。

二人の出会いは、高須氏が西原さんのファンだったことから始まる。西原さんは「ずっとファンレターを送ってきたので。付き合う前の最初の手紙、ファンレターがこの間家を片付けていたら出てきたの」と出したものは、なんと、当時高須氏が始めた脂肪吸引ビジネスの会員権。

ファンだった西原さんにいきなり200万円分をプレゼントするという、高須氏の破天荒な行動がきっかけで二人は出会った。しかし、当時はただの友人同士。当然、恋愛関係にはなかったがお互いの身に起きたことにより、関係は変わったという。

それは、パートナーとの死別。2007年と2010年にそれぞれの配偶者をがんで亡くしている高須氏と西原さん。

立て続けに母親や愛犬と死別し、ひどく落ち込んでいた高須氏を西原さんが食事に連れ出したことを機に交際に発展。2012年に堂々と宣言をし、高須氏70歳、西原さん50歳の年の差20歳の熟年カップルとして知られるように。

坂上が戸惑うほどのラブラブぶりに西原さんは「若い人みたいに、『この人のここが許せない』とかなる前に工夫できますよね。そんなに嫌いになる前に、一緒にいないとか、意見を戦わせないとか、流せるようになりました」と円満の秘訣を明かした。

仲睦まじい二人だが、事実婚関係を続けるわけは、ある考えに基づくものだという。

高須氏は「籍を入れると面倒なことばっかりなんですよ。両家の結びつきとか、そういうものになってくるので。僕は彼女を個人的に好きで、いろいろなしがらみは全部なしで付き合いたいものですから。お互い、独立した人格で互いを認め合っていますから」と言う。

そして今後について「とにかく、僕が介護とかそういったことは一切やらなくていいと言って。始めから宣言しています。親父が死んだ後に、親父の遺産で争うくらい悲しいことはない。死んだ時に全部すってんてんになるように計画しているんだけど、思ったより早く死んじゃうと(遺産が)残っちゃうから」と話した。

また、高須氏は西原さんへゴルフ場の会員権と愛車を遺すと言っているが、西原さんは「ゴルフもしないし、免許もないし、いらない」と、利害関係にとらわれていない関係だと見せた。

ただ、西原さんは高須氏が“全身がん”だということに、不安を抱いているという。「私は前の夫もがんで亡くしています。『どっちみち僕が先に逝くんだから』や『一緒にいる時間をとにかく大事にしよう』って。『笑っていこうね』と言われて、その通りだなと思って。『ケンカする時間がもったいないよ』って。若い時は意地を張ってケンカをしたけど、もうそんなことする暇はないんだなと思って」と動揺する西原さんを高須氏が励ましたようだ。

さらに、まるで自分の体を実験台のようにしてがんの治療を行う高須氏に西原さんは「みんな、苦しんでいるでしょ。そしたら、手本になるがん患者でいようと。『こんなに行動できる』や『こんなに動ける』と、治る病気であることを医者として実践したいんじゃないかと思います」と高須氏が抱く医師への覚悟を語った。

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