「これいいなー」おばあちゃん本人も絶賛!孫が撮る“祖母グラフィー”にほっこり

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  • 孫が撮影した「おばあちゃん」の写真がSNSで話題
  • ポートレート写真を始めたきっかけは“祖父の死” だった
  • おばあちゃんはいつも「うわーこれいいなー」

おばあちゃんと犬と花と

嫁グラフィー」という言葉をご存じだろうか?

満開の花や海などの豊かな自然に囲まれたり、日常の何気ない風景の中に佇む妻を被写体にした写真のことで、離れた場所から妻の後姿や横顔を撮影していることから、絵画作品のようなおしゃれな雰囲気が特徴。
妻のさまざまな表情をよく知る夫が、その魅力が引き出された瞬間を収めた写真なのだ。

杉本優也(@Sugimoto_Yuya_)さんの投稿をきっかけに、ツイッターやインスタグラムに「嫁グラフィー」のハッシュタグで自分の妻の写真を発信する人が徐々に広がり、人気を博している。

そして、今度は妻ではなく自分のおばあちゃんを主役にした「祖母グラフィー」なる写真が登場し、SNS上で31万超の“いいね”がつくなど大きな反響を呼んでいる。(19日現在)
疲れた心がほぐれていくような、微笑ましい写真をご覧あれ!


自分のお婆ちゃん撮ってます」という言葉とともに投稿された色鮮やかな4枚の写真。

赤やピンクのポピー畑、桜並木、紫陽花の坂道、銀杏の絨毯…すべての場所に、やさしい表情で柴犬に笑いかけるおばあちゃんの姿がある。
美しい景色の中の穏やかな時間をとらえた写真は、まるで映画のワンシーンのようだ。

投稿したカメラマンは、おばあちゃんの孫のYASUTO(@yasuto8888)さん。
ポートレートを中心に、日本各地の風景を収めた美しい写真をツイッターとインスタグラムに投稿している。
様々なフォトコンテストでの入賞経験もある実力者だが、実は、プロのカメラマンではなく、本業はサラリーマンで、写真は休日に趣味として撮影しているのだという。


2016年の9月から本格的に写真活動を始め、「まだまだ未熟者」だと語るYASUTOさんだが、作品のファンは多く、これまでに撮影した「祖母グラフィー」の中から代表作の4枚を紹介したこの投稿のコメント欄には英語や中国語のメッセージも寄せられるほど、多くの人の心を動かした。称賛の声には、次のようなものがあった。

・優しさにあふれた素敵な写真
・よき孫と幸せなおばあちゃん
・写真を見て涙が出たのは初めてです
・おばあちゃんのこの表情は、お孫さんだからこそ撮れるものなのだろうな
・離れて暮らすおばあちゃんに会いたくなった
・2018ほっこりオブザイヤー


しかし、なぜおばあちゃんを主役にした写真を何枚も撮影しているのだろうか? 写真へのこだわりとおばあちゃんに対する思いをYASUTOさんに聞いた。

きっかけは写真好きだった祖父の死…

ポピーと桜に囲まれて(2018年春撮影)

ーーおばあちゃんを被写体に写真を撮っているのはなぜ?

ポートレートの撮影が大好きだったおじいちゃんを1枚も写真に撮れなかったことが関係しています。
お葬式の日、おじいちゃんの遺影は、三脚を使用して自分自身で撮影したのだと聞き、人生で1番の後悔をしました。
もう同じ思いはしたくないと、おじいちゃんが亡くなった翌年の2016年から友人にモデルをお願いしてポートレート写真を本格的に始め、祖母の写真を撮影するようになりました。


ーー「祖母グラフィー」という言葉はどこから?

「嫁グラフィー」の杉本優也さんが今年5月に開催した「東京カメラ部」の写真展で杉本さんにお会いして、おばあちゃんの写真を撮っていることを伝えました。
「僕は『祖母グラフィー』と付けさせてもらってもいいですか」と確認をして、それ以降ハッシュタグを付けて投稿しています。


ーー作品数はどれくらい?

「祖母グラフィー」は、おばあちゃんと僕が住んでいる岡山県での撮影が多いです。
これまでの10作品は、和気町で藤公園、県北で桜、笠岡市でポピーとヒマワリ、吉備津神社で紫陽花、落合町で彼岸花などを撮り、おばあちゃんの家でも日常風景を撮影しました。
足を延ばして香川県にコキアとコスモス、鳥取県には銀杏を撮りに出掛けました。
銀杏の写真は木の上から撮ったように見えますが、同じく撮影に来ていた方に脚立をお借りして撮影しています。


ーーお気に入りの1枚はどれ?

思い出深いのは、2017年の最初に撮影した藤公園の写真です。
この場所へは、幼い頃にもおばあちゃんと遊びに来たことがあって、29年ぶりに一緒に訪れました。
亡くなったおじいちゃんともここで藤の花と写真を撮ったことがあったそうで、おばあちゃんの家には当時の写真が大切に飾られていました。
その思い出の場所で撮影した大切な1枚です。おばあちゃんは、僕に撮られながら亡くなったおじいちゃんを思い出していたのかな、と思いました。

岡山県和気町にある藤公園にて(2017年初夏撮影)

「祖母グラフィー」を投稿する際に、作品のタイトルとして「おじいちゃんとおばあちゃんと僕の作品」という言葉を添えるのですが、これはいつも写真を撮る時に、ポートレートの撮影が大好きだったおじいちゃんも一緒にいるような気がするからです。

おばあちゃんはいつも「うわーこれいいなー」

岡山県和気町にある藤公園にて(2017年初夏撮影)

カメラはCanonの「5DmarkIII」という機種を使用しているYASUTOさん。
被写体との距離や光量などの条件に応じて、その時々の感覚に従い複数のレンズを使い分けているという。

藤公園では、おじいちゃんの形見のレンズである「Canon  EF85mm F1.2 L  ULTRASONIC」を選択。
おじいちゃんと孫の思いがこもった写真を喜んだおばあちゃんは、「これを遺影にして欲しい」と大切に保管しているそうだ。

そんなおばあちゃんに寄り添うように写真に写っている柴犬は、YASUTOさんの実家の愛犬「福ちゃん」(オス・3歳)だ。
YASUTOさんの叔父と暮らすおばあちゃんとは、よく一緒に遊んでいる仲良しだという。
写真を見ていると、福ちゃんに笑いかけるおばあちゃんのリラックスした表情が印象的だが、このようなやさしい雰囲気の写真を撮るために、どのような工夫をしているのかを教えてくれた。


ーー撮影へのこだわり、いい写真を撮るコツは?

カメラ自体は16歳の頃から撮影するようになって、一緒に遊ぶ友人をよく撮っていましたが、おじいちゃんに撮り方を教えてもらったことはありません。
でも、亡くなったおじいちゃんが残してくれたたくさんの写真を見た時、「あの日、あの時、あの人に出会ったのだな。こんなこともあったな」と思い出が溢れてきました。
僕もそんな写真を撮っていきたいと思っています。そしてそれは、おばあちゃんに限らず、誰を撮る時も同じ気持ちでいます。
ポートレート写真を撮影する上で大切にしているのは、被写体となる人とたくさん話をしながら撮ることです。
おばあちゃんとの撮影中には、他愛もない日常の話をしています。


ーー「祖母グラフィー」を撮影していて、うれしいのはどんな時?

SNSへの投稿を始めたのは、「僕のように後悔する方が増えて欲しくない」という思いからでした。
若い方もカメラを持つことが増えているので、身近なおじいちゃんやおばあちゃん、両親など家族の写真を多くの方に撮影して欲しいと思っています。
なので、皆さんから「私もおじいちゃんやばあちゃんに会いに行く」「撮影します」といった言葉をもらった時が、一番うれしいです。
身近な大切な方をたくさん撮ってほしい、この思いばかりです!

撮影場所は地元周辺(2018年初夏~秋撮影)

完成した「祖母グラフィー」を見たおばあちゃんは、いつも「うわーこれいいなー」と喜んでくれるという。
次回作への意気込みを聞くと、「まだ冬の撮影はしたことないので、雪の中での撮影に挑戦したい」と話してくれた。

亡くなったおじいちゃんの分も、おばあちゃんのことをたくさん写真に撮ってあげたい、という孫の思いが込められた「祖母グラフィー」。
おばあちゃん孝行なだけでなく、見ているこちらも自然と笑顔になる写真に今後も注目だ。

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