北方領土返還に向け動き出した日露。色丹島と歯舞群島の、今の姿を知っていますか?

カテゴリ:国内

  • まずは北方領土の“2島”返還をベースに協議を進めていく事になった日露
  • 色丹島は現在約3000人のロシア人が暮らし、歯舞群島にはロシアの警備隊のみ
  • 元住人らは「一歩でも半歩でも島を動かしてほしい」と期待している

まずは“2島”返還で日露の協議へ

11月14日、シンガポールで行われた日露首脳会談の後、安倍首相は「領土問題を解決して平和条約を締結する。強い意思を大統領と完全に共有しました」と会談の成果を報道陣に伝えた。

平和条約の交渉を加速させることで一致した、安倍総理大臣とロシアのプーチン大統領。
基礎となるのは1956年の『日ソ共同宣言』だ。

そこには平和条約を結んだ後に、北方領土の歯舞群島と色丹島を引き渡すと明記されている。
“4島”返還を目指しながら、まずは“2島”返還をベースに協議を進めていく方針に踏み切った日本政府だが、その“2島”はどんな島かご存知だろうか。

「返せ!北方領土」

北海道・根室半島の沖合にあり、国後島、択捉島、色丹島、歯舞群島からなる北方領土。

一般人が訪問可能な、離島を除いた日本の本土最東端にあたる納沙布岬に行ってみると、まず目に飛び込んでくるのは「返せ!北方領土」の石碑だ。また、近くにあるタワーに上ってみると、目の前に広がるのは歯舞群島の島影だ。

最も近い島までの距離は、たった3.7kmしかないのだ。

根室・望郷の塔から見た歯舞群島の島影

北方領土は日本固有の領土だが、第二次世界大戦後に当時のソビエト連邦が実行支配。
それまではおよそ1万7千人の日本人が生活していたが、現在でもロシア人が暮らしている。

4島のうち最も面積が広い択捉島には、140メートルの高低差を誇る滝があり、自然豊かな島だ。
また国後島は火山島ということもあり、多くの温泉が湧き出す島だ。

では今回日本が先行返還を目指す2島とはどんな島なのだろうか。

色丹島には、現在約3000人のロシア人が暮らしている。

未舗装の道路を車で走ると、日本とは趣の違うカラフルな色の住宅が立ち並ぶ。
色丹島にある学校を覗くと、小学生から高校生までの130人が学んでいるという。
1994年に起きた北海道東方沖地震で被害を受け、日本が支援した縁から、校内にはさまざまな日本文化が見られた。子供たちが夢中になって遊んでいるのはけん玉で、壁には日本語で「友情」と書かれた立派な書が飾られていた。

一方、かつては5000人を超える日本人が生活していた歯舞群島。
現在ではロシアの警備隊がいるだけだ。そのためか、群島全体が豊かな自然で覆われている。

子供のころ歯舞群島で生活し、その後も訪問する機会があるという、千島歯舞諸島居住者連盟の河田弘登志副理事長は「漁業をやるのにはうってつけの島だったんですね」と当時を振り返る。

「昆布がものすごくとれたんです。だしにする昆布もありますし、煮て食べる昆布もありますし」と話すように、昆布を中心とした漁業で栄えていたそうだ。

「一歩でも半歩でも動かしてほしい」

日本政府が、まずは2島返還をベースに協議を進めていくことについて北方領土に一番近い根室市民はどう考えているのだろうか。

80代の女性は「本当は4島返還のほうがもちろんいいです」と、2島先行返還ベースの協議に理解を示しつつも、本音を覗かせた。また、鮮魚店で働く男性は、「2島でも早く帰ってくるんであれば、経済効果としては最高の状態になるわけだから。2島周辺は漁場としては最高の漁場ですし」と期待をふくらませる。

一方、国後島出身で、千島歯舞諸島居住者連盟の宮谷内亮一さんは「今回は一歩前進。一歩でも半歩でも島を動かしてほしい」と協議が進むことを評価しつつ、さらなる進展を望んでいた。

今後安倍首相とプーチン大統領は、今月30日からアルゼンチンで行われるG20、そして年明けの安倍首相のロシア訪問、来年6月のプーチン大統領訪日などでが接触する見込みだ。
返還された島の主権がどちらにあるのかなど、日露間での考えに違いがある部分に関して、話し合われる。

北方領土4島の返還に向けての第一歩になるのか、今後の交渉が注目される。

(「めざましテレビ」11月16日放送分より)

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